そこまでは普通の犬だと思えた。しかし彼は、そこで止まらなかった。
枝も、葉っぱも、リードも、公園の鉄棒も、果ては石ころまで。生涯をかけて、とにかく噛み続けた。
噛みつき防止スプレーを買ってきた。苦味成分が強く、人間が舐めただけでも悶絶するほどの代物だ。
それを噛んでほしくない物に1時間おきに吹きかけても、彼は諦めなかった。涙を流しながら、苦い顔をして、それでも噛み続けた。その執念は、時として感動すら覚えた。
名前は当初「じろう」だった。しかし、噛みつく習性があまりに際立っていたため、いつしか家族全員が「かみつき」と呼ぶようになった。
本人も、その名前で返事をするようになった。
今になって思う。彼は何を求めて、あれほどまでに噛み続けたのだろう。
鉄棒が曲がるわけでもなく、石が砕けるわけでもない。それでも、10年間、毎日毎日、諦めることなく噛み続けた。
前世ではカミツキガメだったのに心優しくてかみつくことが一度もできなかったから今世で成果を残そうと頑張ったんだと思う ご愁傷様
https://anond.hatelabo.jp/20250128103158 続き 家族の態度は、かみつきの習性とともに変化していった。 最初は「可愛い子犬が来た」と喜んでいた母は、家具を噛られ続けた末に「餌だけあげて...
感傷に浸ってるところ悪いけど、ドッグトレーナーつけたらよかったのに
犬に住んでんの?