読者の方は、Flashを使った複雑なアニメーションの制作をどのように行っているのでしょうか。ActionScriptコードを勉強して一から制作していますか? そんな人にこそ知っておいてほしいことがあります。実は、オープンソースの「ActionScriptライブラリ」を使うと、無料で簡単に複雑な機能・動きが実現できるのです。
ActionScriptライブラリとは、一言でいうと、「みんなが使えるように公開されているActionScriptコード」のことです。
イマイチピンと来ませんか? そんな人でも、「Tweener」「Papervision3D」「Box2DFlashAS3」といった名前は聞いたことがある人が多いと思います。これらがまさに、ActionScriptライブラリで、それぞれ「アニメーション」「3D」「物理演算」機能を、みんなが使いやすいような形で公開しているものです。
ActionScriptライブラリを使うとうれしいことは、大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、面倒だったことが簡単になるということ。例えば、ムービークリップをいい感じに移動させるアニメーションを作りたい場合に、自分1人でActionScriptのコードを書くと、それだけで何十行にもなります。しかし、Tweenerを使ってコードを書くと、同じ動きを1行で実現できてしまいます。
そして2つ目は、できなかったことができるようになるということです。例えば、3Dや物理演算は、ちょっとやそっとの知識やコード量でできるものではありません。それが、Papervision3DやBox2DFlashAS3を使うと、それほど数学的知識がなくても、難しいところはこれらのライブラリにお任せで、3Dや物理演算ができてしまいます。
本稿では、そんな魅力あふれるActionScriptライブラリの使い方やオープンソースのActionScriptライブラリを数多く扱う「Spark project」などを紹介します。
なお、ActionScriptライブラリは、ある程度ActionScriptの基礎知識がないと使えないので、「まったくActionScriptが何か知らない!」という方は、下記記事を参照しておいてください。
| 今回は一般的にもおなじみの技術であるFlashの利点や欠点、作り方、中核技術であるActionScript、歴史などについて解説 | ||
では、もう少し具体的に、「ActionScriptライブラリを使うと何がどう便利になるのか」を見ていきましょう。今回は、アナログ時計が簡単に作れることでおなじみの、「TeraClock」を使います。
TeraClockのソースコードは、以下のURLから取得できます。ActionScriptライブラリを使ううえでまずやるべきことは、そのActionScriptライブラリのソースコードを入手することです。ソースコードがなければ使えませんからね。というわけで、TeraClock.zipをダウンロードしましょう
ダウンロードが完了したら、時計制作用のflaファイルを新規作成して保存し、保存した場所と同じ場所に、TeraClock.zipを解凍しましょう。
解凍すると、「com」というディレクトリ(フォルダ)が作成され、さらに中には、「trick7」ディレクトリ、「utils」ディレクトリ、「TeraClock.as」ファイルが作成されます。これが、このActionScriptライブラリの本体です。
今回は1つの.asファイルのみですが、ActionScriptライブラリによっては、たくさんの.asファイルによって構成されているものもあります。このように、ダウンロードしたソースコードを、自分が使いたい場所に置くことによって、ActionScriptライブラリを使う準備が完了します。
さて、今回はアナログ時計を作ろうと思うので、まずは素材となるムービークリップを作成します。
長針、短針、秒針の絵を描き、それぞれムービークリップにします。このとき中心点は、下にそろえておきます。作成した3つのムービークリップをステージに配置し、それぞれ「hoursClip」「minutesClip」「secondsClip」と名前を付けておきます。
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実際には、すべてのクリップの中心点をそろえておきます。0:00のときの時計っぽいですね。
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Flash制作を簡単にするActionScriptライブラリとは? | ||
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