そんなわけで昨年度の「たけくまメモ」アマゾン・アフィリエイトによる書籍売上げベスト20を発表します。20冊となると結構紹介に骨が折れますので本日は20位から11位まで、ちょっと本日は用があるので残りは帰宅してからにします。
※表紙をクリックするとアマゾンに飛びます。
●第20位 『電波大戦』 本田透 [37冊]
20位は昨年なにかとお騒がせ、本田透くんの『電波大戦』でした。ベストセラーになった『電波男』の実践編…というか、オタク系著名人と本田くんとの対談集なんですけど、なぜか俺もその中に入ってます。どうやら俺が『電波男』の感想文で「本田くん、このまま売れてしまったらモテてしまうぞ」と“モテの魔の手”の危機を忠告したことに端を発しています。どうも彼、本気でそれを心配したみたいで気がついたらこのような本として結実した次第。どうもすいませんでした。
<太田出版、1554円>
●第19位 『それがし乞食にあらず』 平田弘史[41冊]
昨年の「たけくまメモ」の“顔”とも呼ぶべき平田弘史先生の御著作がさっそくエントリーいたしました。昨年はまさに平田ブームで、こういってはなんですが狂ったように平田劇画の名作が復刻されまくりましたネ。書店に「平田コーナー」ができているのを見て思わず涙がこぼれましたですよ。中でも本書は異常傑作『仕末妻』をはじめ、松阪牛の肉汁におたふくソースをかけて煮染めたような平田宇宙が堪能できます!
<青林工藝舎、1260円>関連URL→★
●第18位 『森の兄妹』『底のない町』楳図かずお [42冊]
楳図先生14歳時の処女作『森の兄妹』と初期の傑作『底のない町』のカップリング復刻。もちろんそこは小学館クリエィティブの仕事ですから装幀から紙質に至るまで当時のまんまの完全復刻です。これで3500円は安いといえます。つづく『姿なき招待』も好調発売! 小学館の最終兵器である子会社・小学館クリエイティブのその驚くべき仕事については昨年上野社長などに取材をかけたのですがなかなか記事にできずにご迷惑をおかけしました。近々エントリします。
<小学館、3780円> 関連URL→★★
●第17位 『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』 ばるぼら [45冊]
オビにでっかく俺の名前が載っているのでまるで俺の本みたいですが俺はオビ文を書いただけで著者はばるぼらさんです。てか、本が届いたときにはビックリしました。俺の名前のせいで売れなかったらどうするんですか。それはそれとしてばるぼらさんは若くして伝説のネットワーカーとして知られ、インターネットの歴史については、その狂的なまでのマニアックな探求心と情報量ですでに権威として知られております。この本も、10年後、20年後にインターネットを語るうえでの必須基本文献として末永く読まれ続けることでしょう。それ以前に、読み物としても面白く書かれているのがさすがです。
<翔泳社、2499円>
●第16位 『刑務所の中』 花輪和一 [46冊]
花輪史上最大のヒット作であるのみならず、青林工藝舎としても今後ちょっと破られないのではないかというくらいのヒット作。花輪先生、本人はものすごくいい人なんですけど自ら“因果者”と自称し、ひたすら漫画創作に励んでおられましたが、趣味のモデルガン集めが昂じて本物を所有されてしまい、それがもとで逮捕されました。しかしこれも身から出た因果とすべてを受け止め、模範囚として刑期を勤められ、出所されてからはその天才的な記憶力で刑務所生活のすべてを漫画で完全再現、いまだかつてない驚異のヴァーチャル・リアリティ漫画として出版界を震撼させたのであります。
<青林工藝舎、1680円>
●第15位 『ワースト 1』 小室孝太郎 [50冊]
初期「少年ジャンプ」に連載された、小室孝太郎による終末SFの大傑作。ロメロの『ゾンビ』とプロットがそっくりだが、時系列的に見て小室がパクッたのではなく同じ元ネタ(『地球最後の男』)に影響されたためと思われる。絵柄は手塚調ですが、これは小室が手塚のアシスタント出身だったため。物語には師匠とはまたひと味違う重量感があり、面白いです。それはそれとして、カルト中のカルトとして知る人ぞ知る本書がベストに入るのが「たけくまメモ」の変なところ。『ソンビになりたい』というエントリで、ちらっと紹介しただけなんですが。
<朝日ソノラマ、1200円、2巻本>関連URL→★
●第14位 『ビアス短編集』 アンブローズ・ビアス [55冊]
