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イオン (化学)

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(2012年6月)
イオン
プラズマイオン化した気体である
組成電荷を帯びた原子
相互作用
電荷±eの整数倍
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イオン:Ion:ion:離子)とは、電子の過剰あるいは欠損により電荷を帯びた原子またはのことである[1]

電離層などのプラズマ[2]電解質水溶液[3]イオン結晶などのイオン結合性を持つ物質内などに存在する[4]

陰極や陽極に引かれて動くことから、ギリシャ語ιόν(イオン、英語ラテン翻字:ion"going"の意)より、ion(移動)の名が付けられた[5]

イオンの種類

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電荷による種類

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陽イオン /カチオン
電子を放出して正の電荷を帯びた原子、または原子団を陽イオン(ようイオン、英:positive ion[6]、あるいはカチオン (cation) と呼ぶ[7]金属元素には安定した陽イオンを形成するものが多い[8]
陰イオン /アニオン
電子を受け取って負の電荷を帯びた原子、または原子団を陰イオン(いんイオン、negative ion[9]、あるいはアニオン (anion) と呼ぶ[10]ハロゲン酸素などは安定した陰イオンを形成する[11][12]
気相のイオン
物理学化学物理学の分野では、気相のイオンに対して、陽イオンの代わりに正イオン(せいイオン、英:positive ion、カチオン)、陰イオンの代わりに負イオン(ふイオン、negative ion、アニオン)が多く用いられる。大気電気学では、気相のイオンを大気イオン(たいきイオン、atmospheric ion)と呼ぶ。

なお、マイナスイオンという用語は、1922年に、空気中の陰イオンの訳語として紹介された和製英語である[13]。一部では負イオン(負の大気イオン)の意味でマイナスイオンが使われる場合があり、2002年前後を中心に国内の学会で、日本の多くの研究者が使用した実態があった。またマスコミ等では、陰イオンをマイナスイオンと誤報道する事例もある。流行語にもなったが、この文脈では定まった科学的定義がないために、科学用語として認められないとする批判がある[14]

構成による種類

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単原子イオン
一つの原子からなるイオン。単原子イオンを参照。
多原子イオン
複数の原子からなるイオン。多原子イオンを参照。
錯イオン
電子を放出したり、受け取ったりして正または負の電荷を帯びた錯体錯イオン(さくイオン、英:complex ion)と呼ぶ[15]
クラスターイオン
同種の原子、あるいは分子が、相互作用によって複数個結合した物体が電荷を帯びたものをクラスターイオン (cluster ion) と呼ぶ[16]

イオン価

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イオンの電荷の数をイオン価(英:valency)、あるいはイオンの価数という[17]。陽イオン、陰イオン、どちらでも価数は正の値として表わすことも多い[17]。たとえば二塩基酸である硫酸は2価(「イオン価が2」、「価数が2」)の硫酸イオンになれる。

イオンの表し方

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化学式の右肩に価数を記す。ただし、1価の場合は符号のみ記す[18]

イオンの名称は、陽イオンについては「元素名+イオン」(例:水素イオン)、陰イオンについては「元素名 − 「素」 + 化物イオン」(例:硫化物イオン)と表す。ただし、どちらも例外が多い[19]。原子1個のイオンを単原子イオン、複数の原子で構成されるイオンを多原子イオンと呼ぶ。

