(CNN) 米宇宙企業のファイアフライ・エアロスペースが、無人月着陸船「ブルーゴースト」の搭載カメラでとらえた着陸の瞬間の映像を公開した。同社は2日、民間企業として2番目の月面着陸を成功させていた。
ファイアフライによると、ブルーゴーストから大量のデータや画像を送信できるXバンドアンテナの展開に成功した後、月に着陸する際に撮影された映像が送られてきた。
映像にはブルーゴーストが月の赤道の北に位置する月面の盆地「マーレ・クリシウム」に向けて着実に降下し、4本の脚で真っすぐ降り立つ様子が映っている。
着陸地点は月の表側の極東にある太古の火山「ラトレイユ山」付近。月が夜に入るまで約2週間、月面を調査する。夜に入ると着陸地点は気温が急激に下がって闇に包まれ、主に太陽電池で稼働するブルーゴーストの活動継続はほぼ不可能になる。
ただ、太陽光がなくても5時間以上稼働できるバッテリーを搭載していることから、闇の中でもしばらくの間は活動継続を試みる。
今回のミッションを支援している米航空宇宙局(NASA)は4日、ブルーゴーストに搭載されているNASAの計器など10基は全て正常に作動し続けていると発表した。
既にデータの収集を開始した計器もある。着陸で舞い上がった月の粉塵(ふんじん)から電流を使って着陸船の船体を守るEDSという装置もその一つ。20世紀半ばのNASAのアポロ計画では、カメラのレンズやバイザーが粉塵で傷つくことが悩みの種だった。
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