‘ABC News’,September 30, 2017 付け
“10 most common words Americans use to describe Trump (POLL)”
「米国人がトランプを表現する際に最もよく使う10の言葉(世論調査)」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
***********************
Respondents were asked what one word best describes their impression of Trump.
回答者には,トランプに対する印象を最もよく表す言葉を尋ねた。
ドナルド・トランプ大統領に対する人々の考えは,彼が初めて大統領選への出馬を表明して以来,そして就任後8ヶ月間,綿密に追跡調査されてきた。好感度(favorability)と職務承認度(job approval)を数値化すると,政治的立場を問わず米国民から激しい感情と反応を引き起こす(elicits),分極化した(polarizing)大統領であることが明らかになる。
こうした感情の本質をより深く理解し,米国民が自身の言葉で大統領を描写する機会を与えるため,ABCニュース/ワシントン・ポストの最新世論調査では,回答者に次のような質問をした:「トランプの印象を最もうまく表す言葉は何か? 彼を最もよく表す言葉は何か?(What ONE WORD best describes your impression of Trump? Just the one word that best describes him.)」
回答者1,002人のうち,942人(94%)が,トランプ大統領の印象を最もよく表す言葉は何かという自由回答形式の(open-ended)質問に回答した。
トランプ大統領があらゆる政治問題や文化問題について臆することなく(not afraid to)発言するのと同様に,回答者も トランプ大統領に対する自身の感情について臆することなく発言しているようである。
この質問に対して寄せられた384件の回答から得られた知見の一部をご紹介する。
The words we saw most often /最も多く見られた言葉
全体的に見て,トランプの印象を最もよく表す言葉は「無能(incompetent)」(4%)だった。
回答者が挙げた最も多かった10の言葉は、「無能(incompetent)」,「傲慢(arrogant)」,「強い(strong)」,「馬鹿(idiot)」,「自己中心的(egotistical)」,「無知(ignorant)」,「素晴らしい(great)」,「人種差別主義者(racist)」,「アホ(a------)」,「ナルシスト(narcissistic)」だった。
「強い(strong)」(3%)は,回答者が大統領を表現する際に最も多く使った肯定的な言葉だった。これは,多くの回答者がトランプの職務遂行能力に疑問(reservations)を抱いている一方で,依然として彼を力強い人物と見なしていることを示している。その他の肯定的な言葉としては,「決意の固い(determined)」(1%),「米国人」(1%),「愛国心のある(patriotic)」(1%)などが挙げられた。
回答者の9%が,大統領の職務遂行能力を示唆する言葉を用いていた。具体的には,「不適格(unqualified)」(2%),「無知(ignorant)」(2%)、「不適格(unfit)」(1%)といった言葉が挙げられる。
これらの言葉の使用頻度の計算には,「利己的」(“egotist”and “egotistical”),「偉大」(“great”and “greatness”),「馬鹿」(“idiot”and “idiotic”)など同義語の組み合わせも含まれていた。
It’s not policy, it’s personal /それは政策の問題ではなく、個人的な問題だ
米国民を対象とした全国調査から浮かび上がった大きなテーマの一つは,トランプに対する評価は,政策やイデオロギーではなく,主に彼の人格(personality)によって左右されているようだ,という点だ。
肯定的な側面としては,「強い」(3%),「偉大な」(2%),「決断力のある」(1%),「リーダー」(1%)といった言葉が,多くの人が使った言葉として挙げられた。
最も多く見られた否定的な回答には,「傲慢」(3%),「自己中心的な」(2%),「馬鹿」(2%),「ナルシスト」(2%)といった言葉があった。
回答の中には,あまりにも熱くなりすぎて言及できないものもあった。回答者が大統領を表現するために使った6つの単語は,掲載に適さないため省略(abbreviated)せざるを得なかった。
しかしながら,全体としては,回答には政策的な要素が欠けていた(devoid)。大統領を「保守派」 または「共和党員」と表現した回答者は一人もいなかった。
A consultant’s view /コンサルタントの見解
ABCニュースは,共和党の政治コンサルタントでABCニュース寄稿者のアレックス・カステリャーノス(Alex Castellanos)に自由回答形式の質問の結果を報告し,カステリャーノスは,こうした言葉で表現される候補者にどのようなアドバイスをするかについて意見を述べた。
「このようなワード・クラウドを持つ候補者は,誰の声にも耳を傾けていない。」とカステリャーノスは述べた。
カステリャーノスはまた,「強さ」という概念にも焦点を当て,多くの人が大統領を「強い」と表現しているものの,全体として見ると,こうした表現はより広い全体像(broader picture)を描き出していると述べた。
「予測不可能な強さ,それがプルトニウムだ。プルトニウムが家を暖めるのか,それとも町を吹き飛ばすのか,分からない。」とカステリャーノスは述べた。「人々は大統領を個人的に危険視している。」
カステリャーノスはまた,彼にはその予測不可能性を受け入れるようアドバイスすると述べた。
「人々はあなたを特定のイデオロギーに縛られているとは見ていないが,いずれにせよそのイデオロギーの代償を払っている。共和党員であることに加え,予測不可能であることでも批判されている。トランプがこのワード・クラウドを1週間ほど前に目にしたかもしれない兆候が見受けられる。ナンシー(ペロシ)と チャック(シューマー)と会談したからだ。」とカステリャーノスは述べた。
Methodology /調査方法