これまた地味な本がベスト20入りしました。『夢オチはなぜわるいのか?』というエントリでチラリと紹介した本ですね。アンブローズ・ビアスといえばサタイアの傑作『悪魔の辞典』の著者としても有名ですが、短編怪奇小説の名手として芥川龍之介などにも影響を与えております。この中に収録されている『アウル・クリーク鉄橋での出来事』は奇妙なオチの代表例としてつとに知られており、『ふくろうの河』という短編映画になってこちらも映画史上に残る傑作となっている。映画はまだDVDになってないんだよな~、なんとかしていただきたい。
<岩波文庫、588円>関連URL→★
●第13位 『夕凪の街 桜の国』 こうの史代 [59冊]
昨年は漫画界の賞を総なめにし、映画化の話も進んでいるこうの史代の傑作。広島出身の著者による反原爆漫画ではありますが、戦争を知らない世代が真摯に歴史を受け止めたとき、はたしてどのような作品が描けるかのお手本。声高に反戦をとなえるのではなく、その時代を生きた若い女性の感覚を静かに淡々と描く筆致が物語に深みを与えています。ヒロインが原爆症によって失明した後、ページから絵がなくなり、ただコマ割りと台詞のみで展開される部分は、漫画史上に残る名演出といえるでしょう。
<双葉社、840円>
●第12位 『電波男』 本田透 [60冊]
当ブログの読者には、もはや説明の用もないほどの衝撃作。俺も正直、『電車男』のパロディくらいに考えて読みはじめたら衝撃を受けました。魂の叫びとは、まさにこの本のこと。「モテナイ男(喪男)」の喪男による喪男のための本みたいですが、よく読めば立派な現代社会批判になっている。ただし誤解も生じると思った。ここに書かれていることは「モテナイ男が開き直って、女性不要論を唱えている」のではなく、「恋愛資本主義」の毒牙にかかった女性をも救わんとする裏の目的もある本なのだ。そこをわかってない読者は、万が一本田くんに“モテの魔の手”が忍び寄ったとき、彼を「裏切り者」視するかもしれない…そう考えて「本田透くんが心配だ」を書いたのですが、余計なお世話だったかも。
<三才ブックス、1500円> 関連URL→★
●第11位 『色単~現代色単語辞典』 竹熊健太郎・友成純一 [61冊]
もう地味~にひっそりと復刊された本書ですが、さすがに当ブログでは61冊売れました。竹熊23歳時の処女単行本であり、第一回編集作品とでも言うべき本。共著者はSFスプラッタ作家の友成純一さんで、当時彼はアルコール中毒から立ち直りつつあり、これが復帰作でもありました。中身は、その、ただひたすらイヤラシイ単語がビッシリと並んでいる本です。普通の辞書からH単語を探す手間は、この本一冊で解消します。こんな世にもあほらしい本に、23歳の俺は青春を賭けたのです。友成さんは今九州に住んでいて全然あってないんですが、久しぶりに連絡をとったらアルコールが復活しているみたいで心配であります。本書刊行を機にまた頑張ってもらいたいです。
<ポット出版、1575円> 関連URL→★★
※というわけで、11位まで紹介したら疲れ果てました。続きは明日!(つづく)
2006/01/03書籍・雑誌,業務連絡,アフィリエイト|固定リンク
友成さんは今九州に住んでいて全然あってないんですが、久しぶりに連絡をとったらアルコールが復活しているみたいで心配であります。
→赤塚さん、吾妻さん見てもアルコール依存症というのはなかなか抜け出せないものらしいですね 友成さんの健康をお祈りしています
投稿: 匿名氏 | 2006/01/04 17:55
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投稿:spyware | 2006/02/21 09:18
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「ワースト」 小室孝太郎 小生が小学校2年生の頃に「週間少年ジャンプ」に連載されていた、これこそ幻のマンガだと断言できる!まだ10歳にも満たないガキだった小生に大きな衝撃を与えたマンガは2つあった。そのひとつは巨匠 永井 豪の「ハレンチ学園」だ。「ハレンチ学園」も週間少年ジャンプに連載されていたが、この「ワースト」 も同時期に連載されていたと記憶している。このマンガの内容は、地球全体が長い雨にみまわれ、雨が上がった後、人類が滅亡の危機を迎えるという物語である。雨に濡れてし...[続きを読む]
受信: 2006/03/04 23:56
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竹熊 健太郎: 20世紀少年探偵団 (ビッグコミックススペシャル)
『20世紀少年』に登場する「70年代的なるもの」について、ケンヂと同い年の竹熊が書いた“もうひとつの20世紀少年”
篦棒な人々ー戦後サブカルチャー偉人伝
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