森博嗣は現役時代(自称引退、続々出版中)厨二だとかなんとか言われたけど、今の評価はどうだろうかと思う。
確実に、定期的に森博嗣の本にハマる若い世代を見るし、いろんな形でおすすめする人もいる。
平成初期だと森博嗣の書くキャラたちの行動はもしかしたらキャラ性が強い、非現実的なもののように受け取る人が多かったのかもしれない。
でも今ならどうだろうか。孤独に進む人はたくさんいるのではないか。
昨今、いろんな若者の意見を見ていると、孤独を感じている人は、おそらく森博嗣を読めば救われる人が多少いるのではないか、と思う。
自分もそうだった。なお孤独がやわらぐという話ではない。孤独を受け入れる。孤独が好きになる。そういう意識転換をすることで、楽になる人は多いはずなのだ。
森作品は触りだけで読むと勘違いされがちだが、しっかり読めば決して選民思想でないことも重要だ。
孤独でなにが悪い?と言う人はYouTubeにいっぱいいるだろう。
天才を描く人も美形を描く人も。森もそうだ。
でも森作品をおすすめできるのは、否選民思想の部分、もしくは自分にある思想に抗おうとしている部分だ。
普通にデビュー一作目から読んで、一作目で終わらずそのシリーズを追ってみてほしい。言わんとしていることがなんとなくわかってくる。
そのうえで今のエッセイを読んでみればいい。こちらは中高年あたりに刺さっていきそうだなという感じもあるが。