バグどもに機関銃で左から撃たれた。数発の弾が俺のパワードスーツの装甲を紙のように貫いて、左太腿外側から内側に向かって抜けた。
もちろん痛みなど感じない。俺はすぐさま左腕の機関銃で俺を撃ったバグどもを薙ぎ払った。バグどもはわかりやすい。弾が当たればすぐに死ぬ。
俺はというと、全身に仕込まれたナノマシンが貫通銃創など一瞬で修復する。お偉方に言わせれば、人命は何よりも尊いのでなまじっかなことでは死なないようにするのが近代的な軍隊の義務なのだそうだ。ありがたいこった。偉い人は実際に撃たれたことなどないと思うが。
植民星惑星テセウスがバグどもに占領されてから半年、ろくな軍備もなかった植民星に地球から軍隊が送り込まれ反攻作戦が開始されている。俺は都市のひとつを奪還する大隊のうち第15小隊の一員というわけだ。第15小隊には12人いるのだが、すでに4人ほどやられたようでマーカーが消えている。
前方に現れたバグどもに機関銃の掃射を浴びせている間、右から現れたバグが超振動ブレードになった腕の鎌で俺の右腕をぶった切りやがった。前方のやつらを撃ちながら、右腰に装備されたニードルガンで俺の腕を斬ったバグをふきとばす。奴らときたら、生物のくせに腕が超振動ブレードになっていたり口から機関銃のように弾丸が撃てたり、あげくの果てに「船」のような巨大生物で恒星間航行まで行っているのだから驚くが、科学自体は俺たちに比べればだいぶ遅れている。だからパワードスーツを着込んだ歩兵一人がこうして何体ものバグを相手にできるわけだが、その分やつらの方が数が多いのだから同じことだ。だいたい、こんな植民星の都市ひとつ、空爆か何かで壊滅させてしまえばよいと思うのだが、お偉方にしてみれば、長年かけて作り上げた都市は惜しいらしい。だからこうして生身の人間が掃討に当たっているわけだ。人命尊重どこいった。
前方のやつらも黙らせたので、切り落とされた右腕をくっつける。たちまちくっつく。俺の体だけでなくパワードスーツにもナノマシンが仕込まれていて、生身の腕だけでなく、パワードスーツも元通りだ。パワードスーツのナノマシンは背中のコントローラによるトップダウン制御で動いているので、それが壊されるとまずいことになるが。ちなみに俺の体のナノマシンはボトムアップ制御なので、どこが壊されても、全身に分散保持された記録をもとに、元の体を修復する。
右腕がくっついた気の緩みを突かれた。今度はブラスターで撃たれて、俺の左足の膝から下が蒸発した。「材料」がなくなってはさすがのナノマシンも修復はできないが、こんな時に備えて背中のタンクには、水炭素アンモニア石灰リン塩分硝石イオウフッ素鉄ケイ素その他少量の15の元素が蓄えられており、失った分はそれを材料に復元する。人間ってのはお安くできてんのな。
パワードスーツ修復の材料も別のタンクにあるのだが、体に比べ、修復が多少遅れたようだ。一瞬生身の左足でパワードスーツを含む全重量を支えることになり、よろけた俺の視界に入ったのは、バグどもの乗ったリフターだった。リフターの大型ブラスターが俺を
右肩のキャノン砲で即座に応戦したため相打ちになったらしい。バグどものリフターは墜落している。こちらはというと、ログによれば、胸のあたりから頭一帯がきれいに蒸発し、その後ナノマシンで修復されたようだ。背中のタンクの材料は使い切られており、それでも材料が足りなかったのだろう、両足が短くなっていて、太ももの途中までしかない。足を犠牲にして頭を復旧したわけだ。パワードスーツもそこまでしかないが、それでも一応機能するような形に整形するのだからえらいもんだ。
とはいえこれでは満足に歩けない。非常用スラスターを使って撤退するしかないだろう。この状況なら上官とて文句は言うまい。
脳のすべてを失って修復された「俺」は果たして「俺」と言えるのか。記憶は確かに撃たれる一瞬前までのものが復元されているが、脳を失った時点で俺は死んでいるのではないか。平時ならそんなことを考えるかもしれないが、戦場ではそんなことを考える余裕はない。第一俺は。
司令部に撤退信号を発信し、背中のスラスターで戦場を離脱する。どうやら今日一日は生き延びることができたようだ。しかし、そのことにどんな意味があるのか。なにしろ第15小隊は全員が「俺」で、ひとりのオリジナルからナノマシンで作り出されたものだ。誰がオリジナルなのかは聞かされていないが、常識的に考えて、おそらくオリジナルの「俺」は本星でぬくぬくとしているのだろう。なるほど確かに人命は尊い。これなら俺たちが全滅しても、誰も死なない。
抑制されているので痛みは感じないが、右目に違和感がある。なんだろうとまばたいたらダイヤモンドが出てきた。ナノマシンが頭を修復するときに、右目のあたりで炭素原子が余ったらしい。それを結晶として排出したのだろう。ボトムアップ制御のナノマシンではたまに起きることだ。昔はこんな結晶に法外な値段が付いたというが、今となっては何の価値もない、ただの炭素の結晶だ。
SFを読み始めて30年。 既に約4万を超える作品を読んできた。 短編から長編、ハードSFからライトなSFまで。 それだけSFを読んでいると普通のランキングに載るような作品はもちろんのこと...
