Gロッソ関係者のTweetの問題点について
日記にも書いていますが、今回、Gロッソヒーローショーにおいて司会の“お姉さん”から、
「自分は恒常的なセクハラ/パワハラを受けていた」との告発がなされ、関連各社のうちショーの制作責任を負う東映が中心になって事実究明を行った結果、
・訴えは概ね事実であることを確認した
・加担者は処分する
・再発防止策としてGロッソのヒーローショー関係者には事前に研修を実施する
との発表が行われました。
この経過そのものについては、手ぬるい、遅いと不満を感じる人も少なくないようですが、わたしは、
「起こったことはひどいけれども、きちんと東映が“お姉さん”の告発に応えようとしている」とよろこばしく受け止めています。今回の報告は中間報告の位置づけですが、今後も適正な対応がとられていくことを望みます。
ただ、東映が言及しているのは“お姉さん”が告発した過去1年間の事柄についてであり、今回の告発後に起こったGロッソ関係者・OB・その知人……という人々の一連のTweetに関しては何もふれられていません。
これらは根拠なく“お姉さん”が嘘をついていると断じ、その動機についても、首にされたはらいせであるとか、注目を集めたくてやった、という低レベルなものだと訴えてきました。
これに失敗すると、今度は“お姉さん”の裏垢と思われる鍵垢(一定範囲の知人/友人にしか閲覧を許さないアカウント)に吐き出された仕事の愚痴を流出させ、
「性格に難のある人のようだ、味方はできない」
「裏垢を使うような人は自分は一緒に仕事をしたくない」
と言ってみたり、あるいは5ちゃんねるや特撮ファンのTweetを通じ、
「詳しい事情がわかれば180度見方が変わるよ」という風評を形成させようとしていました。
わたしの勝手なファン感情なのですが、ハラスメントより、告発後のネット上のこの動きのほうに、より失望させられた……と感じています。ヒーローを演ずる人には、少なくとも人前では、ヒーローにふさわしい人格を感じさせてほしかったのです。
「自分は恒常的なセクハラ/パワハラを受けていた」との告発がなされ、関連各社のうちショーの制作責任を負う東映が中心になって事実究明を行った結果、
・訴えは概ね事実であることを確認した
・加担者は処分する
・再発防止策としてGロッソのヒーローショー関係者には事前に研修を実施する
との発表が行われました。
この経過そのものについては、手ぬるい、遅いと不満を感じる人も少なくないようですが、わたしは、
「起こったことはひどいけれども、きちんと東映が“お姉さん”の告発に応えようとしている」とよろこばしく受け止めています。今回の報告は中間報告の位置づけですが、今後も適正な対応がとられていくことを望みます。
ただ、東映が言及しているのは“お姉さん”が告発した過去1年間の事柄についてであり、今回の告発後に起こったGロッソ関係者・OB・その知人……という人々の一連のTweetに関しては何もふれられていません。
これらは根拠なく“お姉さん”が嘘をついていると断じ、その動機についても、首にされたはらいせであるとか、注目を集めたくてやった、という低レベルなものだと訴えてきました。
これに失敗すると、今度は“お姉さん”の裏垢と思われる鍵垢(一定範囲の知人/友人にしか閲覧を許さないアカウント)に吐き出された仕事の愚痴を流出させ、
「性格に難のある人のようだ、味方はできない」
「裏垢を使うような人は自分は一緒に仕事をしたくない」
と言ってみたり、あるいは5ちゃんねるや特撮ファンのTweetを通じ、
「詳しい事情がわかれば180度見方が変わるよ」という風評を形成させようとしていました。
わたしの勝手なファン感情なのですが、ハラスメントより、告発後のネット上のこの動きのほうに、より失望させられた……と感じています。ヒーローを演ずる人には、少なくとも人前では、ヒーローにふさわしい人格を感じさせてほしかったのです。
■一般の感覚とのずれ
失望しつつ、ああ、相変わらずだなという気持ちもありました。
もう10年以上前のことになりますが、わたしは
「スーツアクターの呼称を使うな、禁止」とご自分のファンに一方的に通告したJAEの今井さんを批判したことがありました。あいにく今井さんご自身はそのブログ記事を目に留めることもなく、結果、とくに何も起こらなかったのですが、その際、
「今井さんに近い者です」と名乗る大勢の人に、
「今なら今井さんに気づかれずに済みます、黙っていてあげるからブログを消して」ですとか、
「あなたが好きだと言ってる◯◯さんも今井さんと同意見なんですよ」とか、
「消さないと今井さんに言いつけますよ」とか、
とにかく黙らせよう、記事を消させようとする非公開コメントを山程送りつけられ、なんというか、悪い意味での同調圧力というものを強く感じ、辟易しました。
もちろん、
「あなたの言うとおりです」という賛成意見や、
