まだ同じグループの他メンバーを推しているので、その人の情報はかなりしっかり入ってくる。
今思えば、昔から危うい人ではあった。
他人からの誘いを断らなさすぎることを、他のメンバーに「ちゃんと断った方がいい」と怒られていた。
ファンの1人からでも文句が出るくらいなら、全員から褒められない方がまだマシ。
「俺なんか」が口癖。
また、気がつくと他のメンバーの言った言葉を、自分の言葉のように使っていたりする。
それも、自分が他人にはみ出すのではなく、自分が他人に侵食される形でズレているのだ。
他のオタクが言っていた「鏡のような人。相手の願望を汲み取って、変幻自在に求められる姿を映す」という言葉が頭に残っている。
学歴でどうこう言うつもりはないが、それ相応だった。飛び抜けてアホでもないが、少なくとも賢くはない。
文章を読むのは好きなようだが、言葉の使い方が間違っていることもよくある。
そんな少し抜けていて、自己犠牲的で、自信のない推しが可愛かった。
そういうところを可愛いなんて言葉で消費したオタクが悪かったのかもしれない。
やけに自信を持つように変わったのは、いつからだろう。
全曜日レギュラーを制覇した時か、メンバー脱退の時か、経済番組を始めた時か、サラリーマンになった時か、出資を始めた時か。
自信を持つことは悪いことじゃない。
最初はそう思っていた。
多分、もてはやされすぎたのだ。
自信のない少しおバカな男の子が、そのまま40になって、芸能界屈指の地位と名誉、そしてお金を手に入れてしまった。
そういうことだったんだと思う。
彼の初めの出資先の一つは、かなり怪しい寄付プロジェクトだった。わりと炎上した。
これについては不快で耳に入れていなかったので詳しい部分は説明できないから、勝手に語るのはやめておく。
また、気がつくとAI開発にも手を出していた。彼のソロプロジェクトで、やけに特定の会社(しかも1ミリも聞いたことのないベンチャー企業)のサービスが使われるようになった。どうやらその会社に出資しているらしいというのが分かったのは、後からだった。
こちらも最初はそこまで違和感なかったのだが、今かなり怪しい動きをしている。
具体的に言うと、
・チケット申込サイトも独自に作成(なぜかGoogleフォーム)
・申込フォームがほぼ手入力、かつ画面側での入力値チェックがほとんどないという、ヒューマンエラーを想定していない仕様(まぁGoogleフォームだからな)
・予想通り、ヒューマンエラーによる申込失敗、確認のための問い合わせが増加
・問い合わせが増加したことに対し、「良識と節度ある問い合わせを」とか言い出す(この辺でうっすらヤバいなと思い始めた)
・購入に関しても、ヒューマンエラーによる失敗が多数発生。問い合わせが殺到したことに対し、注意喚起のような高圧的な文面で一斉メール(「ここまでご案内した対処方法を実施された多くの方が、無事に購入を完了されております。 」と、普通にやれば出来るだろアピール)
・上記の購入失敗事例を一斉メールしたことで、間違えて複数回購入してしまった人が発生し、それに対して他人後のような文面(明らかにお前の注意喚起のせいだろ。ちなみに謝罪なし)
・一連の申込フローに対するクレームが増加したことに対し、再度「マナー」という文言を件名につけて再度一斉メール(クレームが多いことへのクレームってすごい、しかも結構自業自得なのに)
前の事務所なんて、高校生の世間知らずな私が間違えて二重振込みをしてしまった時に、向こうから電話をかけてきて、親切丁寧に返金を受け取れるように説明してくれた。それを標準的にやれとは言わないが、あまりにもギャップが大きかった。
とにかく一貫して、間違う方が悪い、言う通りにすればできるだろ、という態度が滲み出ているのだ。
チケット購入までの作りがどう考えても、一般向けじゃない。不親切。
B to CのサイトをSEのデジタルリテラシー基準で考えるな。利用者は間違うものだ。
しかも推しのファンの年齢層的に、結構IT弱めの層がいることは、少しでも調査すれば想像がつく。
ていうかそもそも、ドーム公演やってるアイドルだぞ。たとえファン全員が20代だったとしても、それだけの人数がいれば、申込サイトの使い方を理解するのが下手な人なんて確実にいるだろ。
注意喚起しなければいけないほどヒューマンエラーが多発しているのであれば、それはシステムの設計が悪い。
ヒューマンエラーがごく少数なのであれば、全体への注意喚起メールなんて送らなくていい。
どちらにしても、対応が悪すぎる。
客をなんだと思っているんだ?
