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2025-06-21

Switch2当たらないから、アニメ版シャインポスト感想書く(1,2話

Switch2が当たらないから、当たったら買う予定のゲーム版シャインポストの予習として、ユーチューブ公式チャンネルhttps://www.youtube.com/@SHINEPOST)で期間限定公開をされているTVアニメシャインポスト感想を書いていく。

前説

2025年4月2日に全世界に公開されたNintendo Switch2 Direct。初代Switch が約8年あまりという超長寿ハードになったこともあり、Switch2 に対する期待は極めて高いものがあった。一説には同接300万人を越えたとも言われるそのダイレクトにおいて、ひときわ異彩を放つタイトルがあった。

そのタイトルは「シャインポスト Be Yourアイドル!」。日本版ダイレクトでのみ紹介された、コナミの放つSwitch2 専用のローンチタイトルであるコナミストレートエッジによるメディアミックス作品であり、既にアニメ小説が先行しておりゲームアニメに遅れること3年経ってようやくベールを脱いだのだ。

他のメーカーの大作移植ラッシュの中に放り込まれた煌めくアニメ調のアイドル映像。そのインパクトは大きく、放送直後のSNSでは「コナミアイマス」という言葉がほうぼうから飛び出すほどだった。

この時点では、それは単なるお気に入りアイドルを育成するものに見えた。しかし、それが、ときメモパワポケといった往年の名作シミュレーションを生み出したコナミが放った「夢か、現実か?」というプレイヤーシビア判断を迫ってくる高難易度アイドル事務所経営ゲームだとは誰も知りうることはできなかった。

動機

以上、前説終わり。

スイッチダイレクト放送直後から一部の界隈で話題騒然だったシャインポスト。どうやら名作アニメだったのに放送時間が深夜帯だったのと同期のライバルが多すぎてイマイチ知名度が無かったらしい。興味を持って色々調べると、発売前のインタビューなどから元々スマホ向けに作っていたのをコンソール向けに作り直したとか無茶苦茶エピソードが出てきて俄然興味が湧いてくる。

アイドルには興味がないけどせっかくの完全新作ローンチだし、いっちょコナミの男気を買ってみますか!なんて思ってら肝心のスイッチ2が手に入らないという体たらくしかも実際に遊んだ人の評価がめちゃめちゃ高いので増々遊びたくなってくる。

しかたがないので、買った時に備えてユーチューブ無料公開中のアニメ版を見て、キャラクター解像度を高めておくことにした。

一話、二話

登場人物アイドルたち)の主人公マネージャー)の呼び方が「キミ」「あんた」「マネージャーくん」などなど、それぞれ違っているのがソシャゲ感ある。

第一話を見て思ったのが、主人公相手の嘘を見抜ける能力というのは飛び道具的ギミックに見えて案外そこまで物語エッセンスに関与しないなというもの。嘘を付いている相手が光るというのは視覚的に、視聴者に今このキャラクターは嘘を付いていますよというのを明示するためのものであって、それが物語の奥行きを作っているわけではない。

そも、創作論においては三人称視点登場人物に嘘をつかせるというのわりかし禁じ手に近い。なぜならば読者・視聴者にはそれが嘘か真か判別がつかないからだ。しかし嘘というのは非常に人間らしい行為であり、キャラクターに嘘をつかせるのは高い人間性を表現できる手法だ。だからこのセリフは嘘ですよ〜と分かるようにして嘘をつかせる。そういった意味で嘘をつく人が光って見えるというのは奇抜だがあまり深みはないと感じていた。

しかし、それだけ視覚的に訴えるということは、それはすなわち「嘘をつく」というのが本作において多用され、かつ重要意味合いを持っている証左でもある。「アイドルと嘘」この時点で、少し姿勢を正した。

本編の内容に戻ろう。本作の主人公はその特異な能力のために人間に疲れている。なまじ嘘が見えてしまうせいで本来であれば覆い隠されるべき社交辞令や裏腹な気持ちが克明になってしまうのだ。本来ならばそれは人間関係の潤滑油となる「方便であるのだが。

第一話ではいきなり解散危機に瀕した 駆け出しアイドルユニットTiNgSと人間関係に疲れて大手事務所を辞めた主人公が邂逅する流れが描かれる。そして締めにはメンバーの三人が主人公からどのようなアイドルになりたいのかという所信表明を求められる。嘘は言わないで欲しいと求められても、玉城と聖舞はつい本心を隠して嘘を吐いてしまう。その中で唯一青天国のみが本心を包み隠さず明かし、物事を知らない子供の夢のような夢物語を語る。彼女のまっすぐさに心を打たれた主人公彼女たちに(臨時マネージャーとして協力することを誓うのだった。

筆者はここからメンバー全員が輝く物語が始まると思っていた。未熟なアイドルたちが切磋琢磨して成長していくシンデレラストーリーしかし違った。違ったのだ。これはアイドル候補生が苦難を乗り越えてアイドルとして輝くまでの物語ではなく、既に完成している最高のアイドル頭角を現していく覇道物語だったのだ。そう、駆け出しアイドルグループ TiNgS はセンターの青天国春のみ、既にアイドルとして非常に高いレベルに達していたのだ。抜群の身体能力と天性の観察眼による空気コントロール、そして決して諦めず笑顔を絶やさな心持ち。まだまだ未熟な他の二人と違って青天国春は生まれながらにして生粋アイドルアイドルからやってきたアイドル星人だったのだ。

思えば一話の最後ダンスレッスンの映像を見た時に違和感があったのだ。三人並んで振り付けを踊る TiNgS の面々。そつなくこなす玉城と動きがバラバラでワンテンポずれた聖舞、そして青天国振り付けこそ丁寧なもののどこかなにかに気を取られているような精彩を欠いた動きをしていた。実はこの時に残酷なまでの実力差が描き出されていたのだ。一見玉城の方が青天国よりも上手く踊れているようだが、実は青天国はそこそこ踊れる玉城ダメダメな聖舞のバランスを取るために意図的セーブして調整をかけていたのだ。

その軛が主人公の、君が見るべきは君たちを見てくれている人たち=観客の方だよ、という言葉で解き放たれた。

いやー震えた。普通に元気系で技術はまだまだ気合でがんばります、というキャラかと思ったらまさか最初から完成したバケモノだったとは。別の作品だがピンポンスマイルを思い出してしまった。ここから天国がどう動くのか。TiNgSから離れて周りを置き去りにしてアイドル道を突き進むのか、それとも周りに合わせて沈んでいくのか。彼女たちに残された時間は少ない。

次 anond:20250621203426

Permalink |記事への反応(1) | 20:00

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