また、主なイオンの名称とイオン式を覚えておけば、物質名から化学式がある程度推測できる。

主なイオン

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おもな陽イオン
価数イオン名イオン式
1単原子イオン
水素イオンH+{\displaystyle {\ce {H^+}}}
リチウムイオンLi+{\displaystyle {\ce {Li^+}}}
ナトリウムイオンNa+{\displaystyle {\ce {Na^+}}}
カリウムイオンK+{\displaystyle {\ce {K^+}}}
銀イオンAg+{\displaystyle {\ce {Ag^+}}}
銅(I) イオンCu+{\displaystyle {\ce {Cu^+}}}
水銀(I) イオンHg22+{\displaystyle {\ce {Hg2^{2+}}}}
多原子イオン
オキソニウムイオンH3O+{\displaystyle {\ce {H3O^+}}}
アンモニウムイオンNH4+{\displaystyle {\ce {NH4^+}}}
錯イオン
ジアンミン銀イオン[Ag(NH3)2]+{\displaystyle {\ce {[Ag(NH3)2]^+}}}
ビオレオ[CoCl2(NH3)4]+{\displaystyle {\ce {[CoCl2(NH3)4]^+}}}
2単原子イオン
マグネシウムイオンMg2+{\displaystyle {\ce {Mg^{2+}}}}
カルシウムイオンCa2+{\displaystyle {\ce {Ca^{2+}}}}
ストロンチウムイオンSr2+{\displaystyle {\ce {Sr^{2+}}}}
バリウムイオンBa2+{\displaystyle {\ce {Ba^{2+}}}}
カドミウムイオンCd2+{\displaystyle {\ce {Cd^{2+}}}}
ニッケル(II) イオンNi2+{\displaystyle {\ce {Ni^{2+}}}}
亜鉛イオンZn2+{\displaystyle {\ce {Zn^{2+}}}}
銅(II) イオンCu2+{\displaystyle {\ce {Cu^{2+}}}}
水銀(II) イオンHg2+{\displaystyle {\ce {Hg^{2+}}}}
鉄(II) イオンFe2+{\displaystyle {\ce {Fe^{2+}}}}
コバルト(II) イオンCo2+{\displaystyle {\ce {Co^{2+}}}}
スズ(II) イオンSn2+{\displaystyle {\ce {Sn^{2+}}}}
鉛(II) イオンPb2+{\displaystyle {\ce {Pb^{2+}}}}
マンガン(II) イオンMn2+{\displaystyle {\ce {Mn^{2+}}}}
錯イオン
テトラアンミン亜鉛(II) イオン[Zn(NH3)4]2+{\displaystyle {\ce {[Zn(NH3)4]^{2+}}}}
テトラアンミン銅(II) イオン[Cu(NH3)4]2+{\displaystyle {\ce {[Cu(NH3)4]^{2+}}}}
テトラアクア銅(II) イオン[Cu(H2O)4]2+{\displaystyle {\ce {[Cu(H2O)4]^{2+}}}}
チオシアニド鉄(III) イオン[Fe(SCN)]2+{\displaystyle {\ce {[Fe(SCN)]^{2+}}}}
ヘキサアンミンニッケル(II) イオン[Ni(NH3)6]2+{\displaystyle {\ce {[Ni(NH3)6]^{2+}}}}
プルプレオ[CoCl(NH3)5]2+{\displaystyle {\ce {[CoCl(NH3)5]^{2+}}}}
3単原子イオン
アルミニウムイオンAl3+{\displaystyle {\ce {Al^{3+}}}}
鉄(III) イオンFe3+{\displaystyle {\ce {Fe^{3+}}}}
クロム(III) イオンCr3+{\displaystyle {\ce {Cr^{3+}}}}
錯イオン
ヘキサアンミンコバルト(III) イオン[Co(NH3)6]3+{\displaystyle {\ce {[Co(NH3)6]^{3+}}}}
ヘキサアクアコバルト(III) イオン[Co(H2O)6]3+{\displaystyle {\ce {[Co(H2O)6]^{3+}}}}
ヘキサアンミンクロム(III) イオン[Cr(NH3)6]3+{\displaystyle {\ce {[Cr(NH3)6]^{3+}}}}
ローゼオ[Co(NH3)4(H2O)2]3+{\displaystyle {\ce {[Co(NH3)4(H2O)2]^{3+}}}}
4単原子イオン
スズ(IV) イオンSn4+{\displaystyle {\ce {Sn^{4+}}}}
マンガン(IV) イオンMn4+{\displaystyle {\ce {Mn^{4+}}}}