このABCニュース/ワシントン・ポスト世論調査は,2017年9月18日から21日にかけて,固定電話と携帯電話を用いて,英語とスペイン語で,無作為抽出された全国成人1,002名を対象に実施された。結果はデザインの影響を含め,標本誤差3.5ポイントである。党派別では,民主党,共和党,無所属がそれぞれ 31%,23%,36% だった。
(転載了)
*******************
変わりようのない性格なので8年後の今も あまり変わってないでしょう。
“a------”(原文通り)が 「アホ」と訳すのが適当かどうか,よくわかりません。
しかし,貿易赤字を 関税で埋めるなど “a------” としか ・・・ 。
‘The Guardian’,Dec.4,2025 付け
“Half of Europeans see Trump as enemy of Europe, survey finds”
「調査によると,ヨーロッパ人の半数はトランプを欧州の敵とみなしている」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
*********************
Nine-country poll finds half of people believe risk of war with Russia is high and three-quarters want to stay in EU
9ヶ国を対象とした世論調査で,半数の人がロシアとの戦争リスクが高いと考えており,4分の3がEU残留を望んでいることが明らかになった。
調査によると,ヨーロッパ人のほぼ半数がドナルド・トランプを 「ヨーロッパの敵」と見なし,ロシアとの戦争リスクが高いと評価する人はさらに多く,3分の2以上がそのような戦争が発生した場合,自国を防衛できないと考えていることが明らかになった。
パリを拠点とする欧州問題討論プラットフォーム 「ル・グラン・コンティナン(Le Grand Continent)」が 9ヶ国を対象に実施した世論調査では,回答者のほぼ4分の3が自国のEU残留を望んでおり,ほぼ同数の回答者がEU離脱が英国に悪影響を及ぼしたと回答している。
世論調査機関Cluster17の創設者であり、政治学教授のジャン=イヴ・ドルマーゲン(Jean-Yves Dormagen)は,「ヨーロッパは増大するリスクに直面しているだけでなく,歴史的,地政学的,そして政治的環境の変容も経験している。(調査の)全体像は、不安を抱え、自らの脆弱性を深く認識し,将来に向けて前向きな姿勢を示そうと苦闘しているヨーロッパの姿を描いている」と述べた。
世論調査によると,9ヶ国平均で48%の人がトランプを全面的な敵とみなしており,ベルギーの62%,フランスの57%と最も高い数値から,クロアチアの37%,ポーランドの19%と最も低い数値まで幅がある。
「ヨーロッパ大陸全体で,トランプ主義(Trumpism)は明らかに敵対的な勢力(hostile force)とみなされている」とドルマーゲンは述べ,この認識は強まっていると付け加えた。2024年12月と比較すると、トランプを「味方でも敵でもない」と表現する人は減少し,明らかに敵対的だと表現する人が増えている。
しかしながら,ヨーロッパ人は依然として米国との関係を戦略的に重要視している。EUが米国政府に対してどのような立場を取るべきかという質問に対し、最も多かった選択肢(48%)は「妥協(compromise)」だった。
フランス,イタリア,スペイン,ドイツ,ポーランド,ポルトガル,クロアチア,ベルギー,オランダでも,今後数年間のロシアとの開戦リスクが高いと回答した人が相対的に過半数(51%)に達し,18%が非常に高いと回答した。
ドルマーゲンは,このような結果は「ほんの数年前には考えられなかったことであり,ヨーロッパの世論が新たな地政学的体制へと移行し,大陸における直接的な紛争の可能性が広く受け入れられていることを示している。」と述べた。
ロシアとの近接性によって見解は大きく異なり、ポーランドでは回答者の77%が戦争のリスクが高いと考えているのに対し,フランスでは54%,ドイツでは51%,ポルトガルでは39%,イタリアでは34%だった。
調査によると,自国の軍事力に対する信頼度はどの国でも低く,9ヶ国全体では回答者の69%が,自国はロシアの侵略から自国を防衛する能力が「ほとんど」または「全く」ないと考えていることがわかった。
フランスの回答者が最も高い信頼度を示したが,44%と少数派にとどまった。ロシアと国境を接するポーランドでは,58%が信頼していないと回答した。ドルマーゲンは,「我々は,国家の弱体化という根強い意識を感じながら,危険な時代を迎えつつある。」と述べた。
調査によると,脆弱性に対する認識は広く共有されており,テクノロジーや軍事,エネルギーや食料に至るまで,様々な不安要因について特に脅威を感じていないと回答したのはわずか12%だった。
国によって大きな違いはあるものの,テクノロジーとデジタル・セキュリティが最も多く挙げられた脅威(28%)で,次いで軍事セキュリティ(25%)だった。欧州からの支援に対する強い要望があり,69%の人がEUは保護的な役割を果たすべきだと回答した。
9ヶ国の回答者の大多数がEU加盟を支持し,74%が 自国がEUに残留することを望んでいると回答した。この割合はポルトガル(90%)とスペイン(89%)で最も高く,ポーランド(68%)とフランス(61%)で最も低かった。
‘Brexit’から5年が経過した今,英国のEU離脱決定は大多数の人が失敗と見ている:63%が英国にマイナスの影響を与えたと考え,プラスの影響を与えたと考えるのはわずか19%で,その中で非常にプラスの影響を与えたと考える人は5%だった。
(転載了)
***********************
EU加盟国のみの調査のようで 英国民への調査はなかったようです。
トランプを味方と考える国民が半数以上いる国は ・・・ 珍しくなっています。
日本も同様でしょう。
‘Pew Research Center’,Dec.4,2025付け
“Public Trust in Government: 1958-2025”
「政府に対する国民の信頼度:1958-2025」
のタイトル調査結果を 下記,拙訳・転載します。
**************************
Just 17% of Americans now say they trust the government in Washington to do what is right “just about always” (2%) or “most of the time” (15%).
