インターネットがサービスとして提供され、インフラとして浸透していくなかで、パソコンが使えなくても、特殊な知識や能力がなくても個人が当たり前のように情報発信や作品発表を行うことが可能になっていく。
これまで、作品や情報発表の場はテレビや雑誌などの組織的メディアが担い、編集者やプロデューサーが見出して版元やレーベルと呼ばれるコンテンツメーカーから商品として出されるもの、アワードなどの権威に認められたもの以外は「同人」であり「インディーズ」として扱われていた。
しかし、ニコニコ動画やpixiv(後にYouTubeも)といったCGMはそんな風景を一変させる。個人が個人のまま、自由に情報やコンテンツを発信することが容易となり、さらにメジャーで活躍する「プロ」とも遜色のないクオリティでもって、人気を獲得することが当たり前のこととなっていく。
また視点を変えると、AppleやGoogle、TencentやAlibabaのように国家すらも越えてしまいかねない新興企業の登場も招いている。売上高が小国の国家予算をも上回り、国家という枠組みに縛られずに展開する民間グローバル企業の躍進は、インターネットがまさにインフラとして根付いたことの象徴ともいえる。
2000年代はそういった組織、個人、あるいは国家といった従来の仕組みに変容が訪れた年代であるともいえる。

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