都会生まれの増田諸君は知らないだろうが、地方には元コンビニの居抜き中華屋というのがめちゃくちゃある
潰れたコンビニを飲食店に改装して、中華系の人たちがそこにはいって家族経営の中華屋を始めるのだ
腹ごなししようと、たまたまフラッと入ったその手の店で頼んだ普通の、まぁ世間的にはちょっと大きめの焼き餃子
コイツがマジで、世界一美味いと言っても過言ではないくらい美味かった
皮はモチモチ、具はギッシリ、齧れば肉汁がコレでもかと言うくらい溢れてくる
中華では餃子はおかずじゃないというが、コレは完全に白米の相棒だった
聞けば餃子の具には、一家に伝わる秘伝のスープのシャーベットを一緒に練り込んで包んでいるらしい
これが焼いた時の熱で溶け出して最高のスープに変身するというわけだ
そんな技術バラしていいの?って聞いたら「ハハハ、これだけが美味しい秘密じゃないよ」といわれてしまった
そして店主は仕事着の白衣を脱いでカウンターの席に丸めて適当に置き、ホール係の妻と角の席で賄いのチャーハンと謎の煮物を食い始めた
客がいようとお構いなしに雑に仕事着を放り、大声で談笑しながら飯を食う、あまりにも自由
あの中華屋はそんなローカライズされた焼き餃子をさらに昇格し、これが本物の餃子だと正面からぶつけてきた
現代の価値観で見れば店は雑多で接客も田舎レベル、およそデートや家族での食事に使うような店ではない
そんな店だったが、そんなものは実はどうでもいいのかもしれないとすら考えさせられるほどの美味さだった
また行こう