ワシントンの政府が「ほぼ常に」(2%),または「ほとんどの場合」(15%)正しい行動をとると信頼していると答えた米国人は,わずか17%にとどまる。
政府への信頼は数十年にわたって低い水準にとどまっているが,今回の調査結果は,全米選挙調査(the National Election Study)で初めてこの質問が行われた約70年間で最低水準の一つであり,昨年の調査結果(22%)よりも低くなっている。
連邦政府への信頼の推移:
1958年:全米選挙調査で初めてこの質問が行われた年,米国人の73% が連邦政府がほぼ常に,あるいはほとんどの場合,正しい対応をすると信じていた。
1960年代と1970年代:ベトナム戦争の激化に伴い,政府への信頼は低下し始めた。ウォーターゲート事件と経済危機の悪化により,1970年代も信頼度は低下し続けた。1980年までに,高い信頼度を表明した米国人は約4分の1にまで減少した。
1980年代と1990年代:政府への信頼度は1980年代半ばに回復したが,1990年代半ばに再び低下した。しかし,1990年代後半に経済が成長すると,政府への信頼度も上昇した。
2000年代と9/11:9/11テロ直後,国民の信頼度は30年ぶりの高水準に達したが,イラク戦争と2000年代後半の金融危機の影響で急速に低下した。
2007年から現在:政府を常に,あるいはほとんどの場合 信頼できると回答した人の割合は,2007年以降,30% を超えたことはない。
注:2025年9月の調査は,10月1日から11月12日まで続いた連邦政府閉鎖の直前に実施された。
民主党員の政府への信頼はかつてないほど低下している。連邦政府をほぼ常に,あるいはほとんどの場合信頼していると答えたのはわずか9%である。
現在,共和党員と共和党寄りの無党派層の26% が連邦政府を信頼していると回答しており,これは第1次トランプ政権における共和党の見解と同水準である。
1年前のバイデン政権下では,連邦政府をほぼ常に,あるいはほとんどの場合信頼していると答えた共和党員はわずか11% だった。民主党員の信頼度は35%と,より高くなっていた。
1970年代以降,政府への信頼度は,ホワイト・ハウスを掌握する政党の議員の方が野党の議員よりも一貫して高くなっている。
過去2回の政権交代において,共和党と民主党の政府への信頼度の変化は,ほぼ逆の傾向を示した。
これは以前の時期とは多少異なる。過去には,共和党員は民主党員よりも政治指導者の交代に敏感で,民主党政権下では民主党員が共和党政権下で示した信頼度よりもはるかに低いものだった。
白人(16%),黒人(14%),ヒスパニック(20%),アジア人(22%)の成人のうち,ほぼ同数の割合が連邦政府を「ほとんどの場合」または「ほぼ常に」信頼していると回答した。
注:白人,黒人,アジア系米国人の成人には、特定の人種に属し,ヒスパニック系ではないと回答した人が含まれる。ヒスパニック系はあらゆる人種に属する。アジア系米国人の成人の推定値は,英語話者のみを対象としている。
出典:ピュー・リサーチ・センター,全米選挙調査,ギャラップ,ABC/ワシントン・ポスト,CBS/ニューヨーク・タイムズ,CNNの調査。2020年以降のデータは ピュー・リサーチ・センターのオンライン・アメリカン・トレンド・パネルから,それ以前のデータは電話調査から取得している。
(転載了)
*********************
特に トランプだから信頼度が低いというわけではないようです。
‘Pew Research Center’,Dec.1,2025付け
“Where most people trust others and where they don’t around the world”
「世界中で最も他人を信頼している国と信頼してない国」
の見出し調査結果を 下記,拙訳・転載します。
*********************
社会的な信頼度は社会において重要な役割を果たす。ピュー・リサーチ・センターの最近の調査によると,米国では,他人を信頼する人は困っている時に隣人や友人を助ける傾向が高く,制度への信頼度も高いことが示されている。
しかし,米国をはじめとする多くの国では,社会的な信頼度はどこでも浸透しているわけではない。米国では成人の大多数(55%)が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答している一方で,相当数(44%)が 「ほとんどの人は信頼できない」 と回答している。
今年初めに調査を実施した25ヶ国全体で,他人への信頼度には大きなばらつきがある。例えば スウェーデンでは,成人の83%が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。しかし,トルコではこの見解を示したのはわずか14%だった。
調査対象となった高所得国では,中所得国よりも信頼度が高い傾向にある。また,主に高所得国の中でも,教育,所得,年齢による信頼度の格差が見られる。
この分析では、以下の点が明らかになる。
・社会信頼度(social trust)が 国や地域によってどのように異なるか
・社会信頼度と国の経済生産高(economic output)の関係
・社会信頼度が時間の経過とともにどのように変化したか
・社会信頼度が人口統計グループ(demographic group)によってどのように異なるか
・信頼度がイデオロギーや右派ポピュリスト政党(right-wing populist parties)への支持によってどのように異なるか
How social trust varies by country and region
社会信頼度は国や地域によってどのように異なるか
カナダとアメリカでは、大多数の人が「ほとんどの人は信頼できる」と回答していますが、カナダ人はアメリカ人よりもこの傾向がはるかに強い。
ヨーロッパでは意見が分かれている。スウェーデン,オランダ,ドイツ,イギリス,スペインでは,大多数の人が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。しかし,ハンガリー,ギリシャ,フランス,イタリアでは,その逆の回答が多くなっている。
アジア太平洋地域では,オーストラリア,日本,韓国,インドネシアでは,成人の少なくとも半数が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。インドでは,成人の大多数が 逆の回答をしている。
イスラエルでは,この質問に対する意見は分かれている。しかし,トルコでは,成人の大多数(84%)が 「ほとんどの人は信頼できない」と回答している。
