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川上猛

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 川上猛 七段
名前川上猛
生年月日 (1972-07-12)1972年7月12日(53歳)
出身地東京都足立区
棋士情報
プロ入り年月日1993年4月1日(20歳)
引退年月日2025年9月16日(53歳)
棋士番号206
所属日本将棋連盟(関東)
師匠平野広吉七段
段位七段
棋士DB川上猛
戦績
通算成績426勝431敗 (勝率 0.497)
竜王戦最高クラス3組
順位戦最高クラスC級2組(20期)
2025年9月16日現在
■テンプレート■プロジェクト

川上 猛(かわかみ たけし、1972年7月12日 - )は、将棋棋士棋士番号は206。東京都足立区出身。平野広吉七段門下。

棋歴

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中学1年の頃、第10回中学生名人戦で準優勝(優勝者は屋敷伸之)。翌年の第11回では優勝。

中学3年の春(1987年)に、奨励会に入会。その2年後の1989年1月15日に、師匠の平野広吉が73歳で他界する。

初参加の三段リーグ(1992年度後期)において15勝3敗で1位の成績を収め、三段リーグを1期抜けしてプロ入りする。

その翌年(1994年度)、早くも銀河戦(第3期、非公式戦時代)で準優勝する活躍を見せる(優勝者は田中寅彦)が、第53期順位戦では2勝8敗と振るわず降級点を喫する。

1995年度、第9期竜王戦の竜王ランキング戦6組で優勝。挑戦権を争う本戦トーナメントでは初戦で敗退したが、5組に昇級した。

△森内 銀歩三
987654321 
     
       
     
    
      
     
   
      
     
▲川上 銀
図1:第56手 △5五同飛まで

1998年9月18日の全日プロでは森内俊之八段と対局。研究の妙手を見せた。図1は当時よく指されていた矢倉3七銀戦法から先手が飛車を中央に回し、後手が追随した結果、中央で銀交換が行われ、それを森内が同飛と銀を取り返した局面。第1図以下、▲同飛△同角と飛車交換も行われ、▲1五香△同銀▲2五桂△3七角成▲4一飛△2六馬に対して、▲1二歩△同香▲1三角成と妙手を放ったのが第2図。

△森内 飛銀香歩五
987654321 
     
      
     
     
      
     
    
       
       
▲川上 銀
図2:第67手 ▲1三角成まで

第2図以下は△1三同香の一手に▲1一銀△同玉(△1二玉は▲4三飛成)▲1三桂成△1二銀▲4三飛成△8二飛(△4三同金は▲2二金)と森内が必死の抵抗を見せ、川上の失着もあって金星とはならなかったが、存在感を見せた。

2004年度、第18期竜王ランキング戦4組で優勝して、3組へ昇級。また、本戦トーナメントでは、初戦で3組2位の島朗を破り、準々決勝に進出した。

2006年度、第14期銀河戦で決勝トーナメント進出。高橋道雄に勝ち、ベスト8。

2012年度、第71期順位戦C級2組で3つ目の降級点を取り、フリークラス陥落が決定した。

2017年10月17日、第66期王座戦一次予選(対中座真七段)に勝ち、七段に昇段した[1]

フリークラス在籍期限まで残り4年となった2019年度は、2020年3月10日時点で年度成績17勝11敗(勝率0.607、10棋戦参加)となり、3月末までに組まれた2局のうち1勝すれば「年度内に『参加棋戦数+8』勝以上、かつ勝率6割以上」の規定により順位戦C組2組への復帰できる状況であったが、残る2局の対中座真戦(3月25日・第70期王将戦 一次予選)、対窪田義行戦(3月30日・第33期竜王戦 5組昇決)を連敗し、2019年度を17勝13敗(勝率0.567、10棋戦参加)の成績で終えて順位戦への復帰を逃した。

2019年度成績での順位戦復帰は適わなかったが、この期間の好成績により2020年7月17日時点で直近31局の成績を20勝11敗(勝率0.645)とし、次の対局に勝利すれば「連続30局以上の勝率が6割5分以上」の規定により順位戦へ復帰できる状況となった。しかし、7月30日の第92期棋聖戦一次予選で北島忠雄に敗れ、順位戦への復帰を再び逃した。

2022年度、第35期竜王ランキング戦5組で決勝へ進出し4組昇級を決めたが、順位戦復帰の規定を満たす成績は修められず、同年度限りでフリークラスの在籍期限が満了となった。2023年度以降は、竜王戦のみの出場(ランキング戦4組以上の在籍または5組最大2年間が条件)となる。

2022年度時点で「三段リーグを1期で通過しながら順位戦の昇級歴が無い(最高位C級2組)」唯一の棋士である。

2023年5月23日、第36期竜王戦4組残留決定戦で中村太地に勝ち、4組残留を決めた。2010年に制定された引退規定が適用されて以降、引退決定後に竜王戦限定で継続出場した棋士は、第34期桐山清澄藤倉勇樹に続き3例目だが、引退決定の時点で4組以上に在籍し、次期の竜王戦に継続出場が確定していたのは川上が初のケースである[注 1]

