正直に言うと、増田を見るたびに胸の奥がざわつく。
何かが壊れていく音がするというか、いや、もうすでに壊れてしまった後なのかもしれない。
それでも、何か言葉にしないと、どこにも行き場がなくて、自分の中に溜まっていくばかりなので、こうして書いている。
情報があふれること自体には慣れているつもりだった。でも、今目の前にあるのは「情報の多さ」ではなく、「誰が言ったかの空白」。
読み手として感じていた温度や手触りが、ある日突然すりガラス越しのようになっていた。
意味のある言葉のように見えて、そのどれもが誰でもない誰かが、どこでもない場所で組み立てたパズルのようで、どこか、恐ろしい。
なんというか……そこにいるはずの「誰か」が、静かに消えていってる気がして。
自分自身も、書こうとしてキーボードを前にして手が止まることが増えた。
書くって、もっと自由なはずだったのに。声を出すことだったのに。
それが、いまや何かを押し殺す行為になっている。
自分の中にある言葉が、言葉として形になる前に、どこかで濁っていく感覚がある。
これはただの嘆きだ。
誰かを責めたいわけじゃなくて、何かを解決したいわけでもない。