調査対象となったサハラ以南アフリカの3ヶ国(ケニア,ナイジェリア,南アフリカ)でも,大多数の人が「ほとんどの人は信頼できない」と回答している。ラテン・アメリカ諸国のアルゼンチン,ブラジル,メキシコでも同様である。
How social trust relates to a country’s economic output
社会への信頼度と国の経済生産高の関係
調査対象となった16の高所得国では,成人の中央値59% が「ほとんどの人は信頼できる」と回答した。一方,9の中所得国では中央値27%だった。社会への信頼は,スウェーデンとオランダといった高所得国で最も高く,トルコ,メキシコ,ケニア,ブラジルといった中所得国で最も低くなっている。
米国は調査対象国の中で一人当たりの国内総生産(GDP)が最も高い国だが,「ほとんどの人は信頼できる」 と回答した米国人の割合は,インドネシアやスペインといった比較的裕福でない国と同程度である。
How social trust has changed over time
社会的な信頼度は時間とともにどのように変化してきたか
近年,調査対象となった一部の地域では,社会への信頼度が高まっている。
例えばインドネシアでは,成人の53%が 「ほとんどの人は信頼できる」 と回答しており,これは昨年の41%から増加している。
他の地域では,この質問は2020年にCOVID-19パンデミックの初期段階で実施された。それ以降,社会への信頼が最も高まったのは ドイツ(13ポイント増)とスウェーデン(12ポイント増)である。
すべての国で信頼度が高まったわけではない。例えばフランスの成人では,「ほとんどの人は信頼できる」と回答する割合が2020年より6ポイント減少している。
How social trust varies by demographic group
社会的な信頼度は人口統計学的グループによってどのように異なるか
社会的な信頼度は,教育,収入,年齢,その他の人口統計学的要因によって異なる。
Education and income/教育と収入
調査対象となったほとんどの国において,教育水準が高い人の方が低い人よりも他人を信頼する傾向が強いことが分かった。これは特に高所得国で顕著である。
例えばフランスでは,高学歴の成人の61%が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答したのに対し,低学歴の人では35%だった。
主に裕福な12ヶ国では,高所得者の方が他人を信頼する傾向も強いことが分かった。
Age /年齢
11カ国の主に高所得国では,高齢者は若者よりも人を信頼する傾向がある。例えば,オーストラリアでは50歳以上の80%が 「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。一方,35歳から49歳のオーストラリア人では66%,34歳以下のオーストラリア人では55% しか「信頼できる」と回答してない。
Gender /性別
7ヶ国では,男性は女性よりも 「ほとんどの人は信頼できる」と答える傾向が高い。アルゼンチン,ハンガリー,インドネシアでは,男性は女性よりも少なくとも10ポイント高い。
Race and ethnicity /人種と民族
この情報を収集している国の中には,人種や民族によって社会的な信頼度が異なる国もある。
米国では,白人米国人は他の人種や民族の米国人よりも信頼度が高い傾向にある。黒人とヒスパニック系米国人は信頼度が最も低いと報告されている。同様に,ブラジルでは,白人成人(29%)は,混血のブラジル人(20%)や黒人(12%)よりも信頼度が高い傾向にある。
イスラエルでは,ユダヤ系成人はアラブ系成人よりもはるかに信頼度が高い傾向にある(53%対32%)。
Religion /宗教
調査対象となったほとんどの国では,宗教による信頼度に大きな差は見られない。差がある場合でも,年齢,教育,政治的イデオロギーといった他の特性が関係していることが多い。
しかし,いくつか注目すべき例外がある。米国では,ユダヤ教徒の成人が際立っており,70%が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。一方,キリスト教徒は56%,無宗教者は55%だった。(センターが今年行った別の分析では,米国ではヒンズー教徒と末日聖徒イエス・キリスト教会の信者も特に信頼感が高いことが示されている。)
イスラエルでも,ユダヤ教徒の成人の約半数が「ほとんどの人は信頼できる」と回答している。一方,イスラエルのイスラム教徒では,その割合ははるかに低い(31%)。
How trust varies by ideology and support for right-wing populist parties
信頼度はイデオロギーや右派ポピュリスト政党への支持によってどのように変化するか
調査対象となった高所得国のうち7ヶ国では,イデオロギー的に左派の人々は右派の人々よりも他者を信頼する傾向が強い。
例えば,イタリアでは,イデオロギー的に左派の人々の約半数が「ほとんどの人は信頼できる」と回答しているのに対し,イデオロギー的に右派の人々は「ほとんどの人は信頼できる」と回答しているのは 約3分の1である。
同様に,一部の右派ポピュリスト政党を好ましく思わないヨーロッパ人は,これらの政党を好意的に思う人々よりも他者を信頼する傾向がある。例えばドイツでは,「ドイツのための選択肢(Alternative for Germany party)」に好ましくない意見を持つ成人は,支持者よりも「ほとんどの人は信頼できる」と回答する傾向が33ポイント高い。
(転載了)
*********************
フランス人が 高所得国の中で 他人を信頼する割合が低いのが 目を引きました。
何となく もっとも ・・・ という気もします。
‘BBC’,Dec.1,2025 付け
“Costco sues Trump administration for 'full refund' of tariffs”
「コストコ,関税の 『全額返還』 を求めてトランプ政権を提訴」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
**************************
Multinational retail giant Costco has sued the US government to secure a full refund of import duties if the Supreme Court rejects President Donald Trump's authority to impose tariffs without congressional approval.
