これは新人にとってとても有り難い。
新人が一番起こしやすい問題が「作品の核が何なのか分からなくなる」ということです。
読みにくい漫画はここに原因が有ることが8割と言っていいでしょう。
これは結末が結ばれるまでは宙ぶらりんになっている事象がたくさんあることを意味します。
読み手は物語の中でいくつもの宙ぶらりんに出会うわけですが、これは少しずつストレスを生み出します。
ですがこれらが「最終的にはエロにつながる」とわかっていれば、読み手のストレスは大きく軽減されますし、読後に「よく分からんかったなあ」ともなりにくいのです。
漫画と読者が食い違ってしまうのは何もストーリーだけではありません。
「何が見たかったのか」も非常に食い違う。
たとえば「都会でリッチな暮らしを送る人の話」をあなたが描いたとしましょう。
あなたは「都会での華やかな暮らし」を描こうとしているおんい、読者は勝手に深読みして「華やかな暮らしの下にある苦しみ」の前座だと考えていたら、その食い違いは悲劇となります。
あなたは「どうだ!都会は本当にいい所だろう!僕も大好きだ!」と筆を置き、読者は「え?オチは?」と途方に暮れる。
そしてあなたは何故かネットで「前振りだけして終わりの投げっぱなしジャーマンの駄作しか描けないゴミ。これでまだ高校生とかならまだしも成人してこれは才能がなさすぎるから原作つけて作画に専念しろ」と言われてしまうのです。
タイトルに「寝取られ」や「人妻」と入れておけば誰もジャンルを誤解しません。
キャラクターを1ページ目にドーンと出しておけば「人妻と聞いて期待したのに合法ロリだとは思わなかった」なんて言われることもないのです。だって1ページにページブチ抜きでキャラを出してるんですから。
どうでもいいと思うか、笑って終わりでしょう。
顔を真赤にして「この監督にはプロの誇りがないのか!会社にメールで講義してやる!」となるのは精神科のお世話になっているレベルの人だけでしょうね。
男が精を吐いて女は潮を吹いていればいい。これがエロ漫画に求められるものです。
途中経過で何をやってもいいのです。
もちろん事件を助長するような内容とかになるとちょっと問題が出てくることもありますが、気をつけるべきはそれぐらいでしょう。
これだけです。
ページ数がニ桁後半になると導入→前戯→セックス→物語後半導入→前戯→セックス→オチと構成が複雑になることもありますが、それでも基本は一緒。
このシンプルさは今や他のジャンルではそうそう許されるものではありません。
物語構成を複雑にすること自体が今や多くの漫画における売りや核になっていますから。
というわけで新人の皆さんはオナニーも同然のメッセージ性をゴチャゴチャぶら下げたグチャグチャな漫画を描くのはやめて、誰かのオナニーのためにエロ漫画を描きましょう。
どぅい、どぅいどぅい〜