https://b.hatena.ne.jp/entry/s/www.j-cast.com/2025/07/16505976.html?p=all
参政党がよく主張している、『核保有国は核による強大な抑止力を持つので軍事的な攻撃を受けるリスクが低く、核装備は通常戦力を削減出来て安上がり』といったような理屈は誤り、というよりもイランやイスラエルのような核保有国が他国やテロ組織の攻撃を受けている事実とつじつまが合わない。
なぜ核兵器の巨大な抑止力を有していながら通常戦力による攻撃を受けるのか、それは核兵器の抑止力が機能するのは確実に撃ち込まれるという確信が相手にあるときで、また核兵器が基本的には使えない兵器だからだ。
仮に日本が核保有に成功したとして、その上で通常戦力で中国が尖閣諸島を占領したとする。その時、日本の政治家は東京に核が降り注ぐリスクを飲み込んで中国に核を撃てるだろうか。まず撃てないだろう。では沖縄が占領されたら?WWⅡで沖縄を捨て石にした日本人には撃てないだろう。自衛隊が戦闘能力を失っていている状況なら撃てるだろうか?自分はその状況でも怪しいと思う。なぜなら自衛隊が戦えない状況になっても多くの日本人はまだ生きて生活をしているからだ。国民を犠牲にしてでも相手に一矢報いる、死なば諸共というほどの決断をするような能力を、平和な時代の政治家に望むのは無茶だろう。相手に信憑性を持たせられない核は抑止力にならないし、核兵器が通常戦力の代わりになることはないので通常戦力を削減出来ると言うこともあり得ない。
中露を相手として考えるのであれば、日本が独自に核装備をしたところでその抑止力は限定的である。核の抑止力には撃たれたときに確実に撃ちかえせる第二撃能力が重要となるが、真の意味でこの能力を持っているのは現在米露中の3か国だけである。米露中に追いつくほどの投資をするというのであれば別だが、それには莫大な費用が必要となる。
つまり日本の独自核装備というのは、アメリカの傘を出て自前の傘をさすと言えば聞こえはいいが、その傘は小さく貧相で、しかも穴の開いたものにならざるを得ない(その上高コストで役に立たない)だろう。