多国籍小売大手コストコは,ドナルド・トランプ大統領が議会の承認なしに関税を課す権限を最高裁が却下した場合,輸入関税の全額還付を求めて米国政府を提訴した。
コストコの訴訟は,連邦取引裁判所(the federal trade court)に対し,トランプの「緊急」関税を違法と判断するよう求めている。大統領は,この権限は国際緊急経済権限法(IEEPA:the International Emergency Economic Powers Act)に基づいて行使できると主張している。
既に2つの下級裁判所は,トランプが緊急権限を行使して関税を課したことは権限の逸脱(exceeded his authority)にあたると判断している。
この訴訟は現在,最高裁に持ち込まれており,複数の企業が,最高裁が関税を却下した場合の還付請求権を守ろうとしている。
感謝祭の休暇中に提起された訴訟で,コストコは関税によって事業が打撃を受けており,最高裁(the apex court)が以前の判決を支持したとしても,支払ったお金を取り戻せないのではないかと懸念していると述べた。
コストコの弁護士は,「独自の判断と司法救済措置がなければ」 返金は保証されないため,「別途訴訟を起こす必要がある」と述べた。
世界第3位の小売業者であるコストコは,返還を求める金額を明らかにしていないが,米国税関庁の貿易データによると,コストコなどの輸入業者は9月末時点で IEEPA関連の関税として約900億ドルを支払っている。
コストコは,2025年12月15日の期限を前に,米国国際貿易裁判所(the US Court of International Trade)に訴訟を提起した。期限を過ぎると,政府に支払った資金の回収(recoup)は困難になるだろう。
5月,同裁判所はトランプ大統領の関税は違法(unlawful)であるとの判決を初めて下し,その後,連邦控訴裁判所(the US Court of Appeals)もこの判決を支持した(affirmed)。
先月の審理において,最高裁判所判事は,議会の承認なしに関税を課す(levies)大統領の権限に懐疑的な(sceptical)姿勢を示した。
トランプ政権の弁護士は,法廷において,緊急事態権限(the emergency powers)は大統領に世界的な関税を課す権限を与えるものだと主張してきた。
政権は,不利な判決が出れば各国との交渉能力が制限され,財務省(the treasury)は既に徴収した数十億ドルを失うことになると警告している。
「トランプ大統領の合法的な関税を守ることができなかったことによる経済的影響は甚大であり,今回の訴訟はその事実を浮き彫りにしている」と,ホワイト・ハウス報道官のクシュ・デサイ氏は CNBCへの声明で述べた。「ホワイト・ハウスは,最高裁によるこの問題の迅速かつ適切な解決を期待している。」と声明は付け加えた。
先月,大統領は米国が関税で 「数兆ドルを負担している」と述べ,「(高所得者を除く)一人当たり少なくとも$2000の配当(dividend)をすべての人に支払う。」と約束した。
(転載了)
******************
さて,最高裁は トランプに媚びを売らず その役目を果たすことができるでしょうか?
日系企業 - 豊田通商,住友化学,リコー,横浜ゴム,日本ガイシ,ウシオ電機,カワサキモータース,プロテリアル(旧日立金属),ヤマザキマザック なども提訴しているようです。
‘npr’,Dec.4,2025付け
“Trump is fighting the Institute of Peace in court. Now, his name is on the building”
「トランプ,平和研究所を相手に法廷闘争中。今や彼の名前が建物に刻まれている。」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
*********************
WASHINGTON — The Trump administration has renamed the U.S. Institute of Peace after President Donald Trump and has planted the president's name on the organization's headquarters despite an ongoing fight over the institute's control.
ワシントン発 ―トランプ政権は,ドナルド・トランプ大統領にちなんで米国平和研究所の名称を変更し,研究所の統制をめぐる争いが続いているにもかかわらず,本部に大統領の名を刻んだ。
これは,平和活動に重点を置く非営利シンクタンクである米国平和研究所(the U.S. Institute of Peace)の統制(control)をめぐる,シーソー・ゲームのような法廷闘争(seesaw court battle)における新たな展開である。同研究所は,今年,政府効率化局(DOGE:the Department of Government Efficiency)の初期の対象となっていた。
水曜日(12月3日),国務省は同研究所の名称を「我が国史上最も偉大なディールメーカーを反映して(reflect the greatest dealmaker in our nation's history)」ドナルド・J・トランプ平和研究所(the Donald J. Trump Institute of Peace)に改名したと発表した。新名称は,国務省近くにある同研究所の建物に掲示されている。
トランプは,今年のノーベル平和賞受賞を逃したものの,数ヶ月にわたり公然とノーベル平和賞獲得のためのロビー活動を展開し,世界中の一連の紛争の緩和に貢献した(had a hand in)と主張してきた。しかし,トランプはベネズエラ沖で麻薬密輸の疑いのある船舶への攻撃を命じ,ベネズエラに対する戦争行為となる陸上攻撃の可能性で 繰り返し脅している。
平和研究所の乗っ取りも決して平和的なものではなく,政権はこの独立機関(independent entity)を接収し(seizing),理事会を解任した(ousting)上で,実際に建物に自身の名前を冠した(affixing)。
ホワイト・ハウス報道官のアナ・ケリーは,「米国平和研究所(The United States Institute of Peace)はかつて,年間5000万ドルを浪費しながら平和を全く実現していなかった,肥大化した(bloated)無能な(useless)組織だった。1年足らずで8つの戦争を終結させた大統領にちなんで名付けられたドナルド・J・トランプ平和研究所は,強力なリーダーシップが世界の安定のために何を成し遂げられるかを力強く示す存在となるだろう。」と述べた。
彼女は「世界よ、おめでとう!(Congratulations, world!)」と付け加えた。
元研究所幹部と職員の弁護士であるジョージ・フット(George Foote)は,名称変更は「踏んだり蹴ったりの目に遭わせるもの(adds insult to injury)」と述べた。
