
猛暑の今年の夏も盆の季節が来た。とにかく暑くて連日35度以上の真夏日が続き、外に出る事は身の危険を感じるほどである。連日のように熱中症で高齢者が死んだという記事が出ている。私が子供の頃は暑い日でもせいぜい30度そこそこであり40度近い温度など考えられないことであったし、熱中症で人が死ぬ等という話は聞いたこともなかった。多くの家庭が暑い時期には部屋の中では団扇を使うくらいで扇風機を置いてある家庭も少なかった。そもそもそれほど暑くはなかったのである。今はエアコンがないと身の危険を感じるという状況になっている。
ともあれ今年も盆の季節がやってきた。私の地方では盆の迎え火として昔から先祖が家に帰る時の目印になるように窓に提灯を吊るす風習がある。例年提灯を吊るして明かりを入れると他界している誰かの気配を感じたものである。4年前には愛犬(2か月くらい前に他界した)が現れたことがあった。夕方提灯の準備をしているとかすかに11年前にこの世を去った母の気配がした。日が暮れて提灯に火をともすと次のような母の思いが伝わってきた。
「病気せずに余生を暮らせよ。お前は小さい頃は体が弱くて心配したよ。よくここまで生きて来られた。残りの人生を全うしなさいよ。孫も元気に暮らしているようで何より。この先の人生後にしこりを残さないように」。