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2025-05-23

認知症になった親の介護を終えた今これまでのことを振り返ってみる

認知症になった親の介護が終わりました。

終わったということはそういうことです。

長かったような短かったような……



次はもっとうまくやれると思うけれど次は無い。

でも自分気持ちを整理するためにも書いておきたい。

まりここに書くことは純粋自己満足です。

誰かの参考になれば、などという殊勝な考え方は持ち合わせておりません。




介護するまでのこと

様子がおかしくなったのは15年?くらい前。私よりも本人が異常を感じたらしいです。

忘れ物落とし物をすることが多くなった。

普段できていることができなくなった。

自分おかしいということがわかったらしいです。

そこで「なら私がやる」にしてしまうとさらに何もできなくなるという話も聞いていたので今まで通り生活をしてもらってました。

その後、電車に乗れなくなった(東京近郊なんで免許は無くて仕事行くのも買い物行くのも電車という生活でした)という話を聞いてこれはまずいなとさすがの私も思いました。

とは言えそこまで切迫感を持っていたわけではありません。今思うとこの時点で相談すべきでしたね。

うそう、症状として印象的だったことがあります

洗濯をすると靴下がばらばらになりました。症状は個人によって違うと思うので参考にもならないのかもしれませんがはっきりと覚えています

そのころから日常的な家事すら満足にできない私に家事を教えたり、自分地域の包括支援センターというところに相談したりをしていました。

そういう年なんでかかりつけの医者でも相談して例の薬をもらっていました。


そしてある日包括の人から電話が入っていて家族にも話がしたいと。

休みを取って訪問してもらってデイサービス等の利用を勧められました。

やっぱりショックでしたね。そりゃもう。

元気で言葉は悪いけれど「殺しても死ななそう」みたいな人がそういう判断をされるんだから

そして、ここで一つ私は大きなミスを犯しました。



介護サービスを利用するには継続的お金がかかります。私の収入だけでは心もとない。そのお金をどう調達するか。

親がもっていた金融商品を解約することにしました。

ところがです。やってしまった。正直に「認知症がぁ」とぽろっと漏らしてしまったのです。

向こうも困っていました。

そういう電話コンプラ対策ですべて録音されているわけです。「認知症」はNGワードです。全部の会社でそうなのかはわからないですがその会社ではそうでした。

予定が狂いました……



親も働いていた人なので年金はあります。それじゃ足らない。うーん……

私が加入していた保険の一部を払い込み済みにしました……

未来自分が使うはずだったお金を使うことにしました。

未来自分はきっと貧乏になります

それでも今を生きられなくなるよりはましなのでそういう決断しました。



包括の人との面談で強く言われたことがあります

介護が大変でも絶対仕事をやめるな!」ということです。

給料が安くても毎月お金が入ってくる仕事についているのならしがみつけと。

親の介護が大変で仕事を辞めると共倒れしてしま可能性がけっこう高いらしいです。

自分を生んで面倒を見てくれた親よりも仕事を取るとはけしからん」という意見をお持ちの人もいるでしょう。

そこまで極端ではなくてもどっちを取るか迷う人はけっこう多いんじゃないかと思います

私もそうでした。

その時包括の人から言われた言葉は非常に参考になりました。

自分のケースはただ一つですが包括の人は何十ものケースを見ているはずです。

他のケースも見たうえでそういうアドバイスをしてくれるということには重みを感じました。

もちろん最終的な決断介護をする自分がしなければなりません。

認知症場合は本人の決断というのが期待できないので家族決断しなければなりません。

それでも、他の人の言うがままにこうした、と思うより、自分自身が最終決断したと思うことで自己満足ではありますが後々後悔することは少ないのではないかと私は思っています



介護前期

デイサービスというのは曜日単位なんですね。午前コースと午後コース食事食事無などいろいろなメニューがある。

利用するまで知りませんでした。

車が迎えに来てくれて車に乗ればあとは帰ってくるまでお任せです。

デイサービスの車の走行距離って全国合わせるとすごいことになってるんでしょうね。事故が多く報じられるのも納得です。毎日あれだけ走っていれば事故も多いわ。


デイサービスが利用できるのはて毎日ではありません。

最初のうちは私が家にいる土日は利用していなかったのですが土曜日は利用するようになりました。でもなかなか空かない曜日もあって毎日というわけにはいかない。

その家にいるタイミングでいわゆる徘徊的な行動をするなど……

仕事続けられるんだろうか?

