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2025-07-08

参政党の農業政策は、人民公社ソフホーズコルホーズパクリである

参政党の農業政策中国共産党ソ連共産党のそれと類似しているという指摘は、一見すると奇異に感じられるかもしれません。しかし、両者の政策に内在する特定思考様式目標設定に着目すると、いくつかの共通点が見えてきます。本稿では、その類似性を1000字で論じます

食料安全保障への国家主導的な介入と自給率向上への強い志向

第一に、食料安全保障への国家主導的な介入と自給率向上への強い志向です。参政党は、日本食料自給率の低さを危機的に捉え、米の増産・輸出奨励種子自給率向上、化学肥料から有機転換による自給率向上など、国家積極的農業生産に介入し、食料自給率を大幅に引き上げることを目指しています。これは、かつてのソ連共産党穀物増産を最重要課題とし、国家計画に基づいて農業生産を統制したこと、また現在中国共産党が「農業強国建設」を掲げ、食料安全保障国家戦略の基礎と位置づけていることと共通します。いずれの体制も、食料の安定供給国家の存立基盤と見なし、市場原理に任せるのではなく、国家が主導して生産体制を構築しようとする点で一致します。

特定農業技術・生産方式の推奨

第二に、有機農業自然農法への傾倒と、特定農業技術・生産方式の推奨です。参政党は、有機栽培や自然農法の面積拡大を目標に掲げ、土壌微生物の力を利用した農法やBLOF農法などを推奨しています。これは、健康環境への配慮を前面に出すものですが、国家特定の農法を推奨し、それへの転換を促す姿勢は、ソ連共産党ルイセンコ学説のような特定農業理論国家的に推進し、科学的根拠に乏しくてもそれが農業政策の基盤となった歴史や、中国共産党が「緑色農業環境配慮した農業)」を奨励する動きと重なります特定の農法を「正しい」ものとして強力に推進する姿勢は、多様な農業実践排除し、画一的農業志向する危険性をはらんでいます

農業従事者への国家的な支援と、国家による管理強化

第三に、農業従事者への国家的な支援と、国家による管理強化の可能性です。参政党は、一次産業予算の増額、農林水産事業者所得補償兼業農家公務員の拡充などを掲げています。これは農業従事者の待遇改善を目指すものですが、その裏には、国家農業従事者をより強く管理下に置く可能性が潜んでいますソ連ではコルホーズ集団農場)やソフホーズ国営農場)を通じて農業国家の直接的な管理下に置かれ、農民国家計画従属する存在となりました。中国では家庭請負生産責任制が導入された後も、党中央農業政策の基本通達を発し、農村の党組織を強化するなど、国家による農業農村への強い統制は続いています参政党の政策に見られる「公務員化」という発想は、形は違えど、農業従事者を国家の統制下に組み込むという点で、共産主義国家の農業政策との類似性を帯びています

国民食生活への国家介入の志向

第四に、国民食生活への国家介入の志向です。参政党は、学校給食有機食材使用義務化や、教育子育てクーポン有機農産物購入への適用などを提唱しています。これは、国民健康増進や食育目的とするものですが、国家国民食生活にまで踏み込み特定食材調達方法強制する姿勢は、共産主義国家が配給制度や集団食堂などを通じて国民食生活管理・統制した歴史を想起させます国民の「健康のため」という大義名分の下で、選択の自由制限される可能性を秘めています

もちろん、参政党の政策共産主義体制下の強制的な集団化や国家による全面的統制とは明確に異なりますしかし、食料安全保障絶対視し、その実現のために国家が強力に介入し、特定生産方式や消費行動を奨励誘導する姿勢、そしてその過程個人自由多様性潜在的制限される可能性という点において、両者の農業政策には思想的な共通点を見出すことができます

これは、現代日本において、食料問題という喫緊課題に対し、どのようなアプローチが望ましいのかを考える上で重要示唆を与えます

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