美術館なんて5年以上行っていなかったのだけど、美術館に足を運んだ。
とあるツテによって、一般公開に先立つ内覧会に招待されたためだ。
東京国立博物館でやっている、『蔦屋重三郎コンテンツビジネスの風雲児』という特別展。
久々の美術鑑賞だったが、なかなかよかった。
うまい例えができないが、90年代アニメの特集でセイバーマリオネットやスレイヤーズの存在を意図的に隠して、エヴァを前面に推すような感じである。
今の子供にもウケる絵柄だけを紹介してるような、それはそれで正解なのだけど、それはどうか、という思いがよぎる。
浮世絵というのは、ハンドメイドのカラー印刷なので、出来に良し悪しがある。
もちろん、出来がいいものを飾ってもらいたい一方で、出来が悪いものからも、いろいろと思うところはある。
教科書に載っているような有名作品に印刷ズレがあると、「印刷が間に合わないほど飛ぶように売れたんだな」と思ったりする。
「版元に大事にされていたんだな。プレミアム戦略で粗製乱造はしなかったんだな」
贅沢な悩みだが、一級の作品の、出来がいいものだけを集めて展示されていて、それが残念な感じがあった。
元来、浮世絵というのは、手に持って鑑賞するものだったので、多くの場合、壁に飾られることは想定していない。
運転席からみて見やすい道路標示が、真上から見たら細長くみえるように、壁にかけると普通は不自然さが際立つ。
額縁やマットの選び方も上手で、壁や床のいろとも調和して、照明のセッティングも含めて、この場所に、そうやって飾られるために作品が存在しているかのように見えた。
それは、すごい技術ではあるが、壁に掛けたら不自然にみえるはずの絵を、展示のテクニックで美しく見せてしまっていて、どうかなと思う。勝手に足し算しちゃってるようなもんだし。
もちろん、展示は研究者のためのものではないので、現代に生きる我々に理解しやすい絵を中心にみせることは大事だし、せっかく展示するなら美しく展示すべきというのもわかる。
手に持って鑑賞する前提で作られた作品を額縁にいれて壁にかけガラス越しに鑑賞する意味はなんだろうか?
作品というか、当時の感覚ではアートではなく商業印刷であり、描かれているのだって芝居の役者や女郎であって、風俗情報誌の表紙みたいなものなわけで。
それをわざわざ吉原をイメージした空間を作って展示となると、教養や文化というより、それを楽しむ娯楽だ。
おしゃれ空間を楽しむ娯楽という側面のほうが強い気がする。
Permalink |記事への反応(22) | 14:44
娯楽でもなんでもいいじゃん、人それぞれだよ
進んでいくというのは文化的ではない 美術館が文化的なのではない サラリーマンが駅に行く感覚で美術館に行く「人」が文化的
そういうところから、現代美術にありがちな「額縁(絵の周辺設備)を疑う」コンセプトが生まれる おしゃれな掲示方法だけ追求して絵は空っぽみたいな
そもそも額に入ってなかった絵を、額縁にいれて展示していいものか? 裸婦像の彫刻に、服を着せて展示するようなもので、絵を鑑賞してるのか、額縁や周辺設備を鑑賞してるのかわか...
元々対して「文化的」でなかった浮世絵を、 もはや
そうなってしまう文脈はわかるんだけど、人文系のスノッブな論文みたいな感じで、すげーしょうもなく感じるんだよな。 作画を追求してるアニメイラストのほうがまだ芸術的だ。 ...
マンガ展でマンガの原稿を並べて展示とするのは正しいだろうか? という議論はマンガ展示の学芸員からも言われてる 一例として、平野耕太の原稿展示(最近のではなく、昔の)を見...
暇と金があってはじめて美術館に行くのであって、 美術館に行くと教養の数値が上がって収入が増えるわけでないからね。
でもそれって生産性最悪のダメな大人ですよね
産業革命で暇になったから美術館がもてはやされるようになっただけだぞ
それをネタにマウント取るのが貴様ら増田であり、はてなー。 もうしばらくしたらブクマカも集ってきてブコメでマウントの取り合いを始めるよ。 死ねばいいのにね。
ポスターじゃん!って当時あんまり褒められなかった印象派の絵画だってあるし、その作者たちの構図のネタにしてくれって売り歩くために撮ってた写真が後世そうじゃなくて写真芸術...
