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2025-04-29

goo blog サービス終了のお知らせ 田中秀臣の「ノーガード経済論戦」 量的緩和解除後の日本経済III2006-03-29 |Weblog

 一年近く続いた「ノーガード経済論戦」も今回が最終回です。このブログの続きというわけではないですが、以前から継続している個人ブログEconomicsLoversLive太田出版エコノミストミシュラン経済論評を続けるつもりですのでご関心があれば参照ください。

 

 さて量的緩和解除を行った日銀ですが、今回の政策決定については主にふたつの問題点を指摘することができると思いますひとつは、本当にデフレ脱却を確実にした段階で政策転換を行ったのか、という点です。0.1%から解除時の0.5%までの数ヶ月の推移をもって安定的デフレ脱出したという日銀説明ですが、本ブログでも指摘しましたように、上方バイアス存在があり、それは日銀エコノミストの推計でも0.3%その前後の糊代があるなかでは、せいぜいせいぜいゼロインフレもしくは石油価格の上昇貢献分を考慮するとマイナスであった可能性がありますさらデフレに陥った時点から名目価値毀損回復するリフレーション過程日銀がまったく配慮していないことは確実なようです。

 

 第二に、今後の物価水準ないしインフレ率に対する日銀の見通しが不鮮明なことです。一部の識者や政府側にはこの日銀物価の「理解」を単なる政策委員の個々の見通しを集計したものではなく、「インフレターゲットもどき」に昇華させようとする動きがありますが、日銀自身はこの動きに否定的なように思えます量的緩和解除は、よくいわれていますようにゼロ金利市場が予想するよりも継続するといった「時間効果」が剥落化していく過程ですが、そのような市場物価水準やインフレ率の予想に作用する政策日銀が今後明示的にはコミットする枠組みが存在しない、あるいはそれに近いものがあっても予想形成効果をわざわざ削いでいるようにさえ思えます。これも過去日銀歴史をみてみると速水前総裁時に量的緩和採用していても自らその予想形成効果懐疑的である旨を公言することで効果を減少させてしまった負の歴史を想起させます

 

 ただ今後、さまざまな政治的圧力市場リスクの高まりを背景に、このような日銀の「裁量政策」が次第にインフレターゲットに転換していくという楽観的予想や、これもまた裁量ゆえですがゼロ金利を維持し続けるような(その場合はなんで量的緩和解除をしたのかわからなくなりますが)可能性も否定できません。両方の場合日本経済にとって景気浮揚効果をもたらすことはいえると思います

 

 日銀自身過去経済政策の失敗は存在せず、そして今後のリスクにも十分対処しているという姿勢を崩していませんし、最近ではその弁護の姿勢をより強固なものにしています日銀とそのシンパエコノミスト(これは民間金融資産運用などのコンサルタントをしている多くのエコノミストを含みますさらにはメディアは、日銀及びそのシンパ集団相互との長期的な信頼関係を維持するために、真実を述べるよりも日銀への配慮からそのあからさまな批判をさけているようにも思えます

 

 ただこのような人間的な関係が裏にあるにしてもそれをもってだけで彼らとその組織批判するのではあまり有意義ものではありません。やはりどんな組織的なレントが存在しそれによって人々が真実を歪曲していたとしても、それ以上に重要なのは誤まった経済思想蔓延だと思います。もちろん完全で誤まりなきエコノミストはいません。ほぼすべてのエコノミストは私ももちろん含めて事実認識経済学的知識を誤解している可能性があるでしょう。問題は古くからいわれている通り、その過ちの可能性に意識的になることなのでしょう。これは自戒を込めていえば困難な道であると思いますが、他方で最も魅力ある途でもあるように思えるのです。

 

 経済学や経済認識は今後もゆっくり改善していくと私は楽観視しています。そして日銀政策確信犯的に誤まった経済情報を流し続けるもうひとつ負の遺産財務省政策も今後ともに批判的に検討していくと思いますが、私は日本経済社会の今後の発展に実は懐疑的である以上に楽観もしているのです。

  

 今後は冒頭であげたブログ経済論戦を継続して検証する予定ですのでどうかよろしくお願いいたします。

Permalink |記事への反応(0) | 19:23

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