不安になりました。

デイサービスでは無理、常時介護をお願いできる施設の方がいいんじゃないか。

思い悩んでいるところで神風が吹きました。



コロナウイルス襲来



それまで在宅勤務は0だったのですが100%在宅勤務になりました!

これなら、これならなんとかなる!

みんな「コロナのせいで」」とか「コロナさえなければ」と言っている中私は「コロナのおかげで!」


そう思った時期が私にもありました……



介護中期

在宅勤務とは言えというか在宅勤務だからこそ打ち合わせとかありますよね。会議室取らなくていい分増えたような気もします。

打ち合わせしてるじゃないですか。

玄関は鍵閉めてその他対策をして簡単には外に出られないようにしているつもりだから盛り上がってしまったりします。

打ち合わせを終えるといなくなってる……

そして……夜眠っている。朝になるといない……

自分だったらこトラップ初見で解除できない、そう思っている私が浅はかでした。

やすやす突破されました。

別のトラップしかけてもしばらく経つと突破されてます

本当に認知力に問題あるのだろうか?俺に意地悪しているだけなんじゃないか?とすら思いました。



気を悪くする人もいるでしょうが、実際に触れてみると認知症になった人って子供に戻ってるんじゃないかと思うんですよね。

気を引くためにわざと怒られるようなことをしているように見える節があります

子育てと似ているのかも。

ただ、根本的な違いがあって子育ては将来に希望があるし終わるタイミングがある程度見えている。

対して認知症介護は将来治る見込みがなく終わるタイミングが全くわからない。

当たり前といえば当たり前ですが精神的な負担認知症介護の方が強いのではないかと思います

育児も大変ですけど……



横道にそれましたがそんなこんなで限界が近づいているタイミングで利用しているデイサービスの方からももっと手厚い介護を受けた方がいいのではというお話いただきました。

その時点では日中は家にいる時間よりデイサービスにいる時間の方が長くデイサービスでは私と違って誰かしらが見ている状況なのでそれでも厳しいということだったらと思いケアマネさんと相談を始めました。



介護後期

提案をされたのはグループホームです。家族収入にも寄りますが私の収入場合公的資金を頼るには多すぎて自己負担が大きい施設を利用するには少なすぎるという中途半端な状況。

親の年金?それだけで足りるわけがない。

無理なくとは言えないまでも無理をすれば支払いができるグループホームを何か所か提案してもらいました。

ここでもコロナで助かりました。

休みを潰すと見学に行けちゃうんですわ。やることをやっていればけっこう自由にできる職場だったんで「昼休みのあとちょっと遅れまーす」みたいなことを言えば外出できました。

ホワイトですねぇ。ええ。ホワイトですよ。うん。ホワイト

有休介護休暇を消費せずに対応できるんですな。

コロナ前だったらこんな対応不可能でしたね。おそらく有休まで使いきって何日か欠勤してたでしょう。介護休暇?んなもん足りるわけねぇww

見学に行ってよさげに見えても私が決断する前に入居者が決まったりそもそも見学している時には空きが無かったりとかもありました。

競争率激しいですねぇ。

そんな中、気に入ったのがとある施設でした。



決め手はなにか?





から近い!



圧倒的に近い!!



がんばれば歩いても行ける距離で車なら5分!!!



しか信号待ち無し!!!!!



施設は小規模で手厚いサポートかに不安がありましたけど何かあった時にすぐに行けるという安心感でその施設を選びました。

これは入居してから聞いたのですが、施設で働いている職員の中に私の親が外を歩いているのを見ていた人もいました。

自分のところじゃなくてもいいから入居した方がよさそうだなと思っていたらしいです。



入居して一安心、というわけにはいかなかったです。

病状は進んで暴れたりすることもあり、気持ちを落ち着かせる薬をもらうのに家族の付き添いが必要ということで、そもそもそういう診断ができる精神科が少なくて予約もできないとかまぁいろいろありました。

