長らく女性がチョコレートと共に男性に気持ちを伝える日とされてきたバレンタインデー。それが次第に「本命チョコ」「義理チョコ」と広がり、今では女性同士で交換する「友チョコ」も定番になってきた。
だが最近、この時期のチョコレート売り場の風景に異変が見られるようになっているという。
ある百貨店の売り場担当者は「1、2年前から若い女性に混じって男子中高生が列に並ぶ光景が見られるようになった」と話す。一昔前なら「チョコがもらえないかわいそうな男性が見栄を張るために自分用に買った」と思われていたが、彼らはちゃんとプレゼント用として買っているそうだ。
このような男性同士で送り合うチョコは「強敵(とも)チョコ」と呼ばれ、スポーツや勉強でライバル関係にある男子がお互いを認める気持ちを伝えるのが目的。その始まりは定かではないが、2011年のバレンタインデーに、日本人メジャーリーガーの川崎宗則選手が、同じくメジャーリーグで活躍するイチロー選手にチョコレートをプレゼントしたことが火付け役となり、日本の少年野球界に伝播。その後、部活動などを通じて男子学生全体に拡大したようだ。
バレンタイン商戦真っただ中の12日、この日銀座三越の特設会場でチョコレートを熱心に見つめていた男子高校生(17)は1つ3千円の高級チョコを手に「これは強敵チョコじゃなくて本命です……」と頬を赤らめながら話した。
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