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2025-06-12

500歳になるので半生を箇条書きで振り返ってみた

500歳……もう人間いうよりも、なんや森の精とか神話のなかのもんやな。けどまぁ、生きてたとして話すとするならな、わしは1525年生まれや。戦国のど真ん中やな。うすうすしか覚えとらんけど、こんな感じやった気がするわ。

• 1525年、どっかの山奥の村に生まれた。名乗る姓もなかった。天と地と親だけが頼りやった

• 村の周りでは時々よそ者が通る。槍持った男らが何十人もぞろぞろ。戦が近いとわかった

• 幼いころに村が焼かれた。誰が敵で誰が味方かわからん。とにかく逃げた

• 十代で百姓頭に拾われて、畑と槍の使い方を同時に覚えた

信長名前が噂に上がったころ、わしは若武者の影のように働いてた。戦場空気はいまだに鼻の奥に残ってる

本能寺のあと、世の中がまたぐらついた。明日どうなるかわからん夜が続いた

秀吉が天下とったとき大阪はまるで金色の夢みたいになった。わしは城下で米を運ぶ仕事をしとった

関ヶ原の前は空が重かった。生き残ることより、誰につくかが命やった

家康時代になって、世の中がようやく静かになった。けど、なんや、息が詰まるような静けさやった

江戸の初めに、名前を持たされた。戸籍いうもんができた。わしはよう知らん名前を紙に書かれた

江戸の町がでかくなって、花火歌舞伎流行りだしたころ、もうわしは人ごみがしんどくなっとった

元禄のころの華やかさは、ちょっと別世界やったな。町人がえらそうに歩くのも珍しかった

飢饉もあった。大火もあった。川が溢れて、人も物も一瞬で流されてった

黒船が来たとき、空の色が変わった気がした。誰もが世界の外から何かが来たと感じとった

明治になったときは、まるで夢の中の話やった。髷を切るか切らんかで大騒ぎ

• 世の中が西洋かぶれになって、馬の代わりに鉄の箱が道を走るようになった

日清日露の戦、若いもんが国のために死にに行く姿を見て、なんとも言えん気持ちになった

大正デモクラシー?なんのことか分からんまま、若いやつがえらそうに語っとった

関東大震災はただの地震やなかった。文明のものがぐらぐら揺れたようやった

昭和戦争地獄。火と血と音。なによりも、もうあかんのやなと思った瞬間が何度もあった

戦後アメリカ匂いが街に混じった。ガムとコカ・コーラ時代

テレビが出て、みんな画面の中に吸い込まれていった。もう現実より映像の方が大事になった

平成?ああ、なんか静かなようで、空っぽになっていく感じがした時代やった

• 令和になってからは、もう人と機械区別あいまいになってきた

• 空飛ぶ車?知らん間に空を見上げても誰も驚かんようになっとった

• 人はよう喋るくせに、誰ともちゃんと向き合わんようになった

• 友も家も土地も、何度も失った。けど、ひとつだけ変わらんのは、朝日が昇るということやな

• いま?もう歩けんし、喋るのもやっとやけどな、風の音と、湯呑みから立つ湯気だけが、生きとる証や

• 500年て長いけど、一瞬でもあるんや。不思議なもんやな。気がついたら、また夜が来とる

……まぁ、こんな長生き、誰にも勧められへんけどな。でも、ここまで見れたことは、ありがたいことやと、そう思うようにしてるわ。

Permalink |記事への反応(1) | 08:18

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  • 500年も生きられることに特に理由ないんだ(人魚の肉くったとか)

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