しかも、クレームが上がっている旨を推し本人に伝えているらしく、本人から「公演内容以外の部分は温かい目で見てほしい」というようなメッセージがあった。
いやいや、むしろ公演内容こそ実験的なものでも推しさえ出てれば温かい目で見守るけど、チケットサイトで客使ってテストすなよ。本番やぞ。
せめてまず実験するとしても、チケットの受け取り方法だけNFTを導入して、販売は通常通りぴあに委託しますとかだろ。リソースや経験がないなら段階を踏みなさい。
そのレベルのチケットサイトすら作れないなら、自前で開発しようとすんな。
とにかく、普通なら「あれ?」と違和感を感じるような会社(あるいは人?)に対し、出資するという判断をしてしまう推しの判断力のなさ。
あるいは騙されたのかもしれないが、騙されたことを見抜けない推しの愚かさ。
別に推しの判断力のなさも愚かさも今に始まった事ではないが、恐らく不相応に富や名声を持ちすぎたのだ。
出資というと聞こえはいいが、上手く騙されて乗せられて金を吸い取られてしまって、社長とかいうハリボテの立場だけを得たのではないかと思う。
そう考えると、やけに毎回出資先のオタクへの態度が高圧的なのも理解できる。きっと推しも同じように押し切られたのだろう。
まぁここまでなら、ただ単にクソみたいなチケッティングでしたという、オタクの愚痴あるあるなのだが、他にもうっすら気になっていることがある。
なんなら、こっちの方が雲行きが怪しい。
というのも、推しが最近、小麦アレルギーだと診断されたと話している。
公表していなかったところを公表したとかではない。そもそも、彼はうどんやパスタが好きで、それらを食べているシーンもたくさんあった。
そばも十割蕎麦などではなく、立ち食い屋さんで食べるような、恐らく蕎麦粉の割合が5割以下の普通の蕎麦だ。
いや、麦焼酎はギリいけて、小麦製品はダメなんですとかなら分かる。少しでも麦が入ってたら口にできませんも分かる。
どら焼きがいけて麦焼酎が無理はどう考えてもおかしいだろ。しかも40超えて急に。
しかも、話ぶり的に、検査をして初めて分かったというような感じのだ。
恐らく血液検査なのだと思うが、症状の出てないものに対してアレルギー検査をするのも、その結果だけを踏まえて対処するのも、微妙に引っかかる。
また、病院のことを「クリニック」と呼んでいて、しかも、どうにも普通の診療とは思えない生活面の細かいところまでアドバイスを受けているようなのだ。
一つ一つは取るに足りないことだが、全体的に様子がおかしい。この感じ、伝わるのだろうか?
考えすぎかもしれないが、「先生」とやらが、推しを周りから孤立させるために、アルコールや小麦製品を控えさせる方向に扇動しているのかもしれないと思っている。
特にメンバーがお酒(中でも麦焼酎)が好きなので、メンバーから距離を離す意図があったのではないか?と。
この出資とアレルギー、2つの件が繋がってるのかは分からないが、とにかく、膨大な資産と共に社会に無防備に放り出された推しが、魑魅魍魎に絡め取られようとしているような気がするのだ。
オタクは無力だ。
救う必要がないなら、それでいい。
杞憂ならそれでいいんだけど。