「連邦判事は既に,政府による武力占拠(armed takeover)は違法であるとの判決を下している。政府が控訴している(appeals)間,判決は執行猶予(stayed)となっている。これが,政府がこの建物を管理し続けている唯一の理由だ。」とフットは述べた。
3月以降,DOGE(政府効率化局)による占拠をめぐる訴訟で,本部は複数回にわたり所有者が変わってきた。その運命に関する最終決定は,連邦控訴裁判所(federal appeals court)で保留されている。
USIP(米国平和研究所)は,この組織は議会によって独立して設立されたものであり,大統領の行政権の範囲外と主張している。一方,政権側は,USIPは行政府の組織であると主張している。
トランプが春に同研究所の理事会を解散した後,職員も解雇され,建物は一般調達局(GSA:the General Services Administration)に引き渡された。
連邦地方裁判所(federal district court)は5月にこの決定を覆し,本部はUSIP幹部の手に返還された。しかし,数週間後,連邦控訴裁判所がこの決定を覆した。
現時点(juncture)で職員は2回解雇されており,建物はGSAの所有となっている。
木曜日に行われるコンゴのフェリックス・チセケディ大統領とルワンダのポール・カガメ大統領による和平協定調印式では,この建物が舞台となる予定である。カガメ大統領の上級顧問であるヨランデ・マコロによると,調印式にはアフリカ連合(AU),アンゴラ,ブルンジ,ケニア,トーゴ,カタール,ウガンダ,アラブ首長国連邦の高官も出席する予定である。
USIPのウェブサイトは水曜夜も変更はなかったが,トップ記事の見出しは「ドナルド・J・トランプ大統領,USIP本部で歴史的な和平協定に署名へ 」となり,続いてトランプが木曜に同研究所で監督していたコンゴとルワンダの協定に関する記事が掲載された。
平和研究所は1980年代に議会によって設立され,1985年にロナルド・レーガン大統領の署名を得て法律として成立した(the bill into law)。議会による資金援助を受ける独立した非営利シンクタンクとして,国務省などの通常の機関の管轄外で,平和の促進,紛争の予防・終結に努めてきた。パキスタン,アフガニスタン,マリ,ブルキナファソ(Burkina Faso)を含む26の紛争地域で活動していたが,DOGEによって活動が停止された。
また,金曜日(12月5日)にワシントンで行われるワールド・カップの組み合わせ抽選会の傍ら,トランプがFIFAから新たな平和賞を授与されるのではないかとの憶測も広がっている。
(転載了)
*******************
顕示欲しかない男を大統領にしたところから 全てが始まりました。
FIFA平和賞という,わけの分からない賞は,既に トランプに渡されました。
何でも もらえれば彼は喜ぶようです。
‘AP’,Dec.6,2025付け
“FIFA gives Trump a peace prize in a departure from its traditional focus on sport”
「FIFAは従来のスポーツ重視から離れ,トランプに平和賞を授与」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
*******************
ワシントン(AP通信)―ドナルド・トランプ大統領は金曜日(12月5日),2026年ワールド・カップの組み合わせ抽選会でFIFAの新設平和賞を受賞した。4年に一度開催されるこのサッカーのワールド・カップの組み合わせを決めるこのイベントは、トランプらしさをさらに際立たせている(more of a Trumpian flair)。
ノーベル平和賞への選出を公然と訴えてきたトランプは,新設されたFIFAの平和賞の受賞が強く(heavily)期待されていた。トランプ大統領の側近である(a close ally of Trump)FIFA会長ジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)は,ガザでの停戦仲介(broker a ceasefire)への尽力に対して トランプがノーベル賞を受賞すべきだったと述べている。
インファンティーノは賞を授与する際,トランプに 「これはあなたにとって美しいメダルです。どこへ行っても身につけられます」と語った。トランプはすぐにメダルを首にかけた。インファンティーノがトランプに手渡した賞状は,米国大統領の「世界の平和と団結の促進(promote peace and unity around the world)」への功績を称えるものだ。
ファンティーノはまた,トランプの名前が刻まれ,両手で世界を支えている様子が描かれた金のトロフィーも贈呈した。 「あなたは,あなたの行動と,あなたが獲得してきたものによって,間違いなくFIFA初の平和賞を受けるに値する。」とインファンティーノは,トランプが紛争解決の功績をあげた国々の指導者らと会談する映像が上映された後に語った。
トランプは,妻メラニア夫人を含む家族に感謝の意を表し,短いスピーチの中で,開催国である他の2国の指導者,カナダのマーク・カーニー首相と メキシコのクラウディア・シャインバウム大統領を称賛し,各国との調整は「素晴らしい(outstanding)」ものだったと述べた。
「これは私の人生における最大の栄誉の一つだ。」とトランプは述べ,「何よりも重要なのは,皆様に感謝したいということだ。世界は今,より安全な場所だ(The world is a safer place now)。」と付け加えた。
インファンティーノは,サッカーは世界を一つにするものだとしばしば語ってきたが,今回の賞は,FIFAが伝統的にスポーツに重点を置いてきた姿勢から一線を画すものだ。
インファンティーノは大統領執務室を頻繁に訪れており,11月には政権がワールド・カップ出場者のビザ発給を迅速化する新たな取り組みを発表した際にも訪れている。1月のトランプ大統領就任式では,インファンティーノは最前列の席に着いており,FIFAはマンハッタンのトランプ・タワーに事務所を開設した。
FIFAは受賞者の選出プロセスについて詳細を明らかにしていない。インファンティーノ会長が先月,同組織が平和賞を授与すると発表した際,一部の幹部はメディアの報道でそのことを知り,驚きを隠せなかった(were caught off guard)。
FIFA会長は木曜日,ワシントンにあるドナルド・J・トランプ平和研究所(Donald J. Trump Institute of Peace)と改名された研究所でのトランプ大統領とコンゴ民主共和国およびルワンダの指導者らによるコンゴ東部の紛争終結に向けた合意署名にも出席した。
FIFAによるトランプへの賞の授与は,トランプ政権がウクライナ紛争終結に向けてシャトル外交を展開する一方で,カリブ海における麻薬密売船への致命的な攻撃で批判を浴び,トランプが移民に対する発言を強めている中で行われた。
今年のノーベル平和賞は ベネズエラの野党指導者マリア・コリーナ・マチャドに授与された。マチャドは受賞発表直後,賞の一部を「私たちの大義に対する断固たる支持」に対してトランプ大統領に捧げると述べた。マチャドは12月10日にノルウェーのオスロで行われる伝統的なノーベル平和賞授賞式で賞を受け取る予定。
(転載了)
******************
お手盛り? 命令?
