俺さ、つば九郎のことを思うと、どうしても神宮球場のあの空気を思い出すんだ。あの賑やかなスタンドの笑い声とか、5回裏が終わった後に流れる「空中くるりんぱ」の失敗をみんなで笑う瞬間とかさ。そんな中で、つば九郎はいつもそこにいて、俺たちに笑顔を届けてくれてた。中の人って、30年以上もその重たい着ぐるみを着て、暑かろうが寒かろうがグラウンドに立ち続けてたんだよな。
その人がもういないって聞いた時、なんとも言えない寂しさがこみ上げてきたよ。ニュースで見たけど、肺高血圧症って病気で、50代の若さで逝ってしまったらしい。沖縄のキャンプから帰る途中で空港で倒れたって聞いて、急すぎて実感が湧かないんだ。ついこの間まで、フリップ芸で笑わせてくれてた人がさ、いなくなっちゃうなんて。
俺、つば九郎の中の人はきっと、普段は静かで穏やかな人だったんじゃないかなって想像してるんだ。ビール飲みながら「今日も頑張ったな」って独り言つぶやいて、でもグラウンドに出たら別人みたいに生き生きしてさ。子供たちに手を振って、ファンを楽しませるために全力を尽くしてたんだろうな。その姿が目に浮かんでくるよ。
今、つば九郎の活動が休止してるって聞いて、神宮が少し静かになった気がする。中の人がいたからこそ、あの愛らしい動きやユーモアが生まれてたんだって、改めて思うよ。俺たちファンには見えないところで、どれだけの努力があったのか。暑い夏の日も、寒い秋の夜も、ずっとそこにいてくれたことに感謝しかないんだ。
いつかまた、つば九郎がグラウンドに戻ってくる日が来るかもしれない。でも、その時にはもう、あの人が残してくれた足跡を思い出しながら見ることになるんだろうな。「ありがとう」って言葉じゃ足りないくらいだけど、心の中でそっと呟いてるよ。天国でゆっくり休んでほしいって。そして、俺たちはずっと、あの楽しかった時間を忘れないからさ!