「あなたの気持ちもわかるけど今井さんがあのような発言をされた背景はこうで……」という今井さん寄りの意見も多数いただき、わたしもあれこれ考察できていい経験だったと思うのですが、一番印象に残っているのは、上述のような、これといった反論もなくとにかく黙れ、波風立てるなという関係者を名乗る方々の必死さでした。
赤の他人の一特撮ファンにさえ異論は許さないのですから、仲間であれば当然のこと、一枚岩であろうとするでしょう。
「仲間が攻撃されている」と感じれば、自動的にそれを封じようとする、そういう体質なのでしょう。
仲間を信じる、仲間を守る、それはもちろん美徳であり、とくに危険の多い仕事をしている方々にとって、必須の要件であることは理解しています。
ただ、やっぱりそれは、第三者には通じない行動なのです。ファンは、観客はヒーローショーそのものを支持してきたのであり、ショーを構成する“お姉さん”、スーツアクター、その他のスタッフを分けて考えているわけではありません。今回のような内部対立があった場合には、誰の肩を持つか、ではなく、必然的に第三者のポジションに立たざるを得ません。
楽しいショーを誘導してくれた“お姉さん”の訴えに心痛めつつも、まずは事実を知りたいと思い、情報が集まるまでは早まった判断を避けようとしているのに、そのファンに対して
「あの人の言っていることはおかしい。あの人には何か問題がある。味方しちゃダメ。味方するならこっちでしょ? 【拡散希望!】」と根拠もなく迫ったら、それはもうドン引きです。一気に、
「やっぱりいじめ体質なんだ! もうGロッソのショーなど見たくない!」というほうに傾いてしまいます。
危機管理コミュニケーションとしてももちろん最低の対応ですが、それ以前に、人として
「攻撃の対象(この場合“お姉さん”)はどう感じるか?」
「第三者の目からはどう見えるのか?」
という客観視ができていないのです。
■事態の収拾を図ろうとして失敗したhiroshi氏
それでも、悪意を持って“お姉さん”の裏垢を人目に晒したり、ファンに情報を漏らして操作しようとした人と、反射的に
「仲間を守る!」の一心で実名Tweetした人は動機の面で分けて考えたい……とは思いますが、まあ、結果は同じです。
「炎上初めてか。SNS下手か」と小気味良く批判していた方がいらっしゃいましたが、まったくその通り、悪手でしかない。その中でも今回最もSNS下手だったのが、後から出てきて事態を収拾しようとしたhiroshi氏ですので、以下箇条書きで。
・いきなりの「お前誰だよ」感がすごい。
スレッドを最後まで読むとわかりますが、
「喧嘩両成敗、Gロッソは変わります。だから応援してね」と、ファンの動揺を収めることがこの方の目的だったようです。であれば、
「どういう立場で、誰が発言しているのか」が明示されていなければならないのに匿名でいきなり本題に入っています。
わたしはネットの匿名は悪いことだとは思いませんし、この方の場合、ばればれの匿名でもあるのですが、東映が公式に調査に入っている以上、公的な立場の人物以外、この時期の発言は許されていない、求められていないということがおわかりでないのです。
加えて、
・セクハラ、パワハラを「大人気なくイタズラ」と表現(被害の過小評価)。
・「全員アウト」に被害者を含めている。
「それとなく様子を聞いてみましたが」程度のことで被害者にまで責任があると決めつけるのはいかにも雑。結論ありき、プラス、早く事態を収めたい気持ちが先立ってのことでしょう。実行者6名だけでなく見て見ぬふりした人や気づかなかった上司を「全員アウト」に含めているのは賛成なのですが。
この段階ではまだ東映の報告が出ていなかったので、ほとんどのファンは判断を保留し、ただ事実なら被害者がどれほど傷ついているか容易に想像できるため、それをさらに傷つけるような言動はすまいと発言を控えていました。
それを踏まえてみると、これは実にうかつ、かつ無神経な発言といえるでしょう。
・被害者もアウトとした後で、加害者側にも理由があった、被害者にも問題があったと示唆。
「どんな理由があるにせよ! という人が多いでしょうが、」と書いてありますがその通り、どんな理由があるにせよダメなのです。強制わいせつや侮辱は犯罪です。挨拶を無視するのは人の道に外れます。世の中には同様の「イタズラ」で心を病む人も少なくありません。どうしてこの点で反論を試みようとしたのか理解に苦しみます。
逆にそのような醜業がアウトでなくなる理由とはなんでしょうか。
・被害者の人格面に問題があったとしつつ、詳しくは書かない。
「直接は知らない方ですが、普通に仕事をこなしているだけならそういう周りの対応にはならないと思います。ツイッターでの皆さんの意見を見ると良い仕事をしていたのが想像できるので、それ以外がことの発端になったのではと考えられます。」
このようなふんわりした、事実を挙げない中傷は、より悪質です。
また、かりに被害者に人格面での問題があったとしても、ハラスメントを受けていいわけがありません。
