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2021-12-31

貴社のテレワークに最適なVDI代替の選定ガイド

VDI(仮想デスクトップ代替ソリューションの分類や、それぞれの仕組み、検討ポイントなどを解説する本連

載「テレワーク時代Web 分離入門」。 第1 回、第2 回でテレワークWeb 分離の方式の特徴を解説しました。

最終回となる今回は、方式レベルでの選定方法を紹介します。

今回のゴール

用途観点で各方式を分類すると下図のようになりますが、どんな組織にも共通する「おススメの方式」はあ

りません。

(出典:ネットワンシステムズ

今回は、読者の皆さんが自組織マッチする方式を選定できる状態をゴールとして、「結局、 どれを選べばいい

のか」という疑問に回答します。

フローチャートで分かる、

貴社のテレワークに最適なVDI代替の選定ガイド

VDI代替ソリューションの分類や、それぞれの仕組み、検討ポイントなどを解説する連載。最

終回は、VDI代替ソリューション方式選定における 4つのポイント解説して、各方式を比

します。

(2021 年03 月04 日)

26 →目次に戻る

4つのポイント

これまで多くのユーザーと会話してきた経験から、おおよそのケースで次の4つのポイント論点が集約されます

1.ブラウザだけで業務が完結するかどうか

2.データを処理するマシンローカルマシン大丈夫かどうか

3.データを処理するマシン物理PC大丈夫かどうか

4. 実行環境が分離されている必要があるかどうか

これらを基に、方式選定に使えるフローチャートを作ってみました。

(出典:ネットワンシステムズ

ポイント 1】ブラウザだけで業務が完結するかどうか

ブラウジングだけを安全に実行できればよいのか、それともブラウザ以外のアプリ安全に利用させたいのか」

という業務特性に関わる要件です。

テレワーク用途では、前者でよければセキュアブラウザ方式に、後者でよければそれ以外の方式にふるい分け

できますWeb 分離用途では、前者が仮想ブラウザ方式後者がそれ以外の方式となります

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ポイント 2】データを処理するマシンローカルマシン大丈夫かどうか