いずれにしても 怪しげな賞です。
FIFAの幹部が知らなかった,とのことで 選考基準・過程が全く不明です。
(候補者リスト,審査基準,審査員などは公開されていません。)
FIFAの名誉が傷付きそうです。信用を落としたことは 間違いないでしょう。
‘Donald J. Trump Institute of Peace’ に改名する前は ‘the US Institute of Peace’ と真面で 普通の名前でした。
Trump is doing whatever he wants.
Aren't Americans ashamed?
‘Pew Research Center’,Nov.8,2025付け
“How Americans Are Thinking About Aging”
「米国人は老後をどう考えているか」
のタイトル調査報告を 下記,拙訳・転載します。
*************************
For older adults, income largely shapes the aging experience
高齢者にとって,収入は老後の経験を大きく左右する
米国の人口は急速に高齢化している。米国国勢調査局によると,2004年から2024年にかけて,65歳以上の米国人の割合は12.4%から18.0%に増加した。これは,出生率の低下と平均寿命の上昇に加え,第二次世界大戦後の出生増加を象徴するベビー・ブーマー世代が,現在60代,70代に入っていることも一因である。
こうした背景(backdrop)を踏まえ,我々は2025年9月2日から8日まで,8,750人の米国人成人を対象に,高齢化についてどのように考えているか調査を行った。
・米国の高齢者は年を重ねるにつれて,どのようになっていくか?
・若い世代は,老後の生活をどのように考えているだろうか?
・米国人は,高齢になった自分をコントロールできると考えている側面はあるのだろうか?
・米国人は,実年齢より若く見えるために何をしてきたか,あるいは何をしようと考えているか?
この調査は,米国の社会的・人口動態がどのように変化し,人々がこれらの変化にどのように反応しているかを調査する継続的な取り組みの一環である。また,高齢者と高齢化に関するこれまでの研究も踏まえている。
Key takeaways: /主なポイント:
・高齢化に対する認識:65歳以上の高齢者の49%が,極めて,あるいは非常に満足した老後を過ごしていると回答している。一方,65歳未満では,同様に満足した老後を過ごせると回答した人は30%だった。70代以降の生活について少なくとも時々考えると回答した若年層では,老後への不安(67%)が,楽しみ(51%)を上回っている。
・所得と高齢化の経験:65歳以上の高齢者において,高齢に伴う経験は所得によって大きく異なる。高所得層の高齢者の約10人中6人(61%)が,極めて,または非常に満足した老後を過ごしていると回答している。中所得層では51%,低所得層では39% がそう感じている。高所得層の高齢者は心身の健康状態を高く評価し,趣味に没頭したり友人と交流したりする時間を 極めて,あるいは非常に頻繁に費やし,市民団体や趣味クラブで活動する傾向が強い。
・高齢化と経済的な不安:65歳未満の米国成人の10人に4人以上(45%)は,退職後の生活を送るのに十分な収入と資産があるかどうか自信がない,あるいはそもそも退職できないと感じている。70代以降の生活について不安を感じている人の中で,経済的な不安が最も多く挙げられる理由の一つである。
・老化へのコントロール:年齢を重ねても,頭の回転の良さや見た目の老け込みよりも,身体的な健康と運動能力をコントロールできると考える米国人が増えている。10人中3人は,老化のプロセス全体に対して,人々は少なくともある程度はコントロールできると答えており,65歳以上の成人がこの見解を持つ可能性が最も高い(40%)。
How much control do people have over the aging process?
人間は老化のプロセスをどの程度コントロールできるのだろうか?
米国人の大多数は,以下の項目について,かなり,あるいはある程度,コントロールできると考えている:
・身体の健康 (67%)
・身体の可動性 (60%)
以下の項目について,少なくともある程度,コントロールできると答えた人は半数未満である:
・頭の回転の速さ (47%)
・見た目の年齢 (38%)
もし選択できるとしたら,何歳まで生きたいかという質問に対し,米国人の大多数 (76%)は少なくとも80歳まで生きたいと答え,そのうち29%は100歳まで生きたいと答えている。平均すると,米国人は91歳まで生きたいと答えている。
What steps have Americans taken to look younger?
米国人は より若く見えるためにどのような対策を講じているのだろうか?