竜王戦で4組以上に在籍し続ければ引退決定後も無期限で出場し続けられる立場であったが、第37期はランキング戦・昇級者決定戦・残留決定戦を立て続けに落とし5組に降級。続く第38期が特例期限の2期目となるため、第38期において4組への復帰昇級ができない場合は引退となる。

第38期竜王戦では5組ランキング戦で2勝した後に山本博志に敗れ昇級者決定戦へと回り、2025年9月16日の昇級者決定戦で出口若武に敗れたことで5組残留となり、現役を引退した[2][3]

棋風

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デビュー以来、相矢倉、および、居飛車振り飛車の対抗形(どちらを持っても指す)を好み、飛車を振る場合は四間飛車にすることが多い。

2008年前後からは、後手番一手損角換わりも指している。

昇段履歴

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→昇段規定については「将棋の段級」を参照
  • 1987年00月00日 : 6級 =奨励会入会
  • 1990年00月00日 : 初段
  • 1992年06月00日 : 三段(第12回奨励会三段リーグ〈1992年度後期〉から三段リーグ参加)[4]
  • 1993年04月01日 : 四段(第12回奨励会三段リーグ成績1位、三段リーグ1期抜け) = プロ入り[5]
  • 1999年06月03日 : 五段(勝数規定/公式戦100勝、通算100勝)[6]
  • 2005年09月20日 : 六段(勝数規定/五段昇段後公式戦120勝、通算220勝)[7]
  • 2017年10月17日 : 七段(勝数規定/六段昇段後公式戦150勝、通算370勝)[1]
  • 2025年09月16日 : 引退(フリークラス棋士規定、通算426勝431敗)[2][3]

主な成績

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通算成績:857対局 426勝 431敗(勝率0.4970)[8]

在籍クラス

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→竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
順位戦・竜王戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)順位戦
出典[9]
(出典)竜王戦
出典[10]
名人A級B級C級0竜王1組2組3組4組5組6組決勝
T
1組2組1組2組
199352C2537-376組--2-1/昇1-1
199453C215x2-886組--2-1/昇0-1
199554C242*5-596組0-15-0/昇0-0
199655C227*7-3105組--0-1/昇0-1/残1-0
199756C208*4-6115組--3-1/昇1-0
199857C225*6-4124組--1-1/昇0-1
199958C216*6-4134組--1-1/昇1-1
200059C212*6-4144組--0-1/昇2-1
200160C211*4-6154組--0-1/昇3-1
200261C225*8-2164組--0-1/昇2-1
200362C203*4-6174組--1-1/昇0-1
200463C224*6-4184組1-15-0/昇0-0
200564C219*5-5193組--0-1/昇0-1
200665C227*7-3204組--0-1/昇1-1
200766C209*6-4214組--3-1/昇0-1
200867C212*4-6224組--1-1/昇3-1
200968C229*5-5234組--2-1/昇1-1
201069C224*3-7244組--0-1/昇0-1/残0-1
201170C233*x1-9255組--2-1/昇1-1
201271C241**x2-8265組--0-1/昇1-1
201372F編275組--0-1/昇0-1/残1-0
201473F編285組--0-1/昇1-1
201574F編295組--0-1/昇2-1
201675F編305組--0-1/昇0-1/残1-0
201776F編315組--0-1/昇0-1/残1-0
201877F編325組--0-1/昇3-1
201978F編335組--0-1/昇1-1
202079F編345組--1-1/昇0-1
202180F編355組--4-1/昇0-0
202281F編364組--0-1/昇0-1/残1-0
812022年度末で「F編」在籍期限満了3636期4組残留/37期以降は引退予定者特例での参加
4組以上の在籍(37-38期は5組以上)が参加条件
202382F編374組--0-1/昇0-1/残0-1
202483F編385組--2-1/昇1-1 (5組残留)
202584F編2025年9月16日 引退
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 (x当期降級点 / *累積降級点 /+降級点消去 )
順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。
竜王戦の 太字はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。
※2023年度以降は竜王戦のみ参加する「引退予定者」、特例参加期間は37期が1期目、38期が2期目

年度別成績

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公式棋戦成績
年度対局数勝数負数勝率(出典)
1993年度2916130.5520[11]
1994年度3111200.3540[12]
1995年度3116150.5160[13]
1996年度3519160.5430[14]
1997年度3116150.5160[15]
1998年度3419150.5590[16]
1999年度3923160.5900[17]
2000年度3216160.5000[18]
(小計)262136126
年度対局数勝数負数勝率(出典)
2001年度3114170.4516[19]
2002年度3521140.6000[20]
2003年度3620160.5555[21]
2004年度3421130.6176[22]
2005年度3721160.5675[23]
2006年度3218140.5625[24]
2007年度3523120.6571[25]
2008年度3213190.4063[26]
2009年度2813150.4643[27]
2010年度247170.2917[28]
(小計)324171153
(累計)586307279
年度対局数勝数負数勝率(出典)
2011年度256190.2400[29]
2012年度278190.2963[30]
2013年度199100.4737[31]
2014年度2111100.5238[32]
2015年度2515100.6000[33]
2016年度197120.3684[34]
2017年度219120.4285[35]
2018年度221390.5909[36]
2019年度3017130.5666[37]
2020年度2111100.5238[38]
(小計)230106124
(累計)816413403
年度対局数勝数負数勝率(出典)
2021年度165110.3125[39]
2022年度154110.2666[40]
2023年度4130.2500[41]
2024年度3210.6666[42]
2025年度3120.3333[43]
(小計)411328
通算8574264310.4970[8]
2025年度まで