バグどもに機関銃で左から撃たれた。数発の弾が俺のパワードスーツの装甲を紙のように貫いて、左太腿外側から内側に向かって抜けた。 もちろん痛みなど感じない。俺はすぐさま左腕...
AIってすごいね
マジでこれ。 売ってねえし。 こういうでっち上げクソゴミでネットをかさ増しするのやめてほしい。
架空の名作SF小説を考えてください。 みたいなリクエストで出てきたのかなあ。
それをおすすめブログ風にしてくださいまでやっただろ マジで四万ものSFを学習してたとしたらSF連盟からものすごい勢いで著作権料請求されて死ねばいいとおもうがまあAIに数が数...
4万篇って1年あたり約1300ペース。1月あたり110篇なんだけど、編集者か何か?
斜線堂有紀『さよならに取られた傷だらけ』みたいなのをカウントすれば1冊で250篇いける
これに中身が伴うようになったら、ほんとにフェーズが変わるなあ。人間が作った、という意義が業界から完全に消えることはないと思うけど、ジャンルに占める一つのエリアとしての...
われらはレギオン(ハヤカワ文庫SF)著: デニス E テイラー 訳: 金子浩 カナダから来たSFなろう系小説 交通事故死したはずの天才プログラマー・ボブは生前行った複製プログラム...
ほんならワイも書かせてもらお すっかりインターネットの波のような塵に埋もれてもうたけど、 90年代の岡崎二郎は凄かったんや…(いわゆる『アフター0』の話をしています)(『平面世...
AI嘘松か
やっぱそうか! CLムーアは居るけど、あとはなんかビミョーにちがう気がしたもんなー
ダイヤモンドの涙面白そう
1984積読にしてるなら、映画だったかTVドラマだったか、もう映像で見るといいよ…😟 詳細忘れたけど、前に観たやつ、凄い良かったなぁ…
ワシは二分間憎悪のシーンが好きやのォ ククク
ようこそここへ わたしのあおいとり
一生懸命書誌データベース作ってる人たちからしたらこういうの本当にいい迷惑なんだよなあ~。 https://www.isfdb.org/cgi-bin/ea.cgi?Charles_L._Harness
さすがにこれブクマするようなやつはゴミ箱行きだろ
ブライアン・M・ステーブルフォード『空洞の神々』が面白そうだったので、Claudeさんに小説の導入の雰囲気を教えてもらった。 2147年3月15日、人類は孤独ではないことを知った。 しか...
量子もつれの話になってる、面白そう…😟
SF詳しいんやったら今まで読んだ中でぶっちぎりでクソつまらんかったスタニスワフ・レムのソラリスのどこがおもろいんか聞かせてくれ
SF摩呂「冗長と恋情のマリアージュやぁ🤗」
飯田訳の『ソラリスの陽のもとに』を読んだの? 沼野訳の『ソラリス』を読んだの?
Amazonの履歴見たら沼野訳だった
今はSFの主戦場はゲームだと思ってるんだよなー
1. 『冷たい火星の墓標』 グレゴリー・ベンフォード 火星で発見された遺跡の調査を進める中で、主人公たちは高度な文明を持つ「恐竜人類」の存在を突き止めます。物語の終盤、彼ら...
なんかどれも、SF詳しくない俺でも知ってる有名小説のパクリっぽい… って思ったらAI生成の架空リストかよ!
anond:20250223211035 西暦2425年。人類が火星への最初の入植地を建設してから既に2世紀が経過していた。 人類の火星移住計画は、22世紀初頭の核融合技術の確立によって大きく前進した。2112...
以前の増田なら、まず間違いなく「AIだー!」で意見一致してるだろうに、今更いきなり「架空の作品レビューだからと言ってAIというのは早計」とか言い出す奴が湧いてるの何? 「酔っ...
『ダイヤモンドの涙』 リンダ・ナガタ、これ 「VAST」?
リングワールドシリーズにさえ挫折した年間に10冊くらいしか読めないSFファンだが、助かる。スーパー助かる。頂いたリストで夏までは凌げそうだ。
ぜんぶ存在しないタイトルだよ
・・・未訳の短編だからウィキに載ってないとかじゃないの?? ううーむ 入手困難でも同じか 冷凍睡眠に入るからイーガンの新作出たら起こして