繰り返しますがどんな事情があっても、被害者にどんな問題があっても関係ありません。
・裏垢を持つ人物は信用できないと書きながら自分は匿名で、さらに
直接被害者本人の目に触れないところで中傷している。
矛盾がひどい。王様の耳はロバの耳くらい誰でもすることですし、前述の通り匿名発言そのものが悪いとはわたしは思っていませんが。
・「Gロッソは変わる」の補強材料として
「怒らせてはいけない人を怒らせた」としている。
腐ったことをしてきたからじゃないのか、怒られなければ変わらないのか……と思いました。いや、それは意地悪な見方で、変わるんだということに説得力を持たせたかっただけだろうとは思いますが、やはりここは思い切った改革の手を打って強く反省の意を示すしかなかったのではと思われます。但しそうしようとすれば、最初に書いたように、hiroshi氏が匿名であること、即ち適切な処分や対応を責任持って約束できる立場でないことが、マイナスに働いてしまいます。
・若い子も頑張っているから応援お願いしたい。
調査やその後の対応が終わっていないタイミングでは拙速に過ぎます。なぜ調査報告まで待てなかったのか。
セクハラがあったのかなかったのか、あったとしてその若い子たちは関与していたのか、見て見ぬふりをしていたのか、それともまったく関わりがなかったのか、すべてが不明の状態で
「これだけ頑張っているので」と言われても困ります。信頼の回復には時間がかかるもの、焦っても逆効果なだけです。
・坂梨氏のTweetを肯定。
彼女のTweetの何が批判されているかを理解せず、同じ失敗を重ねています。坂梨氏は「仲間を信じ、いい思い出を守ろうとした」から批判されているのではなく、事実が確認できない段階で一方的に“お姉さん”の告発を嘘と断じ、攻撃したから批判されているのです。相手が誰であれそんなことを根拠もなくやっていいはずがありませんが、その矛先を被害者に向けてしまったため、一層その非情さが目立ちます。(おそらくは“お姉さん”がやったように)適切に証拠を揃え、公的な調査を経た上での発言なら、真に仲間を守る力を持つものとなり得たでしょうが。
事実を無視してはいけません。
・「反論・批判あれば受付ける」と書いているが受付けただけで答えない。
ごく一部に回答しただけですね。失礼ながらリプライの見方がおわかりにならなかったのではと思いますが、結果としてほとんどのリプを無視した形になり、実に悪印象です。さらに、東映の報告を受けて何らかの所感を追加するのかと思えば、
「東映から報告があったようですね。
まだ納得行かない方達もいるようですが、これを一区切りとして全員、全員です! 前に進んで行けるようお願い致します。」といきなり〆てしまっています。加害者側の立ち直りより被害者救済や加害者の処分が先だと思われるのに、そんなものはすっ飛ばしています。やはり拙速です。
そもそも、“納得行かない方達”をそのままにしていいと思うのであればなぜこれを書いたのでしょう。
世の風評に対し、Gロッソは悪の巣窟じゃないと弁護し、ファンを納得させたかったのではないのでしょうか。
これはどのような立場から、誰に向かって書かれたTweetなのか、と頭を抱えてしまいます。
まるで自分の仲間、それも後輩や部下、教え子に向かって語りかけているような口調ですが、読み手をそのようなhiroshi氏にとっての“仲間”であると限定しているのなら、そもそも一枚岩なのでしょうから一連のTweetは不要であると考えられます。
Twitterという公開の場にアップしているわけですから、そうではなく、広く一般に理解と協力を求めるべく書かれた文章なのでしょう。が、もし、失われた信頼の回復を誓い、見守って下さい、ご理解くださいとGロッソ側から観客に頭を下げる立場であるのなら、別の物言いがあったでしょう。
hiroshi氏はわたしの思っている通りの方なら、リーダーシップを執るべき立場にあることが多く、人格的にもすぐれた方ですし、一連のTweetも善意からなされたものであろうと思われます。たとえば学校の先生が、教室内のトラブルを収める際、
「こら、何をしてるんだ!」と手を出したほうをしかりつけ、被害を受けたほうにも
「でもお前にも問題があったんじゃないか? よく考えてみろ?」と諭し、
「さあ、喧嘩両成敗、この話はこれで終わりだ。みんなで反省して、仲良くしろ!」と促すように。が今回はそういう問題ではなく、hiroshi氏も教師の立場ではない。加えて、ハラスメントをイタズラと書くような、一般とは乖離した感覚もお持ちです。
頑張っているGロッソの後輩を弁護する任には不向きだったのではないでしょうか。
■だんまりのJAE
今回SNSを通じてトラブルを起こしている方の中には番組のキャストやスタッフなども含まれますが、JAEのスーツアクターがその中でも数が多く、そもそも実名でTwitter登録しているためどうしても目立ちます(hiroshi氏も今は違いますが元JAE)。
