田舎にどうしても馴染めないが、都会に出たからと言って故郷のすべてを捨てたわけではなく、土地や母親への気持ちが残っているけれど、新天地にいる自分を肯定する歌だ。刺さる人も多いんじゃないかな。
私も田舎の学校では少し浮いた存在で、大学進学を機に東京に出てからこちらで就職した。私がどうしても馴染めなかった当然異性の恋人を作って結婚するという価値観はここ東京でもあるけれども、田舎より他者への興味が薄いのか、そのように振る舞うようにしている人が多いのか実際のところはわからないけれども、それでもだいぶ過ごしやすく、きっと何事もなければこのまま東京で暮していくのだと思う。
母親は昭和の頃の価値観の人で、帰省時にそのように生きることは私にとってはとても難しく、辛いことなのだと伝えては理解してもらえず口論になり、東京へ帰る日を早めることもしばしばあった。
そういうことをするたびに母親から電話が来て、本当は口論なんてしたくなくて、増田のあり方を肯定したいのに、自分が生きてきた価値観を押し付けてしまうと涙声で語られる。
どうすれば良かったんですかね。
もし私がアロマンティックじゃなかったり、バリキャリ志向じゃなかったら母親を傷つけることもなかったのかなとも思うけど、じゃあ母親のためにそうではないふりをして生きていけるかというとそんなことはない。なるべく他者を傷つけずに生きていたいけれど、それで自分を押し殺すのは違う。
結局、今の距離感のままでいるのが良いんだろう。母と言い合いすることもなく、私も母もその土地で楽しい時間を過ごし、数年に一度帰省して口論が勃発する前に故郷を離れるくらいの距離感が。