おもな陰イオン
価数イオン名イオン式
1単原子イオン
水素化物イオンH{\displaystyle {\ce {H^-}}}
フッ化物イオンF{\displaystyle {\ce {F^-}}}
塩化物イオンCl{\displaystyle {\ce {Cl^-}}}
臭化物イオンBr{\displaystyle {\ce {Br^-}}}
ヨウ化物イオンI{\displaystyle {\ce {I^-}}}
多原子イオン
水酸化物イオンOH{\displaystyle {\ce {OH^-}}}
シアン化物イオンCN{\displaystyle {\ce {CN^-}}}
硝酸イオンNO3{\displaystyle {\ce {NO3^-}}}
亜硝酸イオンNO2{\displaystyle {\ce {NO2^-}}}
次亜塩素酸イオンClO{\displaystyle {\ce {ClO^-}}}
亜塩素酸イオンClO2{\displaystyle {\ce {ClO2^-}}}
塩素酸イオンClO3{\displaystyle {\ce {ClO3^-}}}
過塩素酸イオンClO4{\displaystyle {\ce {ClO4^-}}}
過マンガン酸イオンMnO4{\displaystyle {\ce {MnO4^-}}}
酢酸イオンCH3COO{\displaystyle {\ce {CH3COO^-}}}
炭酸水素イオンHCO3{\displaystyle {\ce {HCO3^-}}}
リン酸二水素イオンH2PO4{\displaystyle {\ce {H2PO4^-}}}
硫酸水素イオンHSO4{\displaystyle {\ce {HSO4^-}}}
硫化水素イオンHS{\displaystyle {\ce {HS^-}}}
チオシアン酸イオンSCN{\displaystyle {\ce {SCN^-}}}
シュウ酸水素イオンH(COO)2{\displaystyle {\ce {H(COO)2^-}}}
超酸化物イオンO2{\displaystyle {\ce {O2^-}}}
錯イオン
テトラヒドロキシドアルミン酸イオン[Al(OH)4]{\displaystyle {\ce {[Al(OH)4]^-}}}
[Al(OH)4(H2O)2]{\displaystyle {\ce {[Al(OH)4(H2O)2]^-}}}
ジシアニド銀(I) 酸イオン[Ag(CN)2]{\displaystyle {\ce {[Ag(CN)2]^-}}}
テトラヒドロキシドクロム(III) 酸イオン[Cr(OH)4]{\displaystyle {\ce {[Cr(OH)4]^-}}}
テトラクロリド金(III) 酸イオン[AuCl4]{\displaystyle {\ce {[AuCl4]^-}}}
2単原子イオン
酸化物イオンO2{\displaystyle {\ce {O^{2-}}}}
硫化物イオンS2{\displaystyle {\ce {S^{2-}}}}
多原子イオン
過酸化物イオンO22{\displaystyle {\ce {O2^{2-}}}}
硫酸イオンSO42{\displaystyle {\ce {SO4^{2-}}}}
亜硫酸イオンSO32{\displaystyle {\ce {SO3^{2-}}}}
チオ硫酸イオンS2O32{\displaystyle {\ce {S2O3^{2-}}}}
炭酸イオンCO32{\displaystyle {\ce {CO3^{2-}}}}
クロム酸イオンCrO42{\displaystyle {\ce {CrO4^{2-}}}}
二クロム酸イオンCr2O72{\displaystyle {\ce {Cr2O7^{2-}}}}
シュウ酸イオン(COO)22{\displaystyle {\ce {(COO)2^{2-}}}}
リン酸一水素イオンHPO42{\displaystyle {\ce {HPO4^{2-}}}}
錯イオン
テトラヒドロキシド亜鉛(II) 酸イオン[Zn(OH)4]2{\displaystyle {\ce {[Zn(OH)4]^{2-}}}}
テトラシアニド亜鉛(II) 酸イオン[Zn(CN)4]2{\displaystyle {\ce {[Zn(CN)4]^{2-}}}}
テトラクロリド銅(II) 酸イオン[CuCl4]2{\displaystyle {\ce {[CuCl4]^{2-}}}}
3多原子イオン
リン酸イオンPO43{\displaystyle {\ce {PO4^{3-}}}}
錯イオン
ヘキサシアニド鉄(III) 酸イオン[Fe(CN)6]3{\displaystyle {\ce {[Fe(CN)6]^{3-}}}}
ビス(チオスルファト)銀(I) 酸イオン[Ag(S2O3)2]3{\displaystyle {\ce {[Ag(S2O3)2]^{3-}}}}
4錯イオン
ヘキサシアニド鉄(II) 酸イオン[Fe(CN)6]4{\displaystyle {\ce {[Fe(CN)6]^{4-}}}}