Gロッソの委託先として名が挙がっているのはTACですが、スーツアクターが多数所属するアクションスタジオとして、JAEが最も一般には知名度が高く、今回の件でも問合せや苦情がなかったとは考え難い。自社がどういう状況にあるかはわかっていたはずです。
通常、今回のような不祥事には、一般の企業であれば
「不確定なことは言うな。もしマスコミ等に取材されたら『何も聞かされていないので広報にお願いします』と言え」と社員に指導します。ましてや被害者を中傷するようなコメントなど絶対に口にするなと。
そのような管理指導ができていないのが事務所としては第一にまずい。その上、問題を起こした方々はそれぞれ、抗議を受けると謝罪もせず問題Tweetを削除する、RTを取り消す等のことを行っていますが、この手の話題ではよく
「消せば増える」と言われるように、
「なかったことにする、知らん顔をする」という対応が一番嫌われます(坂梨氏、宮澤氏のTweetはむしろスクリーンショットや魚拓の形で拡散されているようです)。消したからと言ってなかったことにはできない、そもそも衝動的に人を中傷するなという社会人として当然の指導を、日頃から行っておくべきだったでしょう。
東映から最終的な報告がなされたタイミングにでも、JAEは事務所として謝罪コメントを掲載すべきではないかと思っています。
期待はしてないのですが……
7/9追記。思いの外RTされているので慌てて誤字を訂正。ついでに自分で読み返して意味のわからないところを修正しました。主旨は変わってない、と思います。
さらに1人、この方は現在保育園で働いている方のようですが、元スーツアクトレス(現役かも)のまつり氏が、
「ハラスメントなんて自分の若い頃にもあった」
「素行不良で首になったのをハラスメントを受けた話にすり替えている」
「SNSの告発という周囲に迷惑をかける手段を選んで、業界からはどう見られているか」
というTweetをされていて(現在は削除済み)、またまた特撮ファンとして落ち込みました。
まず第一に、“お姉さん”は仕事を辞めた理由は自分の力不足としています。ただ、辞めた以上、口止めに従い沈黙を守る理由も義理も、なくなってしまったということでしょう。
また、セクハラが事実としてあった以上、その告発はたとえ動機がなんであったにせよ、社会正義に則った絶対善です。
そのこと自体を批判すれば、ハラスメントの当事者、助長者であったとみなされても仕方ありません。
東映もGロッソも痛手だったでしょうが、それは告発のせいではなく、ハラスメントのせいです。もしくは、どうやらここまでの関係者Tweetから伺える、業界全体に蔓延しているらしい、
「多少のセクハラくらい」という非常識さのせいです。
そもそも観客は人気投票をしているわけではなく、“お姉さん”がいい人か悪い人か、ついでに言うならGロッソのメンバーが一生懸命やっているかやっていないか、にも、さほど重きを置いていません。人物としての好感度も、誰が誰の敵で誰の味方かも、hiroshi氏やまつり氏には非常に重要なことのようですが、本題とは関係ない。
皆、ハラスメントの実態がどうで、その原因は何で、きっちり膿を出して組織として生まれ変わることができるかどうか、被害者救済策が打たれるかどうか、さもないと安心して見に行けないという話をしているのに、いつまでも子供のように
「セクハラくらいで」
「彼女嫌われてるんだよね、話聞いたら自分も100%の味方できなくてさ」
と自分たちだけの感情論を唱え続けるのが世間の目にどう映るか、ほんとうに一度じっくり考えていただきたいと思います。
百歩譲って、この方々の主張通り“お姉さん”に何らかの問題があったとして、現場の方が“お姉さん”を嫌うのは、まあ夢の世界の舞台裏としては殺伐としすぎていますが、それはありうることかも知れません。和を乱す存在としてやむを得ず契約を更新しないという判断も、当然あるかと思います。
しかしそれは1年も6人がかりでハラスメントを続けていい理由にはならない。
あなたが若い頃ハラスメントを我慢したからと言って、“お姉さん”が我慢しなければならない理由もない。
全く違う話をしているのが、どうしてわからないのだろうと失望しまくりです……
7/13追記。追記し過ぎで申し訳ない。
つらつら考えてみるに、関係者の方々って坂梨氏についたコメントを、
「ファンからのクレーム」とわかっておらず、
「特撮もGロッソのことも何もわかってないネットの有象無象からのリンチ」と受け止めているんじゃないかなあ、と。かわいい後輩が叩かれていてムカつく、かわいそうに、いつも頑張ってる仲間思いのいい子なのに! みたいな。
同様に反論・批判あれば受付ける、としていたhiroshi氏の元に反論リプが集まっていたことについて、
「(hiroshi氏)が叩かれているのを見るのはつらい」と書いている方を見かけたのでふと思いました。
