第十一章
眼は明るいほうがいいといっても、どうして三眼を願うことがあろうか。
指が役に立つといっても、どうして六指が必要だろうか。
善に善を重ねるならば、かえって兵で勝つ方法とはならない。
第十九章
愛する夫が海上に去った姿を見送り、岩の上に立ちつくして名残を惜しみ、そのまま石化した松浦佐用媛のように貞節な女性は後々まで残るが、
第三十九章
第四十章
本体があり、それを動かして活用強化するなら成功するが、まずとにかく活動していて、その集積によって本体を形成しようとすると、不安定で、どんなものになるかわからない。
同様に、剛毅な心身を持ち、それを基盤として武道を学べば勝者となるが、武道を学んでいるうちに剛毅な心身を作ろうとすると、負ける。
第四十五章
龍車に向かうカマキリというたとえがあるが、向こう見ずの蛮勇で成功しない。
相手が何者であるかを見極めたら、カマキリも腕を折らずに済むのである。
とすると、智が先にきて、勇はそれに従うものなのか?
むかし、船を作る人がいた。
ある人が「帆を作ってからかいを作るのか、かいを作ってから帆を作るのか」と尋ねた。
船工はノミを投げ捨てて言ったという。