樹木医試験受験資格 緑サポーター制度の活用
樹木医の資格取得に挑戦してみたいと思いますが、受験資格の実務経験7年というのが大きな壁になります。
(樹木医補という制度があり、実務経験1年で受験資格が得られる制度がありますが、これは指定された大学で学んだ人に限られるので、これから学校にいく人でなければ、さらに難しくなります。)
業務経験は、樹木の保護・育成・管理、樹勢回復等に関する実務あるいは研究に従事した期間を指します。
これを聞くととてもハードルが高いと感じますが、実際には樹木に少しでも関係のある仕事であれば認められるケースがあります。
樹木医試験を実施している日本緑化センターのホームページによると、ビルの管理会社の緑地管理の仕事、公務員で緑化に係る部署、お花屋さん勤めている、造園会社でのアルバイト、農家、林業従事者、小学校の理科の先生などが、場合によっては業務経験として認められることがあると説明されています。
樹木医制度 >よくある質問 > 1.応募資格(業務経歴)について
それでもやはり、そうした業務についていたことを第三者に証明してもらう必要があるので、自分の趣味で庭造りに長年携わってきたという場合は難しいかも知れません。
定年後の第二の人生で樹木医を目指そうとしても、これから造園会社にお勤めするのはかなりの決意がいります。
そのような場合に活用できる一つの方法が 「緑サポーター」 制度です。
わたしも樹木医になってから知った制度です。
まずは、緑サポーター制度について説明します。
緑化センターのホームページから引用しています。 緑サポーター養成事業
2.緑サポーターとは
緑サポーターとは、緑サポーターの名称を用いて、樹木医の指導の下で緑の保全に関する相談や指導の補助的な活動を行ったり、地域住民と行政との架け橋的な役割を担う者のことです。
緑サポーターになるためには、地方公共団体あるいは緑化関連団体の行う「緑サポーター養成研修」(当センターの承認を受ける必要があります)を6日以上受講し、当センターへ申請、登録※3を受けることにより、「緑サポーター」と称し、名刺等に記載し、業務や活動を行うことができます。
緑サポーターには地方公共団体や緑化関連団体が開催する緑サポーター要請研修に出席するとなることができます。1日3時間以上の研修を6日以上受けなければなりません。
驚いたことにこの研修費用は無料なのです。また研修後に登録料がかかりますが、これは3,000円だけです。
授業料を払ってでも受講したいと思うのに、6日間も無料で受けられるのです。
そして緑サポーターになることによって得られるメリットがとても大きいのです。
メリットのひとつが次のように説明されています。
(3)樹木医資格取得のための業務経験の取得
緑サポーター養成研修に参加し、緑サポーターに登録すると、登録年度の翌年度以降に、緑サポーターの名称を用いて、樹木医の指導の下で年間30日間以上の活動(緑の保全に関する相談や指導等の補助的な活動)を行い、指導者である樹木医の属する(一社)日本樹木医会都道府県支部長の証明を受けることで、樹木医研修受講者選抜試験の応募※4に必要な業務経験年数の 1 年間として換算することができます。
つまり、樹木に関する仕事に従事していない方でも、緑サポーターとしての活動を地道に続けることで、将来的には樹木医研修受講者選抜試験に応募することが可能となります(7年間分の証明が必要)。なお、緑サポーターのほか、樹木医補の資格を取得していれば、1年間分(樹木医の指導の下で年間30日間以上の活動)の証明で応募できます。
ただし、日本緑化センターは樹木医を紹介することはできません。ご指導いただく樹木医はご自身でお探しいただきます。
緑サポーターになって年間30日、樹木医の指導の下で活動すると、実務経験1年に数えることができるそうです。
この制度が活用できれば、樹木医試験の受験資格を7年で満たすことができます。
山梨県では、緑化推進事業が手厚く、この緑サポーター養成研修も毎年実施されています。
それ以外にも巨樹名木学習講座や緑の教室などが年間を通してたくさん企画されています。

上の写真は今年6月に巨樹名木学習講座に参加したときの様子です。トチノキの巨木を見学しています。

全8回の講座で大人気です。
このような状況でしたから、てっきり、どの県でも同じような状況だと思っていました。
しかし調べて見ると、各県によってまったく様子が違うようです。
ネットで調べた状況なので正確ではないかも知れませんが、緑サポーター養成研修が実施されていない県も多くありそうです。
少なくとも、山梨県以外に、高知県、福井県、東京の国立市では緑サポーター養成研修が行われていました。
それ以外はネットでは見つけることができませんでした。
緑のサポーターというような似たような名称の緑化ボランティアについては各地にありましたが、これは樹木医試験の受験資格を満たす活動とは別のもののようです。
しかし、このような樹木医の資格取得を開く道が用意されているので、本気で樹木医になりたいと思われる方は、都道府県の緑化推進の部署などに「緑サポーター養成研修」が実施されていないかを尋ねてみると良いと思います。