昨日の朝カル「ブログ論」の講演、お陰様で盛況のうちに終了しましたが、言い残したことがありましたので、忘れないうちにメモしておきます。
「たけくまメモ」の文体についてなんですが、当ブログの「です・ます調」は、もちろん意識的にやっております。理由は、以下の3点です。
(1)話し言葉に一番近い
ブログに最も適した文体は、可能な限り話し言葉に近い口語体が適当だろうと俺は考えてます。ブログは、不特定多数を相手にしたマス・メディアの側面がありながら、読者との距離が近い感覚があります。その意味ではラジオの深夜放送のようなもので、できるだけ普通の、身近に感じる書き方をする必要があるのではないかと。普通の会話で「で・ある調」で話す人間はまずいませんので、より自然な「です・ます調」にしておるわけです。まあ、さらに親しい人には、「~じゃんか」とか、もっとくだけた口調も現実には使いますが、不特定多数を相手にする以上、よほどの芸がなければ避けたほうが無難でしょう。
(2)個人的に書きやすい
これも(1)に関連するのですが、隣の人に話しかけるように書けますので、個人的には非常に書きやすいということがあります。俺はもともとオシャベリであるせいか、文章を書くより、しゃべるほうが得意なのです。頭の中では、常に誰かに話しかけるかたちで空想をめぐらせるクセがありますので、「で・ある」のような断定調の文章を書く場合、頭の中で言葉を一度変換する必要があるのです。「です・ます調」のほうが、数倍は早く書けるような実感が正直、あります。
(3)偉そうな文章は場が荒れやすい
過去のネット文章を読んできた経験から、偉そうな文章で書くことは、そのこと自体で他人の反感を買うリスクが高くなると思うわけです。実際に、ですます調は場(コメント欄など)が荒れにくい感じがします。ただし、何かの論を展開する場合には、断定口調のほうが論旨が強く印象づけられる効能はあります。ですます調だと、そこがややぼやける感じがする。他人に対して批判的なことを書く場合も「ですます」はふさわしくありません(慇懃無礼な感じを与えて、よけい荒れる原因にもなりかねない)。
とくに(3)のリスクをある程度カバーするために、俺はもうひとつ工夫をしております。それは他でもない、「俺」という一人称を使用していることなんですが。
「俺」と「ですます」の併用は、日本語として普通は混在させない文章なのですけれども、ここでは意識的なスタイルとして採用しております。つまり、「ですます」調の、ともすれば優柔不断に陥りがちな弱さを、「俺」という偉そうな一人称で相殺したいと思っているわけです。また、これを意図的にやることによって、文章にある種の「ひっかかり」が生まれればいいと考えておる次第です。
ただし、文章のテーマによっては、「断定調」が優れている場合も当然ありますので、今後は、うまく使い分けていきたいなと考えております。
>真っ盛りの時点で、
>たけくまメモを読む。
同じく(笑)。
「ですます」の方はなんとなくわかりますが、
「俺」の方は、印象に残ってないですね。
(そこがポイントなのか?)
投稿: naga | 2006/06/05 00:39
>>秋田の事件報道
今回の犯人(?)は女性でしたね((((゜Д゜))))
>>文体
よく、ジャーナリストが新聞と同じ論調(文体)でブログに書きつけたために、思わぬ反駁を受けている記事を見かけますね(汗)
逆に、中の人がキャラになりきって演じているものが快く受け入れられたりするのがネットの文体の特徴と言えるのかもしれません。
まあ、たけくまさんにはそれ以前からキャラが固まってるので「俺~です」調もイデ(当然)の選択でしょうかw
キャラ文体の有無がプロと素人を分かつ線なら・・・上の文章を見てわかるとおり、ボクの慇懃カキコは素人のお手本みたいなものでしょうか Orz
投稿:情苦 | 2006/06/05 02:25
俺の多用で漢感を出しすぎて、兄貴度が急上昇したこともありましたね。
俺とデスマス調は、
「俺」でツンして「ですよ」「ちゃいます」で少しデレるネットアイドルであるたけくま様流ツンデレ。
ああ、ヨン様。
「な、なによ。 たまたま似ちゃっただけで、あなたの作品を意識したわけじゃないんだからね!」
日本語は主語を使わなくて良いので、
です・ます調、ある・である調、ですよ調、おるのです調、ヒロユキ型ますです調が頻繁に入れ替わるの方がたまに気になりますね。
アクセントというより、「イタコ」の憑依人格が細かく入れ替わる感じで。
で、ラジオ聞くと「俺は、なのよ、なわけよ」と訳知り業界人調で、ぬいぐるみのクマから斜に構えたオッサンが出てきてタバコふかしてるようなギャップを・・。
文体というのは憑依人格なわけでして。
ぶりっ子という言葉も昔ありましたね・・・
気持ちツンデレのたけくまメモ。
投稿: ぼぼ | 2006/06/05 12:54
おもしろい!
