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2025-01-28

赤坂黙示録

「ねえ、お母さん。TBSってずっと記者会見してるけど、いつからやってるの?」

「そうねえ、お母さんが子供の頃からずーっとやってるから…」

「ばあちゃん子どもときは、学校へ行こう!とかガチンコ!とか、バラエティ番組がいっぱいあってね…」

「本当に?全然いたことないけど…」

「本当だよ。他のテレビ局みたいにドラマバラエティ番組をたくさんやっていて、『人にやさしく世界に厳しく』なんて張り切ってた時期もあったけど…」

「ばあちゃん若い頃にね、TOKIOっていう人気のグループにいた山口達也って人が不祥事を起こしてからあんなことになったんだよ」

2100年1月27日TBS記者会見を始めてから75年が経過した。

その間に社長は4人変わり、港区赤坂TBS社屋は90年代バブル経済期を象徴する歴史的建造物として登録された。

以前はサンデーモーニング水戸黄門といった国民番組からバラエティ番組まで、数々の人気番組放送していた。

会見場にいるとある新聞社記者はこう言う。

「私はTBSの会見を担当しているのですが、私でこの会見を担当するのは5代目になるそうです。」

「もともと、2025年に起きた山口達也氏の不祥事に端を発する問題の会見だと聞いていますしかし、いつになったらこの会見が終わるのか全く分からないのです」

今、会見場にいる記者たちは皆、山口達也不祥事の後に生まれ記者たちである

もちろん、TOKIOガチンコ!などは知らない世代だ。

彼らは生まれときからTBSチャンネルを回すと会見の映像が流れていることしか知らない。

テレビ局としての実態を知らないのである

もう、TBS側も記者側も全く事件体験していないのに、ずっと会見を続けているのである

もちろん、それが何のためかは誰も知らなかった。ただ、社長一人を除いて。

長い会見の最中時計が昼の12時を指したとき社長が突如口を開いた。

「皆様にここまで長くお集まりいただいたのはこの日のためでした。ようやく、全てを終わらせるときが来ました。」

社長はこう記者に告げると、少し笑みをこぼしたかのように見えた。

その瞬間、TBSの社屋のあのビッグハットがぼうっと空に浮かび上がった。

そしてある高さまで達すると、ビッグハットは強烈な光と爆音を発した。

アルマゲドンが来たのだ。記者たちはそれを悟ったときはもう遅かった。

眩い光線と爆風が吹き荒れる中、どこからともなく社長の声が聞こえてくるようだった。

「皆さん、覚えていますか。そうです、『ブロードキャスト・ユア・ハピネス』」さようならさようなら……」

最後の言葉だった。社長以下TBS取締役陣は爆音と爆風とともにどこへともなく姿を消した。

会見はノアの方舟だったのだ。このために記者たちは集められたのだった。

新しい世界希望として。パンドラの匣を開けて最後に残るのは、希望なのだ

残された記者たちは茫然と立ち尽くすほかなかった。

やっとのことで廃墟と化した社屋の外に出ると、見渡す限り人工物は消え去っているようだった。

景色らしい景色といえば、海中に突き刺さった赤坂BLITZの残骸と、遠くに望む富士山だけだった。

もう、生きている人類はいないのだろうなと記者たちが悟りかけていたとき、どこからともなく

リーダーリーダー

という声が聞こえてくるようだった。

記者たちは即座にその声に耳を傾けようとしたが、すぐに風でかき消されて聞こえなくなった。

Permalink |記事への反応(0) | 15:27

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