3月12日:豪シドニーのホーダーン・パビリオンで行われた WBAインターナショナル・スーパーウェルター級王座決定戦、元WBAスーパー&WBCウェルター級王者 キース・サーマン(36=米:30勝22KO1敗1NC)vs ブロック・ジャービス(27=豪:22勝20KO1敗)。
22年2月に現WBCウェルター級王者 マリオ・バリオス(米)に判定勝ちして以来、長らくリングから遠ざかっているサーマンは、それ以来となる3年1ヶ月ぶりの復帰戦。
一方のジャービスは22年10月にのちのIBFスーパーライト級王者=前王者 リアム・パロ(豪)に初回KO負けで初黒星、再起後は年1試合ペースながら2戦2KO勝ちで、昨年12月にエイドリアンロドリゲス(豪)を 4ラウンドTKOして以来のリング。
結果は サーマンが 3ラウンド 2:19 TKO勝ち。
試合当日の昨夜から今朝にかけて動画サイトをサーッとあたってみたもののフルラウンドの映像は見つからず、ハイライトよりはだいぶ長いダイジェスト的なのを視聴しただけにつき、完全に観た訳ではないんですが…
内容的には、殆どサーマンの圧勝だった感じ。
初回、サーマンが右オーバーハンドのオープニング・ヒットを決めた後、体格で勝るジャービスが圧し込んでパンチをまとめるも元王者は落ち着いて対処、2ラウンドはサーマンがサークリングして動きつつ時おり仕掛けて牽制し、オーストラリア人は相手が来ない時に前に出、来られれば下がる格好。
3ラウンド、残り1分ちょっとのところでサーマンの右フック、これ一発で効いてしまったジャービスは動きが止まり、すかさず元王者は間髪置かずに追撃、右左右のフック連打から左アッパーを突き上げると、腰が砕けたジャービスは背中からダウン。
カウント9で辛くも立ったジャービスに、再開後サーマンが一気に詰め寄り右フック→ 右アッパーからの左フックを炸裂、再びジャービスが仰向けに倒れ込むとレフェリーがノーカウントで止めて試合終了。
実力差が大きく、サーマンの復調ぶりをチェックする前に終わってしまってジャービスの戦績倒れな印象ばかりが残った感じでしたが…
一先ず復帰戦に圧勝し、多少の錆落としくらいにはなったのかな~、と。
サーマンは昨年3月に当時のWBOスーパーウェルター級王者 ティム・チュー(豪)への挑戦が決まっていたところが、試合11日前に大腿二頭筋を負傷して出場をキャンセル。
[ 試合は、サーマンのピンチヒッターでチューに挑んだセバスチャン “タワーリング・インフェルノ” フンドラ(米)が判定勝ちでタイトルを奪取 ]
次戦はチューとの再マッチアップを予定しているようで、復調の度合いを見極めるのはその一戦に持ち越しとなった形。
既に36歳、このところは怪我続きで22年2月のバリオス戦の前戦は19年7月のマニー・パッキャオ(比)に判定負けした一戦と、戦力状態や衰えの進行の程度を推測するのは難しく…
次戦はもしチューに決まらなかったとしても、ジャービスのようなローカルファイターではなく一定レベル以上の相手との対戦を期待したいところ。
一方、元世界4階級制覇 ジェフ・フェネク(豪)氏の娘婿でその指導を受けているというジャービスは、力の差を見せつけられての完敗。
試合の発表会見でサーマンに “カンガルー” と罵られ、 “老人” とやり返したながらも、肝心の試合はサーマンが来ない時に前に出て攻める姿勢を示すのがやっとで、少なくとも世界戦線に上がって来ることはなさそう。
戦績からしてパンチはそれなりにあるんでしょうけど、パロ戦に続きまたも打たれ脆さも露呈し、これから先は国内の中堅としてやって行くことになるんじゃないかな、と思いました。