ちょっと前にアメリカの「ラストベルト」って呼ばれる、工場が錆びついて寂れちまった地帯の白人労働者が、どうしてトランプを熱狂的に支持したのか、そして結局彼らは報われたのか、っていう話が話題になっただろ。結論から言うと、アイツらの生活は別に楽にならなかった。トランプは製造業を復活させるとか威勢のいいこと言ってたけど、結局、関税戦争で余計な混乱を招いただけ。工場の雇用が劇的に戻ることもなく、賃金が上がるわけでもなかった。
じゃあ何が残ったかっていうと、「俺たちの声を聞いてくれた!」っていうカタルシスだけだ。エリートに無視され続けてきた「忘れられた人々」である自分たちに、トランプが光を当ててくれた。その高揚感。それだけだ。
で、この構図、この参院選でそっくりなものを見た気がしてならないんだよ。そう、参政党と、それに妙に惹きつけられてるロストジェネレーションの一部だよ。失われた世代の不満や不安を、うまいこと吸い上げて肥え太っていく感じが、マジでそっくりなんだ。
俺たちロスジェネがどういう扱いを受けてきたか、今さら説明するまでもないよな。バブルが弾けた後の日本で社会に放り出され、「自己責任」の一言で片付けられた。正規の椅子はとっくに埋まってて、非正規の沼でもがくしかない。いくら働いてもスキルは断片的で、給料は上がらず、将来の年金なんて信じてる奴はおめでたいとしか思えない。
自民党は経団連の方しか見てないし、かといって立憲や共産が俺たちのためのリアルな政策を提示してくれたか?全然そんなことなかった。結局、どの政党にとっても俺たちは「いない存在」だったんだよ。
そんな絶望のど真ん中に、参政党は現れた。「今の日本がおかしいのは、グローバル企業や特定の外国、そしてそれに追従する政治家のせいだ!」「メディアが伝えない真実を我々が教える!」ってな。
そりゃ、刺さる奴には刺さるだろうよ。ずっと社会から「お前の努力が足りない」と殴られ続けてきた人間にとって、「お前は悪くない。悪いのはあいつらだ」って言ってくれる存在は、そりゃあ心地いい。まるで暗闇に差し込んだ一筋の光みたいに思えるのかもしれない。でもな、その光、ただのハリボテの蛍光灯なんだよ。
参政党が掲げてる政策を見てみろよ。「食の安全!」「オーガニック給食!」「反ワクチン!」「日本の素晴らしい歴史を取り戻す!」……。
いや、もうね、アホかと。
俺たちロスジェネが直面してる問題って何だ?低賃金、不安定な雇用、脆弱な社会保障、孤独……そういうクソみたいにリアルな問題だろ。
オーガニック給食を食ったら、俺たちの手取りは増えるのか?給食費を払うのだって大変な世帯があるってのに。
「日本の歴史は素晴らしい」って連呼したら、来月の家賃や将来の年金不安が消えてなくなるのか?
「グローバリストがー」って叫んで、それで非正規の俺を来年から正社員として雇ってくれる会社が出てくるのか?
答えは全部ノーだよ。
彼らのやってることは、俺たちの不満や不安という名の「痛み」に対して、全く見当違いの場所に湿布を貼ってるだけなんだ。しかもその湿布は「俺たちは真実に目覚めた選ばれし者だ」っていう精神安定剤成分入り。痛みの根本原因には一切触れず、気持ちよくさせることで問題を忘れさせようとしてる。たちの悪いことに、その湿布、結構カネがかかるんだぜ。
もう一度アメリカの話に戻るぞ。ラストベルトの労働者たちは、トランプに投票して一時的にスッキリしたかもしれない。溜飲は下がっただろう。でも、彼らの町の工場が再び煙を吐くことはなかったし、生活は楽にならなかった。結果、分断と憎悪だけが社会に残った。
参政党に期待を寄せるロスジェネも、全く同じ道を歩もうとしてるようにしか見えない。
SNSで参政党の威勢のいい言説をリツイートして、「いいね」をもらって、仲間と「目覚めた」気分を共有する。既存メディアや専門家を「支配層の手先」と見下して、自分だけが真実を知っている気でいる。そりゃ気持ちいいだろうよ。ドーパミン出るだろうよ。
でもな、そのハイな気分が醒めた時、何が残る?
相変わらずの低賃金と非正規の身分。ジリジリと減っていく預金残高。そして、根本的な問題が何も解決しないまま、また一つ歳を取った自分だ。
そろそろ気づけよ。あんたらの不満は、もっと現実的な政策でしか解決できないんだよ。雇用の安定、賃金の引き上げ、まともな社会保障。そういう地味で、退屈で、でも決定的に重要な政策を掲げる政治家を、たとえそれが「スッキリ」しなくても、見極めて支持するしかないんだよ。
目を覚ますべきは、怪しげな陰謀論からじゃない。そんなものにうつつを抜かして時間を浪費している、自分自身の現状からだ。気持ちよくさせてくれるだけの詐欺師に、これ以上、あんたらの貴重な人生を安売りするな。
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