ブライアン・イーノ本人が「昔からAIアーティストのようなものだ」と認識しているのは面白いと思った。
ここでのAI的な在り方というのは、制作で自分がコントロールする範囲をあえて絞るためにプロセスを外部化したり、偶然性が入り込む余地を大きくするような方法だろう。
電子音楽のジャンルでは、たとえばCDに傷をつけたうえで再生して音飛びをするサウンドを取り入れたり、サウンドのプログラミングでランダマイズの範囲を広げたりと、徐々に人間の意図から離れる実験が行われていた。
絵画でも、壁の染みだけを見ながら想像を膨らませ、そのイメージを描きだそうとする試みなどは、AI的なプロセスだったと考えることができる。
そしてランダムであれば良いということではなく、それを監督・監修し、編集するところで制作者の意思や意図が入り込み、良し悪しが変わってくる点も同じと言えるだろう。