まあ祭りと見れば寄ってきて嬉々として汚い言葉を叩きつける人も確かにいるわけですが、とりあえずごく初期の、軍手氏に反発し、坂梨氏に抗議していた人たちは、よりによってハラスメントの被害者を証拠もなく中傷するそのふるまいにショックを受けた一般のGロッソファンが大半だったとわたしは見ています。まだお姉さんの告発Tweetはニュースにもなっていない段階でしたから。
なので、庇うならすぐ坂梨氏にTweetを削除させ、他の所属アクターにも不規則発言を控えさせ、
「Gロッソでそのようなことが行われたとは信じられない、嘘であってほしいとの一心で、被害者の方を中傷する意図はなかったようだ。厳重注意をしたし、本人も反省している」くらいのことをJAEが即日Tweetして謝罪していたら、ここまでの炎上にはならなかったように思います。
一番のSNS下手はhiroshi氏と書きましたがJAEかも……
失望しつつ、ああ、相変わらずだなという気持ちもありました。
もう10年以上前のことになりますが、わたしは
「スーツアクターの呼称を使うな、禁止」とご自分のファンに一方的に通告したJAEの今井さんを批判したことがありました。あいにく今井さんご自身はそのブログ記事を目に留めることもなく、結果、とくに何も起こらなかったのですが、その際、
「今井さんに近い者です」と名乗る大勢の人に、
「今なら今井さんに気づかれずに済みます、黙っていてあげるからブログを消して」ですとか、
「あなたが好きだと言ってる◯◯さんも今井さんと同意見なんですよ」とか、
「消さないと今井さんに言いつけますよ」とか、
とにかく黙らせよう、記事を消させようとする非公開コメントを山程送りつけられ、なんというか、悪い意味での同調圧力というものを強く感じ、辟易しました。
もちろん、
「あなたの言うとおりです」という賛成意見や、
「あなたの気持ちもわかるけど今井さんがあのような発言をされた背景はこうで……」という今井さん寄りの意見も多数いただき、わたしもあれこれ考察できていい経験だったと思うのですが、一番印象に残っているのは、上述のような、これといった反論もなくとにかく黙れ、波風立てるなという関係者を名乗る方々の必死さでした。
赤の他人の一特撮ファンにさえ異論は許さないのですから、仲間であれば当然のこと、一枚岩であろうとするでしょう。
「仲間が攻撃されている」と感じれば、自動的にそれを封じようとする、そういう体質なのでしょう。
仲間を信じる、仲間を守る、それはもちろん美徳であり、とくに危険の多い仕事をしている方々にとって、必須の要件であることは理解しています。
ただ、やっぱりそれは、第三者には通じない行動なのです。ファンは、観客はヒーローショーそのものを支持してきたのであり、ショーを構成する“お姉さん”、スーツアクター、その他のスタッフを分けて考えているわけではありません。今回のような内部対立があった場合には、誰の肩を持つか、ではなく、必然的に第三者のポジションに立たざるを得ません。
楽しいショーを誘導してくれた“お姉さん”の訴えに心痛めつつも、まずは事実を知りたいと思い、情報が集まるまでは早まった判断を避けようとしているのに、そのファンに対して
「あの人の言っていることはおかしい。あの人には何か問題がある。味方しちゃダメ。味方するならこっちでしょ? 【拡散希望!】」と根拠もなく迫ったら、それはもうドン引きです。一気に、
「やっぱりいじめ体質なんだ! もうGロッソのショーなど見たくない!」というほうに傾いてしまいます。
危機管理コミュニケーションとしてももちろん最低の対応ですが、それ以前に、人として
「攻撃の対象(この場合“お姉さん”)はどう感じるか?」
「第三者の目からはどう見えるのか?」
という客観視ができていないのです。
■事態の収拾を図ろうとして失敗したhiroshi氏
それでも、悪意を持って“お姉さん”の裏垢を人目に晒したり、ファンに情報を漏らして操作しようとした人と、反射的に
「仲間を守る!」の一心で実名Tweetした人は動機の面で分けて考えたい……とは思いますが、まあ、結果は同じです。
「炎上初めてか。SNS下手か」と小気味良く批判していた方がいらっしゃいましたが、まったくその通り、悪手でしかない。その中でも今回最もSNS下手だったのが、後から出てきて事態を収拾しようとしたhiroshi氏ですので、以下箇条書きで。
たぶんこの方は、実績あるあの方、なんだろうなとある程度推測がついています。なので失礼なことを書くようで心苦しいのですが、Gロッソの件で思うこと…
— hiroshi (@kamenrider_1)July 3, 2019
まず思ったのは 『何やってんだよ 』
で、そうこうするうちにTVネタにまでなったようで、(見てはいないので)何かムカついて来まして、
まぁそれとなく様子を聞いてみました…
東映がどういう風に皆さんに伝えるかわからないですが…
あくまで自分の意見です(^_^;)
アウト!
