日常的にマンガを読む人は感じないだろうけど、マンガを買うという行為は結構ハードルが高い。
マンガの単行本というのを今まで買ったことが無かった。いや、AKIRAは買ったが大分前だ。
一方、無料で公開されてるWEBマンガは結構読んでいて漫画太郎や『アンテン様の腹の中』とか、漫画家の病気体験記とか楽しく読ませてもらっていた。
そこで虚構新聞を見るたびに広告が出て気になっていた『無能の鷹』のリンクをクリックしてAmazonで買ってみた。
めっちゃおもろいやんけ。美人で身のこなしもさまになっていて如何にも仕事が出来そうな女性社員が実はポンコツで仕事も出来ず仕事の話も出来ずに話にならない。
でもその天然ボケなのに威厳がある立ち振る舞いによってポジティブに勘違いされ組織としての仕事はうまい方に転がるって話だ。
次に以前かなり人気があったブログ「デマこい」の作者が描いたという『女騎士、経理になる。』を注文した。
これ読もうと決意して6年以上経ってるわ。
これも最高に面白かった。昔ネトゲしてた頃、中世ヨーロッパやファンタジーの文脈を勉強していたので話の勘所が判って大変に面白い。
ファンタジーで舞台はどっかの港町なのだが、これは中世~近世を調べた事があればモデルはイタリアの都市国家、フィレンツェ、ジェノバ、ベニスなどと判る。この頃複式簿記が普及し、同時に紙と株式会社、持株会社という資本主義の原型が出来た。そこら辺の歴史(会計史)を教養主義の外連味なくプロットにしている。
同時に度々複式簿記の実践が挿しはさまれるという流れだ。これ青色申告で簿記の勉強してる時に読みたかったぞ。
そんな風にマンガ熱に浮かれだした増田は街の本屋に出かけたのだ。
まず、『無能の鷹』と『女騎士、経理になる。』の続巻がどこにあるのかが判らない。また、ネットでちょっと読んで名前を知っているような本も全く見つからない。
探しているうちにすっかり疲れて何も買わずに店を出てしまった。
次に小さめのブックオフに行ってみた。
すると女戦士の方は見つかった。しかしそれ以外は見つからない。
家に帰ってから考えるに、どうも店が大きいと見つからないが小さいと限定的に見つかるという事のようだ。
それは察するに総当たりで探しているからでは?
という事で次は棚の並びの特徴を捉えることを目標にしてみた。
すると、ダーッと並ぶ棚は集英社や講談社の大出版社の単行本が並び、それが一番の売れ線らしいという事が判った。
そして自分が探しているようなマンガはマイナー、ロングテールに属するものになり、それらは端っこや奥の方に追いやられて陳列されているのだと。
でも待てよ?奥付を見ると『無能の鷹』は講談社刊だ。なんで講談社のところにないのか…。
考えながら棚を観察するとマンガ雑誌の連載の有無で場所が決まっているらしいという事に気が付いた。講談社刊であっても連載物じゃない作品は中小出版社のものと同じ扱いを受けるようだ。世知辛い。
ここまで到達するのに2週間程度を要した。
しかし未だ解明されていないのが、漫画家の病気ルポみたいな実録マンガがどこにあるか?だ。
本屋のマンガコーナーをぐるぐる回り続ける増田氏はやがて棚の下の方に「大判本」というジャンルを見つけた。
普通の単行本より一回り大きいので、高さが違う棚に入っている。
そして下の方にあるという事は売れ行きは良くないという事であろう。本屋によってはこの大判本は柱の影の凹みなどに棚があったりする。
更に気が付いたのは、連載物は巻数が多く、新刊が出てる限りは現役で、棚を占拠し続ける。
だが実録系は単発なので売り切りなのだ。元がマイナーで発行部数が少ない上に、配本があった時しか棚刺しされない。