次に、「情報漏えい対策をどこまで強固なものにしたいか」という観点での要件です。

プログラムの実行環境が手元のPC となる場合データも手元のPC に保存されます。つまり、手元のPC

まれ場合、保存されているデータも盗まれしまます

ディスク暗号化している、生体認証有効にしている、だから大丈夫」と言い切れるならいいかもしれません

が、「技術進歩によって将来的に突破されるかもしれない」といった懸念払拭(ふっしょく)できない場合、仮

デスクトップ方式リモートデスクトップ方式のように、遠隔にあるマシン上で作業できる仕組みを導入する必

要があります

その一方、将来の懸念よりも、例えばコストなど別の部分を重視したい場合は、会社PC 持ち帰り方式VPN

方式)やアプリラッピング方式マッチするでしょう。

なお一般的に、リモートデスクトップ方式VPN方式テレワーク用途のみで導入されますが、仮想デスクトッ

方式アプリラッピング方式は、テレワークWeb 分離、どちらの用途にも利用できます

ポイント 3】データを処理するマシン物理PC大丈夫かどうか

ポイント 2】で「遠隔にあるマシン上で作業させたい」となった場合は、3 番目の検討事項として、業務継続

性を考えるとよいでしょう。

リモートデスクトップ方式場合、社内の自席にPC物理的に存在することが前提です。そのため、自席PC

故障したときに「何もできない」状況になります

一方、仮想デスクトップ方式場合マシン仮想化されており、多くの環境において仮想マシン動作してい

サーバ群はn+1 などの方式冗長化されています。そのため、非常に強い障害耐性があります

障害耐性を高めたい場合は、仮想デスクトップ方式ベストです。業務が停止するなどのリスク運用でカバー

できる場合は、リモートデスクトップ方式を選ぶことになるでしょう。

28 →目次に戻る

ポイント 4】実行環境が分離されている必要があるかどうか

ポイント 2】で「手元のマシン上で作業させてもOK」となった場合、3 番目の検討事項として、再度情報

えい対策について考えます。【ポイント 2】では、PC ごとデータが盗まれしまった場合を想定しましたが、ここ

ではプログラムの実行そのものに対するリスク検討します。

手元のPCプログラムを実行するということは、つまり「端末の脆弱(ぜいじゃく)性を突いたゼロデイ攻撃

を受けるリスク存在する」ことです。脆弱性を突いた攻撃を受けると、多くの場合情報を抜き取られてしま

ます

従って、例えばVPN方式を導入する場合、「EDR(Endpoint Detection andResponse)で脆弱攻撃

策を実装する」「端末のロックダウン化によってデータを保存させない」「実行できるプログラム制限する」「屋

外の公衆Wi-Fi を利用できないように制限する」「多要素認証を導入する」などの対策を併せて導入する必要

あります

このような徹底した対策継続して運用できる組織に限ってはVPN方式有効選択肢ですが、筆者としては

安易VPN方式の導入を推奨することはできません。

VPN方式安価かつ容易に導入できるので、昨今のテレワーク需要高まる状況では、多くの組織上記のよ

うな徹底した対策を取らずに導入してしまったと思います。取 り急ぎの暫定処置としてVPN方式を導入してしま

場合は、これを機に腰を据えて見直してみてはいかがでしょうか。

• 参考リンク日本経済新聞「在宅時代落とし穴国内38 社がVPN不正接続被害

また、国内に限った話ではありませんが、Verizon Communications のレポートによると、やはりVPN トラ

フィックが増加傾向にあるようです。VPN方式の普及に伴って、悪意ある攻撃者による被害数も増加すると思い

ます

• 参考リンク:Verizon Communications「VerizonNetwork Report」

29 →目次に戻る

それぞれの方式比較

ここまで、要件ベースとした考え方を記載しました。選定すべき方式が大まかに見えてきたところで、ここか

らはそれぞれの方式を横に並べて、共通の項目に沿って比較します。

この比較によって、方式選定の次のステップとなる製品選定において「見落としがちな落とし穴を見つけて対策

を考える」といった検討を具体的に進めることができると思います

以降の表の見方説明しておきます。緑塗りのセルポジティブな内容、赤塗りのセルネガティブな内容、黄

塗りのセルはどちらともいえない内容です。また、それぞれの表の下部には、主に赤塗りのセルに関する特記事項

記載しています

なお単純に、緑塗りセルの多い方式が優れているわけではありません。対象業務の内容やコスト運用体制、セ

キュリティ業務継続性など、いろいろな観点からトレードオフ方式を選定することになります

できる作業

(出典:ネットワンシステムズ

仮想ブラウザ方式とセキュアブラウザ方式では、例えばファイルサーバ操作といった、ブラウザ以外のアプリ

は使えません。多くの場合Windows統合認証などWindows依存する機能も利用でません。

また、印刷に関しても確認必要です。製品ごとにサポート内容に差が出るポイントなので、方式選定の次の

ステップとなる製品選定の段階で確認した方がよいでしょう。

30 →目次に戻る

コスト

(出典:ネットワンシステムズ

会社PC 持ち帰り方式VPN方式)とリモートデスクトップ方式は、端末のアップデート故障時の交換など、

端末台数が増えるに従って、それに対応できる人員数を確保する必要があるので、運用コストが増大する傾向に

あります

その半面、仮想デスクトップ方式は初期コストが高額ですが、メンテナンス対象マスターOS のみであり、仮

マシンを一気に展開できるので、運用員の集約化が可能です。

VDI の運用ナレッジ豊富SIer に依頼することで、作業内容の質を落とさずにコスト圧縮できる効果が期

待されます

運用

(出典:ネットワンシステムズ

仮想ブラウザ方式アプリラッピング方式、セキュアブラウザ方式は、「Web ページが正常に表示されるかどう

か」などの動作確認を、あらかじめ実環境実施しておく必要があります。この動作確認は、運用フェーズにおい

ても継続する必要があります

また、特に仮想ブラウザ方式は、「ブラウザタブを開き過ぎるとサーバ基盤の負荷が高騰してWeb ページの閲

覧速度が急激に低下する」といったサイジング関連のトラブルが発生しやすくなります

31 →目次に戻る

セキュリティ

(出典:ネットワンシステムズ

マルウェア対策については、会社PC 持ち帰り方式VPN方式)やリモートデスクトップ方式仮想デスクトッ

方式は、EDRアンチウイルスソフトの導入などが別途必要です。一方、仮想ブラウザ方式アプリラッピン

方式、セキュアブラウザ方式は、「 利用終了後に環境ごとデータを削除する」「exe形式ファイルの実行を禁

止する」などの機能を標準で実装しています

重要情報の盗聴については、リモートデスクトップ方式仮想デスクトップ方式仮想ブラウザ方式(画面転送

型)は、画面転送型なので、暗号化通信が仮に復号されたとしても、実データが盗聴されることはないという強

みがあります

最後に、不正アクセスについては、多要素認証システムと組み合わせるなどの対策がどの方式でも必要です。

ログインに関わる操作が増えることで利便性は低下しますが、昨今の状況を鑑みると、多要素認証の導入は必須

といえます

おわりに

これで 3 回にわたる連載は終了です。いかがだったでしょうか。

セキュリティ利便性トレードオフ関係にありますが、筆者は「仮想デスクトップ方式」と「仮想ブラウザ

方式」がバランスの良い方式だと思います

仮想デスクトップ方式仮想ブラウザ方式は、「 導入によってセキュリティレベルを大きく低下させることはな

い」という点が最大のポイントです。その上で、仮想デスクトップ方式には「従来のクライアントOS と同じよう

に利用できる」という汎用(はんよう)性の高さがあり、これが他の方式より優位な点となっています。一方、仮

ブラウザ方式は、用途限定されるものの、ユーザーにとっては利便性が高く、初期コスト観点では仮想デス

トップよりも導入しやすいので、Web 分離の第一候補になってくると考えます

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