・いきなりの「お前誰だよ」感がすごい。
スレッドを最後まで読むとわかりますが、
「喧嘩両成敗、Gロッソは変わります。だから応援してね」と、ファンの動揺を収めることがこの方の目的だったようです。であれば、
「どういう立場で、誰が発言しているのか」が明示されていなければならないのに匿名でいきなり本題に入っています。
わたしはネットの匿名は悪いことだとは思いませんし、この方の場合、ばればれの匿名でもあるのですが、東映が公式に調査に入っている以上、公的な立場の人物以外、この時期の発言は許されていない、求められていないということがおわかりでないのです。
加えて、
・セクハラ、パワハラを「大人気なくイタズラ」と表現(被害の過小評価)。
・「全員アウト」に被害者を含めている。
「それとなく様子を聞いてみましたが」程度のことで被害者にまで責任があると決めつけるのはいかにも雑。結論ありき、プラス、早く事態を収めたい気持ちが先立ってのことでしょう。実行者6名だけでなく見て見ぬふりした人や気づかなかった上司を「全員アウト」に含めているのは賛成なのですが。
この段階ではまだ東映の報告が出ていなかったので、ほとんどのファンは判断を保留し、ただ事実なら被害者がどれほど傷ついているか容易に想像できるため、それをさらに傷つけるような言動はすまいと発言を控えていました。
それを踏まえてみると、これは実にうかつ、かつ無神経な発言といえるでしょう。
・被害者もアウトとした後で、加害者側にも理由があった、被害者にも問題があったと示唆。
「どんな理由があるにせよ! という人が多いでしょうが、」と書いてありますがその通り、どんな理由があるにせよダメなのです。強制わいせつや侮辱は犯罪です。挨拶を無視するのは人の道に外れます。世の中には同様の「イタズラ」で心を病む人も少なくありません。どうしてこの点で反論を試みようとしたのか理解に苦しみます。
逆にそのような醜業がアウトでなくなる理由とはなんでしょうか。
・被害者の人格面に問題があったとしつつ、詳しくは書かない。
「直接は知らない方ですが、普通に仕事をこなしているだけならそういう周りの対応にはならないと思います。ツイッターでの皆さんの意見を見ると良い仕事をしていたのが想像できるので、それ以外がことの発端になったのではと考えられます。」
このようなふんわりした、事実を挙げない中傷は、より悪質です。
また、かりに被害者に人格面での問題があったとしても、ハラスメントを受けていいわけがありません。
繰り返しますがどんな事情があっても、被害者にどんな問題があっても関係ありません。
・裏垢を持つ人物は信用できないと書きながら自分は匿名で、さらに
直接被害者本人の目に触れないところで中傷している。
矛盾がひどい。王様の耳はロバの耳くらい誰でもすることですし、前述の通り匿名発言そのものが悪いとはわたしは思っていませんが。
・「Gロッソは変わる」の補強材料として
「怒らせてはいけない人を怒らせた」としている。
腐ったことをしてきたからじゃないのか、怒られなければ変わらないのか……と思いました。いや、それは意地悪な見方で、変わるんだということに説得力を持たせたかっただけだろうとは思いますが、やはりここは思い切った改革の手を打って強く反省の意を示すしかなかったのではと思われます。但しそうしようとすれば、最初に書いたように、hiroshi氏が匿名であること、即ち適切な処分や対応を責任持って約束できる立場でないことが、マイナスに働いてしまいます。
・若い子も頑張っているから応援お願いしたい。
調査やその後の対応が終わっていないタイミングでは拙速に過ぎます。なぜ調査報告まで待てなかったのか。
セクハラがあったのかなかったのか、あったとしてその若い子たちは関与していたのか、見て見ぬふりをしていたのか、それともまったく関わりがなかったのか、すべてが不明の状態で
「これだけ頑張っているので」と言われても困ります。信頼の回復には時間がかかるもの、焦っても逆効果なだけです。
・坂梨氏のTweetを肯定。
彼女のTweetの何が批判されているかを理解せず、同じ失敗を重ねています。坂梨氏は「仲間を信じ、いい思い出を守ろうとした」から批判されているのではなく、事実が確認できない段階で一方的に“お姉さん”の告発を嘘と断じ、攻撃したから批判されているのです。相手が誰であれそんなことを根拠もなくやっていいはずがありませんが、その矛先を被害者に向けてしまったため、一層その非情さが目立ちます。(おそらくは“お姉さん”がやったように)適切に証拠を揃え、公的な調査を経た上での発言なら、真に仲間を守る力を持つものとなり得たでしょうが。
