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こんな気持ちでいられたら

ロートル病理医。地味な医者ですが、縁の下の力持ちでいられることに誇りを持っています。

サンドウィッチマンの”病院ラジオ”


 おととい、NHKテレビのサンドウィッチマンの”病院ラジオ”という番組を観た。
 国立高度先進医療研究センターを訪問して、患者さんにインタビューし、さらにその家族、担当医などにもインタビューする。これまで私が観たのは、国立循環器病研究センターと成育医療研究センターで、今回はがん研究センター。たまたまだけど、3度とも観たことになる。実際のところは、妻が観るのを一緒に観たというところだが。
 インタビューされる患者さんはナショナルセンターに来るだけのこともあり、希少な難病の人が多い。
サンドウィッチマン二人の、秀逸なインタビュー姿勢が際立つ心温まる番組。もちろん、番組のねらいも患者さんに寄り添って優しい。観ていて辛くなるし、これまで自分が行ってきた病理診断が、この人たちと同じような病気と闘っている人の運命に関わっているかと考えると、責任の重さをひしひしと感じる。
 ダイバーシティが急速に意識されるようになり、病気を抱えながら生きている人への意識も高まってきた。この前の参議院選挙でも、重度の障害のある人が当選した。
こういう時代を迎えると、”病気”とか”障害”という言葉自体意味を持たなくなってきているのではないかと思う。
 人間の寿命が限界まで延びてきて、多くの人が認知症になるようになって、誰もが病を得て障害を抱えることになった。
 だから、誰かが誰かの病気とか不自由なことをけなしたり、意地悪したりできなくなってきた。明日は我が身、ということを嫌でも実感してきている。
 高齢者は車の運転ができなくなるのは当たり前のことなのだ。

 おとといのNHKでは、深夜に清原果耶主演の”透明なゆりかご”の再放送もやっていた。周産期医療の光と影を見事に描いていて、これもまた見ごたえのある医療ドラマだ。
 話は変わるが、受信料を払っているものとしてはこういった秀作ドラマを製作するNHKには満足している。このような、さりげなくダイバーシティをアピールする番組を作るのがNHKは上手だと思う。スクランブル放送にしてしまうと、このような番組に触れることのできる人が減ってしまうのではないかと心配になる。

サンド、すごい

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