そうこうしているうちにこれもまた運がいいことに歩きは無理だけど車なら無理なく行ける場所にあるお医者さんが受け入れてくれました。

診察は最初の1回だけでその後は私が様子を伝えれば処方箋と薬をもらいに行くだけという対応で済むようになりました。

そのお医者さんを見つけたのがかなり大きかったです。私がおかしくなったらそこに行こうかと思ってます。その時にもその先生はいるかどうかはわからんですけどね。

それ以外にもけがをしたりとかいろいろあるたびに医者には連れて行きました。最初自分で連れていけましたが最終的には介護タクシーを利用しましたね。

一般的自家用車で運ぶのは無理っす。

車いす対応レンタカーを借りることも検討しましたが行く病院によっては介護タクシーの方が安くつきます



介護の終わり

そうこうしているうちに親の病状が落ち着いてきました。

落ち着いてきた……、それはつまり終わりが見えて来た、ということになります

精神科にも通院しなくなりそうするとその都度聞いていた様子を聞かない月が出て来たり……

毎月のコミュニケーションはあるんですが通院する時のコミュニケーションはやっぱ濃かったんでね。

施設職員さんも忙しい中時間を作ってくれてるのはわかるので通院と言う理由なしに「変わりないですよ」という一言を聞くためだけに時間をもらうのもなというのもありました。

ああ、ここでは逆に近いことがマイナス作用したのかも。近いからいつでもいけるとおもっちゃうんですよね。



そして、様子がおかしいという連絡があり、ちょうど予定していた有休があるのでその時に顔を見に行くという話をしました。

しかしもう一度連絡があってその日が土日だったんでスーパーに買い物に行くついでにちょろっと顔を見に行きました。その時も今日明日と言うようには見えないと言われたし私もそう思ったんですが……。



その翌日、眠ったまま息を引き取りました。



親戚づきあいを濃密にしていたわけでもなく、同世代の友人もみんながみんな元気というわけでもなくということで私が1人で見送るつもりでいましたが、連絡がついた親族や友人経由で小ぢんまりには変わりないですが思ったよりも大勢にお見送りしてもらいました。

知らない人がいると思ってびびってたら40年ぶりくらいに会う人だった。わかるわけがないw



終わったらたぶんほっとするんだろうなぁと思ってましたが違いましたね。

なんか言語化するのが無理な気持ちになってます



後悔は無いです。

でも、次にやるんだったらもうちょっとうまくやります経済的な、精神的な負担も今回よりは軽くなるようにやろうと思います







次はありません。

Permalink |記事への反応(12) | 18:31

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記事への反応 -
  • おつかれさまでした

  • 死ぬほど税金取られてやってる事がこれ 消費税がなければもっと楽な生活送れただろうに 本当にお疲れ様でした

  • うん。おつかれさまでした。こういうダイアリーは糧になるよ。

  • なんで認知症がNGワード?凍結されちゃうのかな

  • 親がもっていた金融商品を解約することにしました。 ところがです。やってしまった。正直に「認知症がぁ」とぽろっと漏らしてしまったのです。 向こうも困っていました。 そ...

    • 老親の心身が正常(異常だと判断されない)なら、後見人(子)付き添いで申し出るなり委任状にサインだけしてもらうなりして口座解約することもできるけど、認知症だという確証が...

    • 経済的虐待が疑われるからね

  • 本当にお疲れ様でした。最後の一文、ぐっときました。これからのあなたの人生に幸あれと願います。

  • 介護が終わると、介護してたほうが体調を崩すと聞くので、不調を感じたら病院行ってね。

  • こうなった時に合法的に早死にしてもらうのってどうしたらいいんだろう みんな自分に酔った思い出話ばっかりで肝心なことを教えてくれない

  • まだ終わりじゃねえぞ

  • その翌日、眠ったまま息を引き取りました。 苦しまなかったんだから良かったじゃない

  • お疲れさまでした。次は私の番なので勉強させてもらいます。 認知症を患ったことを知った瞬間に銀行が口座を取り上げるの、ほんと人の心はあるのかって怒りを覚えるよね

    • 凍結な おまえら家族に、本人の意志を無視して勝手に使われんようにするための措置やで

  • たまにnoteなどで見かける親の看取り問題 遠方の親が突然病気になり、倒れ、末期だった、認知症が発覚した、どうたらこうたら、なんだかんだで反省、後悔… みたいなやつってさー 全...

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