事実を無視してはいけません。
・「反論・批判あれば受付ける」と書いているが受付けただけで答えない。
ごく一部に回答しただけですね。失礼ながらリプライの見方がおわかりにならなかったのではと思いますが、結果としてほとんどのリプを無視した形になり、実に悪印象です。さらに、東映の報告を受けて何らかの所感を追加するのかと思えば、
「東映から報告があったようですね。
まだ納得行かない方達もいるようですが、これを一区切りとして全員、全員です! 前に進んで行けるようお願い致します。」といきなり〆てしまっています。加害者側の立ち直りより被害者救済や加害者の処分が先だと思われるのに、そんなものはすっ飛ばしています。やはり拙速です。
そもそも、“納得行かない方達”をそのままにしていいと思うのであればなぜこれを書いたのでしょう。
世の風評に対し、Gロッソは悪の巣窟じゃないと弁護し、ファンを納得させたかったのではないのでしょうか。
これはどのような立場から、誰に向かって書かれたTweetなのか、と頭を抱えてしまいます。
まるで自分の仲間、それも後輩や部下、教え子に向かって語りかけているような口調ですが、読み手をそのようなhiroshi氏にとっての“仲間”であると限定しているのなら、そもそも一枚岩なのでしょうから一連のTweetは不要であると考えられます。
Twitterという公開の場にアップしているわけですから、そうではなく、広く一般に理解と協力を求めるべく書かれた文章なのでしょう。が、もし、失われた信頼の回復を誓い、見守って下さい、ご理解くださいとGロッソ側から観客に頭を下げる立場であるのなら、別の物言いがあったでしょう。
hiroshi氏はわたしの思っている通りの方なら、リーダーシップを執るべき立場にあることが多く、人格的にもすぐれた方ですし、一連のTweetも善意からなされたものであろうと思われます。たとえば学校の先生が、教室内のトラブルを収める際、
「こら、何をしてるんだ!」と手を出したほうをしかりつけ、被害を受けたほうにも
「でもお前にも問題があったんじゃないか? よく考えてみろ?」と諭し、
「さあ、喧嘩両成敗、この話はこれで終わりだ。みんなで反省して、仲良くしろ!」と促すように。が今回はそういう問題ではなく、hiroshi氏も教師の立場ではない。加えて、ハラスメントをイタズラと書くような、一般とは乖離した感覚もお持ちです。
頑張っているGロッソの後輩を弁護する任には不向きだったのではないでしょうか。
■だんまりのJAE
今回SNSを通じてトラブルを起こしている方の中には番組のキャストやスタッフなども含まれますが、JAEのスーツアクターがその中でも数が多く、そもそも実名でTwitter登録しているためどうしても目立ちます(hiroshi氏も今は違いますが元JAE)。
Gロッソの委託先として名が挙がっているのはTACですが、スーツアクターが多数所属するアクションスタジオとして、JAEが最も一般には知名度が高く、今回の件でも問合せや苦情がなかったとは考え難い。自社がどういう状況にあるかはわかっていたはずです。
通常、今回のような不祥事には、一般の企業であれば
「不確定なことは言うな。もしマスコミ等に取材されたら『何も聞かされていないので広報にお願いします』と言え」と社員に指導します。ましてや被害者を中傷するようなコメントなど絶対に口にするなと。
そのような管理指導ができていないのが事務所としては第一にまずい。その上、問題を起こした方々はそれぞれ、抗議を受けると謝罪もせず問題Tweetを削除する、RTを取り消す等のことを行っていますが、この手の話題ではよく
「消せば増える」と言われるように、
「なかったことにする、知らん顔をする」という対応が一番嫌われます(坂梨氏、宮澤氏のTweetはむしろスクリーンショットや魚拓の形で拡散されているようです)。消したからと言ってなかったことにはできない、そもそも衝動的に人を中傷するなという社会人として当然の指導を、日頃から行っておくべきだったでしょう。
東映から最終的な報告がなされたタイミングにでも、JAEは事務所として謝罪コメントを掲載すべきではないかと思っています。
期待はしてないのですが……
