暗号資産のオンチェーン分析を手掛けるCryptoQuantの最新レポートによると、直近6週間で短期保有者（STH）がパニック売りに走り、合計1億ドル以上の損失を被ったことが明らかになりました。
特に、直近1～3ヶ月でビットコイン（BTC）を購入した投資家たちにとって、今回の相場調整は大きな痛手となっています。
短期保有者が抱える損失
CryptoQuantの分析によれば、多くの短期保有者は高値掴みのまま市場に参入しており、価格がピークから下落する中で売却を余儀なくされています。
レポートでは、これらの投資家の保有資産の市場価値が、購入時の価格と比較して大幅に下回っており、「実現キャップ」が「時価総額」を上回る状態となっていると指摘されています。
これは、投資家が売却によって損失を確定していることを意味しています。
マーケットキャップと実現キャップのギャップ
今回のレポートでは、ビットコインの市場全体の時価総額と、各投資家がビットコインを最後に移動させた際の価格（実現キャップ）を比較することで、短期保有者の損失状況を浮き彫りにしています。
実現キャップの大幅な低下は、投資家が損切りを行い、売りが加速している証拠と捉えられます。また、Net Unrealized Profit/Loss (NUPL)スコアが-0.19まで低下していることから、過去1年の中で最も多くのビットコインが含み損状態にあると報告されています。
大口保有者と今後の相場展望
一方で、大量のビットコインを保有する大口投資家は、短期的な価格変動に動じず、市場調整局面を買いのチャンスと捉えているようです。彼らは、約8万ドル前後の水準でビットコインの積み増しを進める動きが見られます。
さらに、オンチェーン分析会社Glassnodeも、1月に過去最高値であった10万9000ドルで購入した投資家が、価格下落に伴いパニック売りを行っているとの報告を発表。
Glassnodeは、売り圧力が継続すればビットコインの価格が7万ドルまで下落する可能性を指摘しており、短期保有者は7万1300ドルから9万1900ドルの間で深刻な含み損を抱えていると分析しています。
最後に
今回のレポートは、ビットコイン市場における短期投資家の脆弱性と、パニック売りによる市場の下押し圧力の現状を如実に示しています。
投資家にとっては、急激な価格変動に対するリスク管理の重要性が改めて浮き彫りとなる結果となりました。
今後、パニック売りが続くのか、また大口投資家による買い支えが市場の底堅さを維持できるのか、引き続き注視する必要があります。
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