わたしには若い頃から、相手に対して支配的なコミュニケーションを取る人間に囲まれがちで。
悪く言うと搾取する人間のターゲットにされがちな人間であった。いわゆるのび太のようなキャラであった。
2~30代の頃、モラハラ男丸出しの男性とよく行動を共にしていた(わたしは男性である)
「田中さん!(仮名) 田中さん! まじかっこいいっす!」っと言い、疑う事無く盲目的に付き合っていた。実際彼は仕事で年収1000万円は稼いでいたし、同時並行的に10人以上と交際していたし、毎日仕事の人間関係に苦労しながら安月給で働いていた私にとって、昼に起きて、1日1時間しか働かない彼の働き方はとても魅力的に映った。
小売店に対してクレームを付けたり、交際女性を激しく罵ったことを、「説教してやった」と称して、私たちに自慢げに話してくることが気になってはいたけれど、そこを除けばとても能力のある人だと思っていた。わたしは都会で素晴らしい人に出会ったのだ。彼から学び、彼の一挙手一投足を学べば、俺も同じく、彼のようにカネを稼ぎ、女を掴み人生を変えられると思っていた。
そんな彼が、実は企業相手に詐欺行為を行っていたことは昔から知っていたし(詳細は割愛する)、エンドユーザー相手に恫喝行為を行っていたことだって昔から知っていた。わたしもその詐欺行為に加担したこともある。でも、当時の自分はそれも込みで、彼のバイタリティ溢れる行動力、発言、「人生楽しまなきゃ損だぞ」という言葉に夢を見ていた。「この人と一緒に居れば、自分はお金持ちになれる!」「かわいい女とヤレる!そう信じて疑わなかった。最近で言うなら、最強軍団清水会の会長に憧れる、若い無知な青年と言ったところか。
俺は人生を変えたかった。歌舞伎町のトーヨコに転がっている、知識も教養も無いしかし若い男性達と同じである。
人生に希望を持った若いころの私は、彼らから見ると明らかに搾取の対象だった。
彼はそのままフリーランスの道を進み、わたしは非正規だが企業勤めの道を進んだ。
時はたちお互い年を重ねた。お互い独身であることも変わらないけれど、彼は相変わらず20代の若い女性と一緒に住み、仕事内容も働き方も年収も変わっていないらしい。わたしは、様々な手段で教養を学び、彼のやり方がモラハラだということも認識したし、彼の近くにいると不健康につながるということも、十分認知した。若いころの彼に対する憧れはとうの昔に捨てている。そのため、現在はLINEでのやり取りにとどめている。
そんな彼にこれから会いに行ってくる。詐欺で得たお金を受け取りに。
そしてこれを機に彼との関係も絶とうと思っている。
🍛「ナンだ男か…」