「韓国では立憲君主制に否定的」という意見に対しては、韓国の現代大衆文化における「君主制ファンタジー」の人気を挙げて、以下のように反論することができます:
確かに、韓国の歴史的背景――特に李氏朝鮮や日本による植民地支配――を踏まえると、君主制に対する警戒心が強いのは事実です。しかし、これをもって現代の韓国社会全体が「立憲君主制に否定的」と単純に断じるのはやや短絡的です。なぜなら、現代韓国のポップカルチャー、特にテレビドラマの世界では「もし現代に君主制が存続していたら?」という設定が繰り返し描かれており、しかもそれが非常に高い人気を博しているからです。
これらのドラマはいずれも「現代の韓国に君主制が残っていたら」という架空の設定を基盤にしていますが、視聴者からは好評を博し、国民的な人気を得ています。こうした作品の存在は、韓国国民が君主制そのものに全面的な拒否感を抱いているわけではないことを示唆しています。
むしろ、立憲君主制という政治体制がもつ「国家的象徴」や「伝統と現代の融合」といった要素が、多くの韓国人にとって魅力的な文化的テーマとして機能しているとも言えます。大衆文化の中でこれほど頻繁に再解釈され、ポジティブな形で描かれるということは、立憲君主制が韓国社会にとって単なる「過去の遺物」や「忌避される制度」ではなく、一定のロマンや再想像の余地を残した存在であることを物語っています。
その意味で、「韓国は立憲君主制に否定的」という見解には留保が必要であり、少なくとも文化的・想像的なレベルでは、立憲君主制に対する開かれた関心や肯定的なイメージも、韓国社会の一部として確かに存在していると言えるでしょう。