7/9追記。思いの外RTされているので慌てて誤字を訂正。ついでに自分で読み返して意味のわからないところを修正しました。主旨は変わってない、と思います。
さらに1人、この方は現在保育園で働いている方のようですが、元スーツアクトレス(現役かも)のまつり氏が、
「ハラスメントなんて自分の若い頃にもあった」
「素行不良で首になったのをハラスメントを受けた話にすり替えている」
「SNSの告発という周囲に迷惑をかける手段を選んで、業界からはどう見られているか」
というTweetをされていて(現在は削除済み)、またまた特撮ファンとして落ち込みました。
まず第一に、“お姉さん”は仕事を辞めた理由は自分の力不足としています。ただ、辞めた以上、口止めに従い沈黙を守る理由も義理も、なくなってしまったということでしょう。
また、セクハラが事実としてあった以上、その告発はたとえ動機がなんであったにせよ、社会正義に則った絶対善です。
そのこと自体を批判すれば、ハラスメントの当事者、助長者であったとみなされても仕方ありません。
東映もGロッソも痛手だったでしょうが、それは告発のせいではなく、ハラスメントのせいです。もしくは、どうやらここまでの関係者Tweetから伺える、業界全体に蔓延しているらしい、
「多少のセクハラくらい」という非常識さのせいです。
そもそも観客は人気投票をしているわけではなく、“お姉さん”がいい人か悪い人か、ついでに言うならGロッソのメンバーが一生懸命やっているかやっていないか、にも、さほど重きを置いていません。人物としての好感度も、誰が誰の敵で誰の味方かも、hiroshi氏やまつり氏には非常に重要なことのようですが、本題とは関係ない。
皆、ハラスメントの実態がどうで、その原因は何で、きっちり膿を出して組織として生まれ変わることができるかどうか、被害者救済策が打たれるかどうか、さもないと安心して見に行けないという話をしているのに、いつまでも子供のように
「セクハラくらいで」
「彼女嫌われてるんだよね、話聞いたら自分も100%の味方できなくてさ」
と自分たちだけの感情論を唱え続けるのが世間の目にどう映るか、ほんとうに一度じっくり考えていただきたいと思います。
百歩譲って、この方々の主張通り“お姉さん”に何らかの問題があったとして、現場の方が“お姉さん”を嫌うのは、まあ夢の世界の舞台裏としては殺伐としすぎていますが、それはありうることかも知れません。和を乱す存在としてやむを得ず契約を更新しないという判断も、当然あるかと思います。
しかしそれは1年も6人がかりでハラスメントを続けていい理由にはならない。
あなたが若い頃ハラスメントを我慢したからと言って、“お姉さん”が我慢しなければならない理由もない。
全く違う話をしているのが、どうしてわからないのだろうと失望しまくりです……
7/13追記。追記し過ぎで申し訳ない。
つらつら考えてみるに、関係者の方々って坂梨氏についたコメントを、
「ファンからのクレーム」とわかっておらず、
「特撮もGロッソのことも何もわかってないネットの有象無象からのリンチ」と受け止めているんじゃないかなあ、と。かわいい後輩が叩かれていてムカつく、かわいそうに、いつも頑張ってる仲間思いのいい子なのに! みたいな。
同様に反論・批判あれば受付ける、としていたhiroshi氏の元に反論リプが集まっていたことについて、
「(hiroshi氏)が叩かれているのを見るのはつらい」と書いている方を見かけたのでふと思いました。
まあ祭りと見れば寄ってきて嬉々として汚い言葉を叩きつける人も確かにいるわけですが、とりあえずごく初期の、軍手氏に反発し、坂梨氏に抗議していた人たちは、よりによってハラスメントの被害者を証拠もなく中傷するそのふるまいにショックを受けた一般のGロッソファンが大半だったとわたしは見ています。まだお姉さんの告発Tweetはニュースにもなっていない段階でしたから。
なので、庇うならすぐ坂梨氏にTweetを削除させ、他の所属アクターにも不規則発言を控えさせ、
「Gロッソでそのようなことが行われたとは信じられない、嘘であってほしいとの一心で、被害者の方を中傷する意図はなかったようだ。厳重注意をしたし、本人も反省している」くらいのことをJAEが即日Tweetして謝罪していたら、ここまでの炎上にはならなかったように思います。
一番のSNS下手はhiroshi氏と書きましたがJAEかも……
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