それが売れたらそれっきりなので本屋で買うのは結構難しいらしい、という事に気が付いた。
ネットで見るとフラットに見えてしまうが実店舗ではヒエラルキーがある。増田が好むのは下層に近い。実録系に至っては一期一会で、偶然見つけた時に確保せねばもう出会いはないのだ。
ここまでに至るのに1ヶ月くらい掛かっている。
最初の右も左も分からずすごすごと敗退した時に比べたら大分成長したが、それでも未だに不如意な感覚はする。
東京に出てきて「中央線の黄色じゃなくてオレンジの電車に乗ればいいんだ」と覚えていたら深夜早朝に黄色電車が無くなって混乱みたいな事が良く起きる。
マンガを買う層と買わない層の間には結構深い溝があり、マンガの売り場は購買スキルがある人間に最適化されていると思われる。
シャバに出てもスーパーでの買い物が出来ずに他の客が買ったものを大量にかごに入れてるニキータになった気分である。
というのも、かなりの速読なので半日で10冊近く読んでしまうのだ。買う時に苦労するものを半日で10冊も減らしてしまうなど勿体なくて気軽に読めない。無くなったら「どのマンガが面白いのか」という新しいミッションエイムに立ち向かう事になるのだ。
Permalink |記事への反応(15) | 18:22
半日で10冊って遅めでは
速くはない。
Amazonで買えよ 続刊を書店で探す必要ないだろ それに、ジャンル検索なら「漫画家 病気ルポ」で調べてそのままネットで買えよ
そんなにウロウロ歩き回らなきゃいけないクラスの大型本屋なら検索機あるんじゃないのか?
店員さんに聞きなよ
電車のくだりを鑑みるになんらかのアレでは……
わかるーーーーーー!!!!! ネットでバズってるからさすがにあるやろとおもった漫画、軒並み「ない」んよ やっぱりスマホがもてないつかえない層(子供とその親、および老人)の...
マイナーなもの探すなら大人しく店員に聞け 入荷してませんねー、と言われる可能性あるのに本棚を隅から隅までチェックしてくのは不毛だ
古本屋ユーザーは漫画ファンを名乗る資格なし これ豆知識な
なぜみんな在庫の確認をしたいときにバイト店員に声をかけて頼むのを嫌がるんだぜ? 元増田だけじゃなくて、妻とかもそう。 すげー困ってウロウロしてる。
でもお前、ワイが「なんか面白い漫画ありますかね?」って声かけたら面倒くさそうな顔するよね?
ユニクロでオーダーメイドを作ろうとすんな
ユニクロ店員に「なんか似合いそうな服ありますかね」って声かけたら、適当に紹介してくれるぞ それでワイにチェックの柄シャツおすすめしてきたのは、お前他意があるだろ!ってな...
バイトって大体仕事してるように見えるので邪魔しちゃ悪いかなと
接客対応も仕事だから構わんよ!
在庫検索機があるから 「在庫あり」となってるのに棚に無かったら店員に声かけて探してもらうけど
在庫の確認してもらったら、買わないと仕方ない心情になるじゃない?日本人的に。 なぜみんな在庫の確認をしたいときにバイト店員に声をかけて頼むのを嫌がるんだぜ? 元...
そこまで行くと社交性を著しく欠いた人間か何かだと思ってしまう。 小学校や中学校という義務教育で「集団生活」や「社会性」といった要素を育むことを放棄でもしたのかな。 である...
でもマンガは本屋で取り扱ってるものだと分かってるから店員に聞けば済む。大きめの書店だと検索機があってコミュ障にも優しい。 あと最近、ネットで注文して書店で受け取れる、紙...
大きな書店では在庫検索機があるので使ってみるといいよ
翌日朝までスルーされてるけど
書店に電話で聞けよ。「この本を買いたいです。在庫ありますか」って。1分で終わるやろ?
漫画じゃなくて本全般これやな
生きるの大変そうだな がんば!