カラダに良くないモノとしての「化学物質」みたいな言い回しがあるけど、化学物質でない物質って存在するんですか。って思う。ダークマターとか?いやニュアンスと言うか言いたいことは全然分かるけど。いわゆる「自然」っぽくないモノみたいな。
でも劇薬を製造してる工場だって無からはポップしない訳で、全ては自然由来でしょって。
人の手が入った不自然さに対して抱くイヤさを表す端的な言葉として化学的とか人工的みたいな言葉が使われてると思う。
じゃあステーキ肉を焼くのは加工ではないんですか、そもそも精肉をするのだって加工じゃないんですか。豆腐を作り出すのだって立派な化学的加工ではないんですか、って話で。
加工の中でも、とりわけ自分に身近な感じの事にはなんとなく安心感を覚えるんじゃないと思う。同時に特性のよく分からん薬品が使われる食品製造みたいに、自分の持ち得る知識ではしっかりと感覚レベルで理解出来ないものに不安を覚えるんじゃないかと思う。
最先端のもの技術にばかり嫌悪感を抱くかと言ったら、そういう事でも無いと思う。ハーバーボッシュ法だって大分歴史のあるものだろうけど、それでもそのよく分からんけどケミカルな感じに対して抱く嫌悪感は味の素を嫌う人の感覚に近いんじゃないかと思う。
ちょっとしたリテラシーのレベルを超えた化学工学の知識を誰もが持ってるかと言ったらそんな訳はなくて、
そういった知識を「常識」だと思うのはそれはそれで了見が狭すぎる。中学高校のテストを100点取れる大人が何人いるかって話だし、当の中高生だってそうそう取れちゃいない。高校レベルの内容をマスターしてれば立派な教養人だ。
でも理解出来ないからと言って、市販の食品の全てを疑って拒んでたら餓死する。それか、別の安心感にすがる。トーシロでも納得のいく、それっぽい理屈が語られたエセ科学とか。
そういので多少ボッタクリの品を売られようが、本人がそれで納得や安心を得られるならまあそれで別にいいと思うけどね。
森羅万象に対して然るべき知識をしっかり身に着けようと思ったって、せっかくの人生で趣味に興じる暇もなくなってしまう。
加工食品は健康に悪いかもしれないし、悪くないかもしれない。悪いと言ったって誤差レベルかもしれないし、安全と言っても度を超えれば健康を害するかもしれない。短期的にでも健康被害無視できないような激ヤバな製品はやたらめったら出回るもんではない。
よろしくないモンが身体に蓄積されるのは気持ち悪いけど、死んで灰になれば排出できる。
まあアスベストがどうとかあったから、全てに安心しきるというのも呑気かもしれない。