脚注

[編集]
  1. ^イオン - 電荷を帯びた原子・分子|蓄電池バンク”. 蓄電池バンク. 2022年7月18日閲覧。
  2. ^電波50のなぜ”. www.isee.nagoya-u.ac.jp. 2022年7月18日閲覧。
  3. ^電解質(イオン)とは|大塚製薬”. 大塚製薬株式会社 Otsuka Pharmaceutical. 2022年7月18日閲覧。
  4. ^イオン結晶とは?イオン結晶のポイントを分かりやすく解説|高校生向け受験応援メディア「受験のミカタ」”. 高校生向け受験応援メディア「受験のミカタ」. 2022年7月18日閲覧。
  5. ^第2版, 知恵蔵,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,化学辞典 第2版,百科事典マイペディア,日本の企業がわかる事典2014-2015,精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞泉プラス,デジタル大辞泉,栄養・生化学辞典,世界大百科事典. “イオンとは”. コトバンク. 2022年7月18日閲覧。
  6. ^ようイオン【陽イオン】 | よ | 辞典”. 学研キッズネット. 2022年7月18日閲覧。
  7. ^カチオンとは”. www.paint-works.net. 2022年7月18日閲覧。
  8. ^化学講座 第10回:イオン結合とイオン性物質・金属結合と金属結晶”. 私立大学医学部受験を決めたら 私立大学医学部に入ろう!ドットコム. 2022年7月18日閲覧。
  9. ^いんイオン【陰イオン】 | い | 辞典”. 学研キッズネット. 2022年7月18日閲覧。
  10. ^アニオン | 用語集 | フッ素化学品事業 | AGC 化学品カンパニー”. www.agc-chemicals.com. 2022年7月18日閲覧。
  11. ^第44章 ハロゲンの単体と化合物”. www.osaka-kyoiku.ac.jp. 2022年7月18日閲覧。
  12. ^化学/原子の電気/イオンの種類/酸素イオン”. life-science-edu.net. 2022年7月18日閲覧。
  13. ^西川義方、西川一郎 『オープンアクセス内科診療の実際』 南山堂、1922年(絶版)、doi:10.11501/934165全国書誌番号:43004994
  14. ^「マイナスイオン」どこがニセ科学か”. ruby.kyoto-wu.ac.jp. 2022年7月18日閲覧。
  15. ^錯イオンとは(覚え方・色・配位数) | 理系ラボ”. rikeilabo.com (2019年11月14日). 2022年7月18日閲覧。
  16. ^第2版, 化学辞典. “クラスターイオンとは”. コトバンク. 2022年7月18日閲覧。
  17. ^ab「イオン価」『岩波理化学辞典』(第3版増補版第3刷)岩波書店、東京、1982年11月5日(原著1981年)。 
  18. ^中3化学【イオンとは】”. 中学理科 ポイントまとめと整理 (2022年5月31日). 2022年7月18日閲覧。
  19. ^化学(イオンの表記)|技術情報館「SEKIGIN」|イオン状態の表記法,イオン式の書き方,水素イオン,ヒドロニウムイオン,オキソニウムイオンなど,主なイオン名称とイオン式の例を紹介”. sekigin.jp. 2022年7月18日閲覧。

関連項目

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ウィキメディア・コモンズには、イオン (化学)に関連するカテゴリがあります。
ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。
素粒子
フェルミ粒子
クォーク
レプトン
ボース粒子
ゲージ粒子
スカラー粒子
その他
仮説上の
素粒子
超対称性粒子
ボシーノ
ゲージーノ
スフェルミオン
ゲージ粒子
位相欠陥
その他
複合粒子
ハドロン
バリオン/ハイペロン
中間子/クォーコニウム
異種原子
その他
仮説上の
複合粒子
異種ハドロン
異種バリオン
異種中間子
その他
準粒子
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