SHO-SENSEI!!「サザン」
存在感を増していくSHO-SENSEI!!を代表するシングル「サザン」。エモいビートにうっすらとかかったオートチューンで愛を歌うラブソングはともすれば薄っぺらくも聴こえがちですが、「サザン」の南十字星と「君」に交互に語りかけるフックが浮遊感を加速。エゴに塗れた歪にも響く愛の歌を、メロディアスにも痛烈にも歌い上げます。
SHO-SENSEI!!をヒップホップの枠に押し込めてしまうのももったいないけれど、きっとそんなはた迷惑な杞憂も跳ね除けて飛び立つ才能だと思います。
REAL-T「タイトルわかった」
これまで、緊迫感のあるトラップビートで曲をリリースすることの多かったREAL-Tさんが、ギターのメロディに乗せて現在の自身の心境を明かす一曲。この曲のタイトル「タイトルわかった」は、2020年にリリースされた、同じくREAL-Tさんの心情を吐露した「タイトルわからん」と対比されています。
2年前は、周囲への感謝や「自分で身につけた志」について歌っていたREAL-Tさん。今回は、様々なアーティストとの楽曲制作を経て、己の弱さや周囲状況をより俯瞰的に歌い上げています。
「結局笑われてもいいんだ 見失わないから足元は」(「タイトルわからん」)から「今はみんな花咲くの準備 安全第一足元注意」(「タイトルわかった」)へ。MVでの仲間たちと触れ合う様子からも、より責任感と覚悟を持って楽曲に向き合っているんだということが伝わってきます。

『街風』吹き荒れる生野区 Jin DoggとREAL-T、10年前の邂逅
ソファーでは、REAL-Tその人が眠っていた。身じろぎひとつせず、寝息も立てず。
30分後、目を覚ましたREAL-Tが、合流してきたJin Doggを迎えた。握手を交わす2人の間には、おいそれと踏み込めない親密さが流れていた。
それから、今まで明かされてこなかった2人の関係について、10年前から遡る濃密な対談が始ま…
Deech、Candee「どうしようもない」
もともと川崎のクルー・OGFのメンバーだった2人に、ビートはZOT on the WAVEさんという最強の布陣。ZOT on the WAVEさんの心地よいビートに乗った、本当に“どうしようもない”内容のCandeeさんのフックにDeechさんのバース。
声質もトーンの高低差も大きくかけ離れた2人がフックとバースを完全に歌い分け、客演としてフックだけを歌うCandeeさんの贅沢な起用は潔い。とにかく耳心地が良くて一生聴いてられる中毒性があります。
Minchanbaby & RhymeTube Feat. Jinmenusagi 「ねてもさめても」
インターネットにルーツの一端を持っているラッパーのMinchanbabyさんとプロデューサーのRhymeTubeさんとのダブルネームユニットに、Jinmenusagiさんを客演に迎えた一曲。幸福感のある跳ねたビートなのに、よくよく耳を澄ませば、そこはやっぱりみんちゃんとジメサギらしく、内省を隠さずリリックとして結実しています。もちろんそれも地に足の着いた“リアル”なのに、聴いているとなぜか悪夢めいた世界が立ち現れる不思議。
MEZZ Prod. Dr.Pay「Money From The Dirt」
シングル「Gyal Drill」で突如シーンに現れたフィメールの新星・MEZZさんの新曲。前作のUKドリルとポップスの融合と異化で見せた煌びやかな方向性とは完全に異なり、ダークなウィスパーラップで終始淡々と進行する。経歴などがほとんど明かされていないが、その音楽的な振り幅にまず脱帽する。
MVはゆるふわGANG、Friday Night PlansなどのMVを手掛ける新進気鋭のクリエイティブユニット・Skidが担当。治安が悪くも面白いし楽しそう最高~。あと撮影に使われている新宿「ディスコデビル」は良いバーです。
2022年の名曲を集めたプレイリスト
2018年〜2024年のヒップホップの名曲はこちら

【2024年上半期】国内ヒップホップの名曲10選 有力なポピュラー音楽としての結実
2024年、国内におけるヒップホップの勢いはさらに加速した──加速したというより、すでに普遍的な“ポピュラーミュージック”の一つとして完全に定着したと言って差し支えないだろう。BAD HOPが国内のヒップホップアーティストで初となる東京ドーム公演を成功させ、Creepy ...

【2023年】ヒップホップ名曲13選 “生き様”と精神性が問われる今
Awichさんを中心とするフィメールラッパーや沖縄勢の躍進による近年の勢いの結実、YouTubeチャンネル「03- Performance」がけん引する若手ラッパーのフックアップなど、コロナ禍を抜けて活気づく2023年のヒップホップシーン。
一方上半期には、Repezen Foxxがタイのヒップホップフェス「Rolling Loud」に出演したことに…

【2021年】日本のヒップホップ名曲まとめ スタイル際立つおすすめのラップ30選
激動の2021年上半期。
コロナ禍から、2020年に引き続き大規模な野外フェスやライブの開催が減ったことで、ヒップホップシーンでは、自身の流儀を貫くラッパーやインターネットでバイラルする若手など、それぞれのスタイルがより際立っているように感じます。
2021年にMVが公開された楽曲を中心に、KAI-YOU編集部の独…

2020年の日本のヒップホップ名曲15選 若手や女性の躍進も目立つ上半期
記念すべきオリンピックイヤーのはずが、前代未聞の状況に立たされている2020年も、もう半分が終わろうとしています。
新型コロナウイルスの流行や、Black lives matterの議論紛糾など、予想だにしなかった問題と歴史的に抱え続けてきた問題の噴出で社会が揺らいでいます。
人類がかつてない状況を迎えているなか、…

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ラッパーたちへのインタビュー
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- ヒップホップ
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日夜生み出される現象や事象を“ポップなまとめ記事”として紹介する人気連載。いま注目を集めるジャンル、気になったときにチェックしたいトレンド──。KAI-YOUでは「POP」を軸に、さまざまな対象をまとめて紹介していきます。
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