地方の田舎者は美術館なんか行かないしな 文化的なのは間違いない
社会不適合者が作って三流エリートがキュレーションするのが美術 役立たずどもの暇つぶしに何かを期待してはいけないよ
なんやこいつ エコノミックアニマルモンスターか
じゃあ増田は5流だな
文化って娯楽じゃね?
https://anond.hatelabo.jp/20250422144401 関係ないかもしれんが 昨日のクレイジージャーニーで、ヴィンテージTシャツブームの話やってて あるTシャツ好きがセレブに「これカッコいいよ」と...
日本はもうちょい違ってる気がするけど、日本というか江戸? 一応、浮世絵は美術界でも低俗なものとされてるし、今でもしてる。 重文どまりで、国宝は一つとしてない。 別のエン...
ただの差別主義者が偉そうなこと書いてて草 AKBよりクラシック音楽の方が高尚とか思ってそうだなw
熱気どうこう書いてても見下してるのが文章から迸ってるの無自覚なのかなあ
たしかに
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/139870 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E7%A7%98%E5%8A%87 あ
テレビドラマやってんねんな 日本人て幻想が好きそう
なんか造詣が深い方だと感じ方が違うのかな ど素人だとなんか展覧会みてなんか美術に触れたなー程度しかないが
受け取る側の教養
大河ドラマの主人公をテーマにした展覧会ともなると、分かりやすく「美術品」として展示する以外の選択肢はなかなか取れないですね。 つまらない話ですが、額に入れて壁面に飾って...
AI
蔦屋重三郎だが
江戸文化の浮世絵を楽しむのだから、文化的だろう。 違うというのなら、何をもって文化的とするのか、まず定義してくれ。
まあ文化って変わるもんだし
娯楽は文化の中に含まれるし、娯楽を楽しむのは文化的な活動だと思うよ でも文化人とかの言い方だとなんかお堅いイメージありよね
増田は文化をどう定義しているのだろう 商業娯楽は文化そのものだと思う 博物館もコンサートも遊園地も喫茶店もナイトプールも全部が文化
性格悪い。 自分が一家言ある大衆文化・風俗・民俗学的なものを美術館が展示しているので、どれどれ見てやるかというひねくれた根性で見物しに行ってる。 美術館側は大衆文化である...
元増田です。 結局、自分でも答えはわからんかった。 限られたスペースで、たくさんの人々に楽しんでもらうためには、これが最大公約数なのかなと思うのだが、あえて、「自分なら...
無人島の洞窟を貸し切って、松明とススだけもって洞窟の奥に絵を描くワークショップをやったらいいと思う。 ラスコーの洞窟に壁画を残して人は、なにを思い、わざわざ暗闇の洞窟に...
客はラーメンではなく情報をくってる。オリジナルをみたっていう情報でお腹を満たしてもらえばそれでいい。 わかってるのになんでわざわざ回りくどいことをするんだ? 「へー、こ...
これはこれで展示のひとつのコンセプトとして面白そう それでも、美術館に行くということは文化的なのだろうか?と強い言葉でディスる前に 自分が興味があり面白いと思うところとは...
俺は春画でオナニーできるか試してみたけど、無理だったよ。 やっぱり、どうやってもアレで抜けない。
タイトルだけに釣られてみるが、似たようなことを思ったことはある。 「美術館に行くということは、文化的なのだろうか?」 - なにかと都会と田舎の生活で対比される美術館、それだ...
元増田は、完全に受動的な娯楽になっていなかった、見る側として工夫を強いられた、 と言ってるとお感じになったわけですね。わかります。
そういう意味では、その展示は、やっぱりTVで見る娯楽よりは、見る側に工夫を強いたと言えるんじゃないですかね。 そういうイージーなコンテンツよりは文化的であった、と。
野蛮の環境のほうが想像性を発揮するのであれば 文化的であることとは、イージーであることなのかもしれないぞ 文化に関する伝統的な矛盾って感じがしますねこれは。
都会=文化的 田舎=NOT「文化的」 - 都会=受動的(受動的でも生きられるので、なし崩し的に受動的になっていく) 田舎=創造的(創造的でないと生きられないので、創造的であるこ...
野蛮