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< ねこねむいとき もち... |anond:20250502203304 >

2025-05-02

anond:20250502120554

2025年5月2日、ワイの日記やで。

フェミちゃんは食後にゆるゆると伸びをして、茶をすすりながら「なんやあんたの話、ほんまに百年モノやったな」と笑った。ワイは未来で起こること、マハカルの大乱動、その断片と、パラダシアで暮らしとった日々について話した。時々、ほんまに信じてるんか怪しい顔もしとったけど、最終的には「嘘にしては細かすぎるし、ウチの勘がざわついとる」と言うて、信じてくれた。

昼前には散歩に出た。地元商店街アーケード、今はまだシャッターも開いてて、張り紙未来文字じゃなく、ちゃんと“特売”とか“新鮮”とか人間匂いがする単語やった。フェミちゃんは途中でたい焼きを買って、ワイの手にも一匹押しつけてきた。

「食べとき未来にはない味やろ?」

「あるけど……なんや、これの方がちゃんと美味い気するな」

「やろ? 文明なんか進んでも、餡子には勝てへんのよ」

笑いながら歩いてるうちに、未来で何度も夢に見た“生きてる世界”の実感が戻ってきた。アスファルトの照り返しも、焼けた鉄の匂いも、どこか懐かしい。

その夜。日が暮れて風が涼しくなった頃、フェミちゃんは真顔になって、ぽつりと口を開いた。

あんた、あっちで子ども作ってたって言うてたやろ。ウチらの子やって」

「……せやな

「ここでも、生まれてきたりするんかな? 名前とか、考えてたん?」

「……ミラ。光って意味や」

フェミちゃんは少し目を見開いて、それから口元を緩めた。

「悪くない。ちょっとインド映画っぽいけど」

「せやからええんや世界がどうあろうと、名前だけは明るい方がええ」

しばらく黙って、ゴミーが天井の隅でくるりと回って落ちてきた。ふわりと膝に乗ってきた彼を撫でながら、フェミちゃんは外の風を感じるように目を細めて、「……ええやん。頑張ってみよか、こっちの人生も」と呟いた。

それにしても、マハカルの大乱動が起こったのはいつやったか――正確には思い出せん。けど、Xデーは遠くない。少なくとも、こんな穏やかな日々がずっと続くとは思えん。

街の灯はほのかに滲んで、窓の外ではツバメがもう一度鳴いていた。ワイは古びた座布団背中を預けながら、未来のこと、これからのことを順番に並べて、手のひらで崩していった。

世界は変えられへんかもしれへん。でも、やり直すことはできる。ワイはそれを信じて、今日も目を開けるんやで。

Permalink |記事への反応(1) | 20:45

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