隣のブースの中学生が「一番安いのでお願いします」と注文していて初々しかった。
きっとお小遣いで食べに来たんだろう。
安くたくさん食べられる食べ放題。
おかげでしゃぶ葉は繁盛していて大変にぎわっている。
なぜかブース内で着替え始めてジャージ着してしゃぶ肉始めたり、
漏れ聞こえてくる会話の内容はBLだったりジャニーズだったり、
はたして何組いるんだろうか。店中にたくさん学生がいる。
自分の席に戻るのに他のブースが見えたり、壁が薄いので漏れ聞こえてくるのだ。
増田に書いたりしてごめんよ。
でも気をつけなきゃならないことがあるんだ。
同じ日に事件は2件、起こった。
よく食べ、よく飲む彼らの注文を配膳したり食器を片づけたりでスタッフは大忙しだ。
SNSで大騒ぎになった肉横取り事件が発覚してから配膳肉にはレシートが付くようになった。
ドタン!!
全身ですっころぶ男の子の姿が目に入った。
たぶん中学生だろう。
体格が大きくない。
カーブで速度を殺せなかったのか、派手に全身で床に倒れてる。
飲食店で走っちゃダメだぜキッズ…と思ったが表情が呆然としている。
しばらく起き上がらないので仲間がワラワラ集まってどうしたどうしたと心配の声をかけている。
やっと起き上がった学生が床を指さしてなんか必死に話をしている。
そこの部分だけ色が違っていた。
なんか濡れてる。
飲み物か?タレか?
どうやら濡れた床を踏んで滑ってぶっ転んでしまったらしい。
(走ってたわけではないらしい。誤解してごめんよ学生)。
指摘されないと気づかないレベルで、転んだ学生も、床の直線状にいるワイも、その通りを通らなかったであろうスタッフも誰も床濡れに気づかなかった。
不幸な事故だ。
幸いにも学生は手ぶらで転んだのでケガはなかったようだが、これが配膳中であったら大惨事だったろう。
ケガはないようだが再度の事故を防止すべく、どうやってスタッフに「片づけて」と伝えようかと床上で集団で考えあぐねているところだった。
ワイはちょうど近くを通りかかったスタッフを捕まえて、「床が汚れて男の子が転んだ。掃除してほしい」と指さして伝えた。
慌てて片づけに奔走するスタッフ。
ネコロボは床の汚れには気が付かないもんね。
フロアから人間スタッフがいなくなったことで予想外の弊害が出現していたのだ。
ケガがなくてよかった。
未成年が学校帰りに寄り道して飲食店で事故にあった場合、特にケガがあった場合が最悪だろう。
こういうのってどうなんだろうね。
親御さんへの連絡網も本人以外は知らんやろし。
事故がないのが一番いいのだ。
●2件目、体調不良者が出た
すわアレルギーか。
持病が発症したのか。
団体さんは複数ブースで分割されていて、その子の様子がおかしいことに気が付いて他のブースからワラワラと学生が集結しだして場の雰囲気が異様になったのだ。
雰囲気が重い。
いったいなんなん。
部活の引率なのか、背の高い成人(おそらく教師?院生みたいな見た目をしているモサい男だった)がどこかに電話している。何度も何度も電話している。
すぐに先生がやってきた。
間違いなく先生だった。
見た目が完全に先生だった。
おお、先生だ、ってなった。
驚嘆したのは連絡網がちゃんとしていること、先生の足元はベンサン(靴下履きの便所サンダル。)で電話連絡を受けて秒で飛び出してきたらしくコートも着てない。
おそらく担任教師だろう、親御さんの連絡先を知っているのは具合悪い学生本人と教師ぐらいだ。
幸いなことは救急車を呼ぶほどではない、かつ保護者に相当する大人が近くにいたことだ。
その間、食事は中止で全員が見守っている。
重い。
空気が重いぜ。
安心しきった雰囲気の中でいきなり体調不良者が出て子供たちは不安が顔に出ている。
●ブランマンジェ、くえ
推測でしかないが、急速に具合が悪くなったのであれば期間限定スイーツ「ブランマンジェ」がアレルゲンだと知らずに口に入れた可能性がある。
ヘーゼルナッツを使った激ウマなヨーグルトみたいな白い食べ物だ。
ホイップ、ソフトクリーム、ブランマンジェと揃うと全部が白であんまり区別がつかない。
マジ美味い。
かつてゼリー担当スイーツでここまで連続空っぽになるスイーツはない。
フルーチェのようにプルプルだ。
アレルゲン情報はQRされているが不用意に口に入れたかもしれない。
マジ美味い。
後味がナッツ。
チョコや黄な粉をかけずに食え。
そのままが一番美味い。
プルプルを食え。
アレルギーあるなら食べるな。
●事後は平和だった
残された子たちは意気消沈していたがネコロボがそそそと配膳していた。
食欲があるなら大丈夫そうだ。
そのうち、談笑の気配がした。
子どもたちが多い食事の場というのは、このように事故も多いのかと戦慄した。
偶然か。
必然か。
子供だけの食事会というのは案外にも命にかかわるのかもしれん。
学生、人見知りする。
これまで親御さんが代表に立って対大人との面倒ごとを片づけてきた。
いざ自分らでどうにか対処しようとすると人見知りしてスタッフにすらあんまり声が出ない。
恥ずかしがってるのかよくわからんが、知らん人と話するの嫌みたい。
転んだ学生もうまく転んだことを伝えきれず、「大丈夫大丈夫」とすぐ逃げて行った。
仲間の具合がわるいとき、彼らはフリーズするんじゃないだろうか。
体調不良者のグループに引率の保護者がいなかったらヤバかったと思う。
トラブルがあったときにどうすればいいか、子供は、まあ、知らんよね。
今回の経験則からワイが学んだのは、基本、未成年のトラブルは放置がいいんじゃねえか、ということだ。
助けを求められたら手伝うが、事故や命にかかわりそうな面倒ごとには可能な限り巻き込まれたくない。
店、頑張れ。
しゃぶ葉、頑張れ。
そう思うしかない。
あんだ、しゃぶ葉でそんな事件があったのが?しゃぶしゃぶしながらすっころんだり、具合悪くなったり、まるでドラマみてぇな展開だなや。でも、学生たちも自分たちでどうにかしよ...
しゃぶ葉って名前が反社だよね