設立総会。超地味なRuby Associationとは違って、この設立総会は立派なものだ。福岡県知事も来たりするし。出席者も300人以上いたんじゃないかな。
で、「Rubyの未来」と題した講演を行う。まあ、これまでの技術的動向の変化の方向と現在のRubyの立ち位置から、Rubyの未来を(無責任に)予想するというような内容。
しかし、こんなに多くの人がRubyに注目してもらえるというのは、ありがたいことでもあり、はずかしいことでもあり。
本物の「Rubyバブル」が来ていることを実感する。今はイメージ先行で中身の薄い風船に、これからは中身を詰めていかねばならない。
その後、懇親会ではいろいろな人と挨拶する。昨年12月のイベントでは名刺が尽きて申し訳ない思いをしたので、今回はかなり多めに名刺を持参したのだが、やはり途中でなくなってしまった。
NaClのだけでなく、楽天フェロー名刺までなくなるとは予想外だ。福岡の人は名刺交換が好きだとか。
いずれにしても、次回があれば今回以上に名刺を持参しようと思う。
二次会では胴上げされた。長いこと生きてたけど胴上げされたのは初めてだ。普段接することのない体育会的ノリに新鮮な驚き。
Railsが世に出てちょうど3年、という話。たった3年なのか。
Railsは世界を変えてしまった。特に私の周りの世界を。
もうちょっと地味に行くつもりだったんだけど、冷静に思い返してみれば、私以外の人にとっては、今の方が幸せな世界ではないかと思う。Railsが呼び水になって、動的言語(やLispっぽい言語)の認知度が高まっているし、技術者の幸せをともなう生産性の高さが「普通の人たち」の間で語られるというのはソフトウェア業界はじまって以来のことではないだろうか。
これからも世界は変わりつづける。その中心に近いところに居られたら、と願う。
「世界に“コンピュータ”は5つあれば足りる」というのは、IBMのワトソンが語ったとされる有名な言葉だが、実は本当にワトソンがそのように行ったと言う証拠はないそうだ。
で、その時とは違う文脈で「5つあれば足りる」という話。
つまり、少数の「コンピューティングファーム」が計算能力を提供し、普通の人は「端末」からそのパワーを利用するという中央集権モデルが現実になりつつある。
これまでの「分散」の流れはなんだったの、という気にもさせるモデルだが、コンピューティングの歴史では集中と分散は振り子のように繰り返しているので、これからしばらく(Webのおかげで)集中に振れそうだ、という予測なのだろう。
おそらく、その次はデータセンターのサイズや電力などの物理的限界とP2Pのような技術によって分散に振れるんじゃないかなあ。