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こんな気持ちでいられたら

ロートル病理医。地味な医者ですが、縁の下の力持ちでいられることに誇りを持っています。

病理解剖診断書

病理解剖(剖検)の診断書を書き上げると、ある種の達成感が得られる。
もちろん、よほどの診断難渋例は除いての話ではあるが。

剖検に関する記録は、まず、直後に書く、「肉眼所見のまとめ」もしくは「肉眼所見診断」といった、中間報告がある。

これで、剖検を終わらせたような気になってはいけない。

次に、見たい場所を標本にする「切り出し」という作業がある。この”見たい場所”を探すことで、もう一度肉眼的に観察することになる。この辺で、「中間報告」を出す。

そんなこんなで、最終的には標本をみて、最終報告まで仕上げるわけだが、この、仕上げる作業、思いのほか大変。楽なら病理医なんて不要である。
そして、その最終報告。すなわち、患者さんが一生のうちに体に刻み込んできたいろいろなものをまとめあげるということをする。

それもこれも、昨日、一例(私なりに)難しい症例をまとめあげることができてのこと。

剖検の報告書を一例作製すると、病理医として、数歩、前に進めたような気がする。
教科書をひっくり返すところから始まり、論文を読み、専門家にも相談する。
そうして、病理医は進歩するし、このことこそが病理医のモチベーションの向上につながる。

今日のところは、まったくの病理医のひとりごと。でした。

とはいえ、今日も一例新しい症例を解剖させていただいた。

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