文体というのは、キャラクターの設定でもあるのでしょうが、
人称「俺」においては
「発信者(作家)としての表明」
語尾「です・ます」においては
「編集者(司会者)としての、公の場を意識した口調」
を示す事が出来ていると思います。
コメント欄においての「僕」への切り替えは、
より柔らかいキャラクターに「降りる」事で
参加者と対話を意識し、促進する効果
があると思われます。
コメント欄というのは、芝居における
「客席」に相当すると思われるのですが、
その公共性というのは
「舞台」に相当するエントリに対して、
上であるのか下であるのか?
私としてはやはり、一つ下がったところにある、と思っております。
投稿: めたろう | 2006/06/05 12:57
この記事へのコメントは終了しました。
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | 31 |
竹熊 健太郎: 20世紀少年探偵団 (ビッグコミックススペシャル)
『20世紀少年』に登場する「70年代的なるもの」について、ケンヂと同い年の竹熊が書いた“もうひとつの20世紀少年”
篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝
オリバー君を呼んだ興行師康芳夫、怪獣図鑑の挿絵画家石原豪人、月光仮面の原作者川内康範、万博会場を全裸で疾走した前衛芸術家糸井貫二ことダダカン、戦後サブカルチャーを築き上げた超人たちのロングインタビュー集堂々文庫化!
サルまん 21世紀愛蔵版 上巻
誰もが驚いた(俺も)幻の作品が満を持して奇跡の復刊! 通常の256倍の漫画密度で貴方の漫画常識を根底から覆す! 内容は漫画で日本征服をもくろむ野望の二人のてんやわんや! 価格以上の体験を著者自ら保証します!\1680
サルまん 21世紀愛蔵版 下巻
過去のあらゆる未収録原稿を網羅した愛蔵版これにて完結! 下巻には相原コージが萌え絵に挑戦してネットで話題騒然の「サルまん21」(ラノベ編)描き下しを完全収録! 著者二人、スク水・メイドのコスプレをした甲斐があったというものです!\1680
色単 ―現代色単語辞典
「やらしい言葉」のみを4千項目収録した竹熊23歳時の幻の編集デビュー作品が突然の復刻! 小説家の友成純一氏とともに、約半年かけてエロ小説から「やらしい言葉」とその用例を抜き出し、完全シソーラス化!もうバカかと、アホかと!
ゴルゴ13はいつ終わるのか? 竹熊漫談
ついに出ちゃいました!\1260
マンガ原稿料はなぜ安いのか?―竹熊漫談
タブーだったあれやこれやで業界騒然! \1260
Even a Monkey Can Draw Manga
これが噂のアメリカ版「サルまん」だ!\1465
網状言論F改―ポストモダン・オタク・セクシュアリティ
東浩紀編・共著 \1470
万有ビンボー漫画大系―四畳半という楽園
杉森昌武と共著 \1470
桜玉吉のかたち
竹熊がアマチュア時代に出していたミニコミの表紙を玉吉が描いていた。アマゾン在庫切れ…と思ったら再入荷してるようです。
私とハルマゲドン
品切れで古書価のほうが高いとはどういうことだ~。自信作なんだがな~。
庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン
庵野直撃本第二弾!今なら激安で(笑)。
庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン
大泉実成と竹熊がタッグを組んで庵野秀明の真実に迫る!中古で1円から(笑)。