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< ウナギは嗜好品 |anond:20250628084908 >

2025-06-28

パソナ大阪万博パビリオン移設中止で、約48億円の特別損失を計上しました。黒字予想でしたが赤字転落です」

https://www.pasonagroup.co.jp/LinkClick.aspx?fileticket=jNS2dhvusR0%3d&tabid=146&mid=460

パソナIR資料専門用語が多くて分かりにくいですよね。簡単に言うと、パソナが「想定外の大きな出費があったこと」と「会社の業績が悪くなる見込みであること」を株主にお知らせしている内容です。

パソナ2025年大阪関西万博に「PASONA NATUREVERSE」というパビリオン出展しています。当初、万博が終わった後、このパビリオン兵庫県淡路島に移す予定でした。

パソナは、万博終了後にパビリオン兵庫県淡路島移設し、そこで何らかの形で活用して収益を上げることを計画していました。

具体的な用途としては、オランダパビリオンパソナ出展しているパビリオン建築物)を移設し、オランダ芸術文化と組み合わせた施設を造る構想があったようです。

しかし、今回の発表では「閉会後の移設及び使用が見込まれないもの等、臨時的に発生した費用」を特別損失として計上したとあるため、この移設活用計画が中止になった、あるいは実現性が低いと判断されたということになります

これにより、本来得られるはずだった将来の収益機会が失われただけでなく、これまでに投じた費用無駄になった分が特別損失として計上された、ということですね。

しかし、その移設を取りやめることになり、そのためにかかった費用や今後かからなくなるはずだった費用が、無駄になってしまったんです。この「無駄になった費用」が「特別損失」として計上されます

金額:最初は約25.7億円の損失を計上しましたが、さら調査した結果、合計で約48.3億円(連結ベース)という、とても大きな金額特別損失になる見込みです。

パソナは、万博関連の特別損失に加えて、本業ビジネスも思うように伸びなかったため、今年の売上や利益の見込みを下方修正しました。

売上高: 以前は3,200億円と見込んでいましたが、3,092億円に減少する見込みです。

営業利益経常利益: 以前は利益が出る見込みでしたが、今回は営業利益12.5億円の赤字経常利益が4.5億円の赤字に転落する見込みです。

当期純利益: 以前も赤字の見込みでしたが、さら赤字が拡大し、86.5億円の赤字になる見込みです。これは、上記特別損失が大きく影響しています

事業構造の変化と大型案件の終了:前期に子会社を売却したことで、アウトソーシング事業の一部がなくなりました。

BPOビジネスプロセスアウトソーシング事業で、以前に受注していた大規模な案件が終了し、その分の売上が減りました。

新規案件の獲得不振:BPO人材派遣の分野で、新しい仕事がなかなか獲得できず、想定していた売上に届きませんでした。再就職支援事業でも、求職者仕事を見つけるまでの期間が想定より長引き、売上が伸び悩みました。

万博関連の特別損失:先ほど説明した約48.3億円の特別損失が、最終的な利益を大きく押し下げています

今後の見通し

パソナは来期(2026年5月期)に向けて、業績を改善し、黒字転換を目指す計画です。

エキスパートソリューション人材派遣など): 売上を伸ばし、利益率も改善していく方針です。

キャリアソリューション再就職支援など)やグローバルソリューション: 引き続き好調に推移する見込みです。

地方創生観光ソリューション:赤字が続いていますが、インバウンド外国人観光客)の集客を強化し、既存施設を中心に収益改善を進めることで、赤字幅を縮小し、最終的には利益を出せるようにしたいと考えています

これらの取り組みによって、来期は全体として利益が出る状態に戻すことを目指しています

パビリオンだけでそんなにお金かかってたの? 金額多すぎない

パビリオン移設中止」だけで約48億円という金額は、一般的にはかなり高額に感じられますよね。

なぜこれほど高額になるのか、いくつか考えられる理由があります

建設費そのものの高騰:大阪関西万博全体の会場建設費も、資材価格労務費の高騰により、当初の見込みから大幅に増加していますパビリオン個別建設費も、同様に高騰していた可能性が高いです。

パソナパビリオン「PASONA NATUREVERSE」は、オランダパビリオン(循環型の建築)をモデルにしており、特殊建築技術や素材が使われている可能性もあります一般的建築物よりも費用がかかるケースが考えられます

特殊パビリオン解体撤去費用:一般的建築物とは異なり、万博パビリオンイベント終了後に撤去解体されることが前提です。特にユニーク構造や複雑なデザインパビリオン場合、その解体撤去にも特別技術設備必要となり、高額な費用がかかることがあります

今回のケースでは「移設中止」なので、移設にかかるはずだった費用だけでなく、移設を前提として準備していた費用や、解体撤去にかかる費用も含まれている可能性があります

移設準備費用:淡路島への移設を前提に、移設先の土地の整備費用移設のための輸送費用、再組み立て費用など、すでに多額の費用が投じられていた可能性があります。これらの費用が、移設中止によって「無駄になった」と判断され、特別損失として計上されたと考えられます

契約解除に伴う違約金など:移設や関連工事契約を結んでいた場合、その契約を解除するにあたって、相手方への違約金や補償金が発生することがあります。これも特別損失として計上される可能性があります

減損損失の計上:パビリオン施設のもの価値が、将来の利用見込みがなくなったことで大幅に低下したと判断された場合、「減損損失」として資産価値の目減り分が特別損失として計上されることがあります

IR資料には「閉会後の移設及び使用が見込まれないもの等、臨時的に発生した費用」とありますので、これらの様々な費用が合算されて、約48億円という金額になったと考えられます

別の損失をこれで誤魔化してませんか

今回のIR資料を見る限りでは、万博関連の損失だけで誤魔化しているとは言い切れません。

IR資料には、特別損失の計上とは別に、以下の本業不振業績予想修正理由として明確に記載されています

万博以外にも業績悪化理由がある

パソナIR資料で示されている業績悪化理由は、万博パビリオン特別損失だけではありません。

アウトソーシング事業の縮小:連結子会社株式売却や、BPOソリューションにおける大型受託案件の終了が影響しています。これは、以前から予測されていた部分でもあります

新規案件獲得の伸び悩み:需要が拡大しているBPOやDX関連の新規案件獲得が想定よりも伸びなかったと説明されています

人材派遣事業の伸び悩み:エキスパートソリューション人材派遣など)でも、前回発表予想には届かない見込みです。

再就職支援事業の期間長期化:キャリアソリューションでは、再就職支援事業就職決定までの期間が想定よりも伸び、収益に影響が出ています

これらの本業における売上未達や利益の減少も、今回の業績下方修正の大きな要因として挙げられています。つまり本業の状況が悪化したことに加えて、万博関連の特別損失が追い打ちをかけた、という構図です。

なぜ「誤魔化している」と感じるのか?

特別損失金額が大きい: 約48億円という金額は、企業純利益に与える影響が非常に大きいため、万博の件が強く印象に残ります

万博というイベント性:一般の関心も高く、ニュースになりやすいため、他の事業不振よりも目立ちやすい側面があります

しかし、企業が発表するIR資料は、投資家に対して現状を正確に伝える義務があります。もし万博の損失だけで誤魔化そうとするなら、本業不振についてはあまり触れないか、最小限の言及にとどめるでしょう。今回のパソナ資料では、本業の具体的な問題点についても詳細に説明されているため、「万博の損失だけで他の問題を隠している」とは断定できない状況です。

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