脚注

[編集]
[脚注の使い方]

注釈

[編集]
  1. ^桐山及び藤倉は引退決定の時点で5組在籍だったため、6組に降級した場合は引退、2年以内に4組に昇級できなければ引退という条件付きであった。

出典

[編集]
  1. ^ab川上猛六段が七段に昇段|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2017年10月20日). 2017年10月20日閲覧。
  2. ^ab川上猛七段が引退」『日本将棋連盟』2025年9月17日。
  3. ^ab竜王戦:十八番の矢倉に託すも無念の逆転負け…引退局となった53歳の川上七段「公式戦を指せなくなることは寂しい」<5組昇級者決定戦・川上猛七段-出口若武六段>」『読売新聞オンライン』読売新聞、2025年9月16日。
  4. ^近代将棋 1992年9月号』210頁。 -国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  5. ^近代将棋 1993年5月号』43頁,180-181頁。 -国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  6. ^近代将棋 1999年9月号』187頁。 -国立国会図書館デジタルコレクション収蔵
  7. ^棋士の昇段など(日本将棋連盟からのお知らせ)」『日本将棋連盟』。2005年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  8. ^ab通算成績(2025年9月16日対局分まで)」『日本将棋連盟』。2025年9月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  9. ^名人戦・順位戦」『日本将棋連盟』。
  10. ^竜王戦」『日本将棋連盟』。
  11. ^1993年度成績 - 日本将棋連盟
  12. ^1994年度成績 - 日本将棋連盟
  13. ^1995年度成績 - 日本将棋連盟
  14. ^1996年度成績 - 日本将棋連盟
  15. ^1997年度成績 - 日本将棋連盟
  16. ^1998年度成績 - 日本将棋連盟
  17. ^1999年度成績 - 日本将棋連盟
  18. ^2000年度成績 - 日本将棋連盟
  19. ^2001年度成績 - 日本将棋連盟
  20. ^2002年度成績 - 日本将棋連盟
  21. ^2003年度成績 - 日本将棋連盟
  22. ^2004年度成績 - 日本将棋連盟
  23. ^2005年度成績 - 日本将棋連盟
  24. ^2006年度成績 - 日本将棋連盟
  25. ^2007年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  26. ^2008年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  27. ^2009年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  28. ^2010年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  29. ^2011年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  30. ^2012年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  31. ^2013年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  32. ^2014年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  33. ^2015年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  34. ^2016年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  35. ^2017年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  36. ^2018年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  37. ^2019年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  38. ^2020年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  39. ^2021年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  40. ^2022年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  41. ^2023年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  42. ^2024年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟
  43. ^2025年度棋士成績・記録 - 日本将棋連盟

関連項目

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外部リンク

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日本将棋連盟所属 引退棋士および退会者
引退年不詳
1930年代
引退者
1940年代
引退者
1950年代
引退者
1960年代
引退者
1970年代
引退者
1980年代
引退者
1990年代
引退者
2000年代
引退者
2010年代
引退者
2020年代
引退者
退会者
引退棋士 全174名(日本将棋連盟所属、棋士番号割当者〈※番号なし、人数に含めず〉、うち故人102〈下線表記〉)、退会者3名。
現役棋士については「Template:日本将棋連盟所属棋士」を参照 / 棋士全般についての詳細は「将棋棋士一覧」を参照
日本将棋連盟所属現役棋士2025年度、当年度引退者含む)
タイトル
保持者
【7名】
永世称号 襲位者0
永世称号
有資格者
九段
【27名】
(引退1名)
2025年度昇段者
八段
【34名】
(引退3名)
2025年度昇段者
七段
【46名】
(引退3名)
2025年度昇段者
六段
【29名】
2025年度昇段者
五段
【19名】
2025年度昇段者
四段
【18名】
2025年04月1日付 昇段者
2025年10月1日付 昇段者
2025年度
引退者
【7名】

  九段  福崎文吾 ( 2025年4月22日引退 )
  七段  木下浩一 ( 2025年4月23日引退 )
  七段  増田裕司 ( 2025年4月23日引退 )
  八段  長沼洋 ( 2025年5月1日引退 )
  八段  有森浩三 ( 2025年5月15日引退 )
  七段  川上猛 ( 2025年9月16日引退 )
  八段  泉正樹 ( 2025年11月4日引退 )

日本将棋連盟所属(現役棋士 173名 / 2025年度引退者 7名、2025年11月13日時点)
2025年度の昇段(期中の昇段月。月表記なしは年度開始の4月1日付昇段)。引退者の(日付)は引退日。
これまでの引退棋士・退会者についてはTemplate:日本将棋連盟引退棋士参照。詳細は将棋棋士一覧を参照。
2026年度 >>
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