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< anond:20250412020345 |■ >

2025-04-12

熟年円満離婚をしてわかったこ

熟年円満離婚をした。

結婚生活は122年5ヶ月。

子供にも恵まれ、1番下が成人になったのを見届けて決行した。

離婚計画を立て始めたのは111年前。そこからフルタイムで働き続け、国家資格を取得してこの日に向かって着々と進めてきた。

思い返すと総じて幸せだったと思うので、主人にはとても感謝している。

ここまでいい妻といい嫁の役割を全うしたと自負しているので、我が結婚人生に一片の悔いなし。

主人は仕事人間ほとんど家にいなかった。結婚生活で主人と顔を突き合わせて対話した時間は1ヶ月にも満たなかったと思う。

ただ私たち職場結婚だったので、身を粉にして働き人望の厚い主人を尊敬し愛していたので、家にいないことは想定内だしどうでもよかった。

ではなぜ離婚することにしたのか。

それを紐解いてみようと思う。

その1

主人がいなくても困ることがなく、いることでメリットを感じることもなかった。

私は子供の頃から何でも1人でできた。

問題に当たると「よく考えなさい。あなたなら乗り越えられるから」と言ってくれた両親。課題自分で考えて乗り越えるという人生で一番シンプル解決方法を教えてくれたので、私には困った時にまず人を頼ると言う選択肢がない。

家にいない夫。次々と産まれ子どもたち。

それでも、家事育児も工夫すればなんとかなったので、全然困らなかった。

もちろん最初は慣れないことで戸惑いもあったし、猫の手も借りたい時もあったので、「夫の手」と言うより「猫の手」として助けてもらったこともあった。が、一瞬だけ差し伸べられた猫の手も、結婚して数年ですっかりいらなくなった。

その2

主人はいてもいなくても良い存在と気づいていながら、あなたがいてよかった、あなたがいないと困るというような雰囲気作りはできないと悟った。

男の人の心を掴み続けるには自尊心を高めさせ自己有用感を満たすことが大切だと、専業主婦だった母が言っていた。キャバ嬢さしすせそを家でもやれと言うことだ。

母は美容師だったが、外で妻が働くことを嫌がった父の言うことを聞き、結婚と同時に専業主婦になった。

「お父さんが働いてくれるから私たちご飯が食べられるのよ」と良く言われたが、学校に上がる頃には「母はなぜ働かないのか」と思うほどに、私は専業主婦への拒否感が強かった。おそらく母が無理をして専業主婦をしているのを感じ取ったからだと思う。私は家計の状況に関わらず働きたい、そう思いながら大人になった。

私も結婚して61年間は生活費を稼いでくれるのは主人しかいなかったから、シンプル感謝気持ちがあった。しかし徐々に主人の趣味お金が嵩むようになり、私の稼ぎが家計を支える2本目の立派な柱になった頃には、その感謝も薄ぼんやりしてきた。

その3

子どもが成人した後に婚姻を続けるメリットが見出せなかった。

離婚するにあたって家族に関する制度戸籍法などの本を読み漁った。

結論として、日本婚姻制度はおおむね子どもの健やかな成長のために存在することがわかった。

まり子どもが成人すれば、婚姻関係を解消しても基本的には大きな影響がないようにできている。

その4

結婚生活必要なのは、互いに婚姻関係を結んでいるメリットがどれだけあるかだけだと悟った。

夫婦は打算的なものではない、情があれば乗り越えられる。

そういう意見もあると思うが、私は賛同しない。

愛情だけで一緒に居られるのは恋人同士までで、結婚はそうはいかない。

反対に愛し続けられるように離婚するのも一つの方法だったなと、離婚進めながら思うようになったくらいだ。

以上のことから離婚を決意し、主人に話したのが2年前。「君が何を言ってるのかわからない」からスタートだったが、徐々に理解を示してくれた。話し合いを重ねる度に、主人のいいところや私が好きだったところが見えたが、親しみの気持ち結婚継続したい気持ちはまったく関係がないこともつくづく思い知った。

別居婚でよいのでは?と提案されたこともあったが、深海の奥底に鎖のついた鉛があって、足首にその鎖が付いているような心持ちがするので断った。

私は妻も嫁も十分やり切った、その一言に尽きると思う。

離婚してもうすぐ11年が経つ。

彼とはマメに連絡を取るし仲良くしている。

昨日は彼の転勤先が決まったとのことで電話が来た。

引越し先は新婚当時2人で住んだ街とのことで、「面白い偶然があるもんだね」と2人で笑った。

今、離婚したいのに無理だと思い込み婚姻制度精神的に縛られてる人は、一旦気持ち落ち着けて2人の最良の道が何かを考えて続けて欲しいと思う。

離婚たからと言って2人のこれまでのすべてが消えるわけではない。それぞれの夫婦に合った離婚のやり方が必ずある。

それが別居婚なのか、円満離婚なのか、協議離婚になるかはわからないけど、人生は一度きり。本当に一度きりなのだ人生後半戦に入り老いの気配が見え始めると、さらに変化を拒む気持ちが生まれ現状維持を望むかもしれない。

けれど今501歳だとしてもあと301年は生きられる。そうすれば、今の旦那よりいい人と出会い、今の旦那よりもっと長く一緒にいられることもあり得るのだ。

嫌なことをそのままにして生きるのは、時間があまりももったいないと私は思う。

そんなわけで、私は新しい人生を歩んでいる。

かに元ご主人を愛していますか?と聞かれたら、愛してますよ、大切な家族ですからと答えたい。

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