米国の成人の半数未満が,加齢に伴う見た目はある程度コントロールできると考えている一方で,約半数以上が,実年齢より若く見えるために以下のことを実践した,または検討すると回答している。
・コラーゲンや抗酸化物質などのアンチエイジング・サプリメントの摂取(56%)
・白髪を隠すためにヘアカラーをする(52%)
約4分の1(23%)が,ボトックス,皮膚充填剤,レーザー治療などの非外科的美容治療を受けた,または検討すると回答している。また,18%が美容整形手術を受けた,または検討すると回答している。
Differences by gender /性別による違い
女性は男性に比べて,以下のことを実施した,または検討すると回答する割合がはるかに高い傾向にある。
・アンチエイジング・サプリメントの摂取(66% vs. 46%)
・白髪を隠すためのヘアカラー(73% vs. 29%)
・非外科的美容施術(33% vs. 13%)
・美容整形手術(26% vs. 10%)
What adults under 65 expect from their later years
65歳未満の成人が老後に期待すること
65歳未満の米国成人の10人に3人は,極めて,あるいは非常に健康的に老後を過ごせると考えている。大半(78%)は,日常生活の中で健康的に老後を過ごす可能性を高めるための対策を積極的に講じていると回答している。これらの調査結果は,18歳から29歳,30歳から49歳,50歳から64歳の成人の間で大きな差はなかった。
高所得層では,非常に良い老後を過ごせると予想する人の割合が最も高い(37%)。逆に低所得層では,良い老後を過ごせないと予想する人の割合が最も高い(25%)。
65歳未満の成人に70代以降の生活についてどのくらいの頻度で考えるか尋ねたところ,60%が少なくとも時々考えると回答し,そのうち18%は頻繁に考えると回答した。
少なくとも時々考える人の中で,老後の生活について不安(67%)と回答した人の割合は,楽しみ(51%)と回答した人の割合を上回った。約3割(28%)は,不安と楽しみの両方を感じている。
What are people worried and excited about as they think about aging?
人々は老後について,何を不安に思い,何を楽しみに思っているのだろうか?
65歳未満の人々に,70代以降の生活について,何を不安に思い,何を楽しみに思っているかを,自身の言葉で説明してもらった。
これらの調査結果は,老後のことを少なくとも時々考え,それを考えると少なくとも多少は不安になったりワクワクしたりすると答えた人々に基づいている。
Among those who feel worried, the top answers concern:
不安を感じている人の中で,最も多かった回答は以下のとおり:
・健康(身体,精神の健康を含む)(42%)
・経済(社会保障の将来への懸念を含む)(30%)
・家族関係(孤独,愛する人を失うこと,負担になることを含む)(16%)
Among those who feel excited, the top answers focus on:
楽しみを感じている人の中で,最も多かった回答は以下のとおり:
・家族や友人と過ごす時間が増えること(42%)
・アクティビティや旅行に費やす時間が増えること(30%)
・退職して働かなくて済むこと(19%)
経済に関する懸念は,米国の全年齢の成人を対象に,退職後も十分な収入と資産を得られるという自信を尋ねた別の質問でも聞かれた。
How things are going for older Americans
アメリカの高齢者の状況
65歳以上の米国人の多くは,生活の重要な側面について前向きな気持ちを持っている。
・60%が自分のメンタル・ヘルスを 極めて,または 非常に良好と評価している。
・66%が,常に,またはほとんど,自分の人生について楽観的だと感じている。
・70%が,常に,またはほとんど,サポートを求められる人がいると回答している。
それでもなお,彼らは課題に直面していると報告している。身体的健康状態を極めて良好,または非常に良好と評価する人は半数未満(37%)で,約6人に1人以上が以下の症状に該当すると回答している:
・少なくとも時々,孤独感や孤立感を感じる(35%)
・少なくとも時々,精神的な混乱や記憶障害を経験する(24%)
・歩く,階段を上る,食料品を運ぶといった日常的な活動を行うのが困難である(22%)
・少なくとも時々,身の回りの世話や身の回りのケアに助けが必要である(16%)
これらの課題の一部は,80代以上の高齢者に多く見られる。この高齢者層では,31%が精神的な混乱や記憶障害を経験しており,24%が少なくとも時々,身の回りの世話や身の回りのケアに助けが必要であると回答している。
How experiences differ by income
収入による経験の違い
高齢者の経験は,収入によって大きく異なる。例えば,高所得層の65歳以上の49%は,身体の健康状態が 極めて,または 非常に良好と回答し,73%は精神の健康状態についても同様の回答をしている。低所得層の高齢者では,これらの割合はそれぞれ 26% と45%に低下する。また,高所得層では,趣味に没頭したり,友人と交流したりすることに 極めて,または非常に時間を費やしていると回答する割合も高くなる。
(転載了)
***********************
日本と あまり変わりない?
‘The Guardian’,Nov.29,2025付け
“White House launches website to excoriate media for ‘biased’ stories”
「ホワイト・ハウス,メディアの 『偏向』 報道を厳しく非難するウェブサイトを立ち上げ」
の見出し記事を 下記,拙訳・転載します。
********************
Trump administration lists reporting it objects to in latest escalation of attacks on US journalism
トランプ政権,米国のジャーナリズムへの攻撃を激化,批判する報道をリストアップ
ホワイト・ハウスは金曜日(11月28日),公式ウェブサイトに新たなセクションを開設し,歪曲報道(distorted coverage)を行ったとされるメディア組織とジャーナリストを公に批判し,リストアップした。
ページ上部には,「誤解を招いた(Misleading)。偏向した(Biased)。暴露した(Exposed)。」 という文章が掲載されている。このセクションは,‘Boston Globe’,‘CBS News’,‘Independent’ を 「今週のメディア犯罪者(media offenders of the week)」と名指しし,軍人に違法な命令に従わないよう促すビデオを公開した民主党議員6人に関するトランプ大統領の発言を不正確に伝えたと非難している。
この論争は,トランプがソーシャル・メディア上で民主党議員を 「反逆行為であり,死刑に値する(seditious behavior, punishable by death)」と非難したことから始まった。さらに、トランプは 「奴らを 吊るせ(hang them)」という発言をリポストした。
同サイトによると,「民主党とフェイク・ニュース・メディアは、トランプ大統領が軍人に対し違法な命令を出したと,破壊的な方法で(subversively)暗に示した(implied)。トランプ大統領が発した命令はすべて合法だった。現職議員が米軍の不服従(insubordination)を煽ること(incite)は危険であり,トランプ大統領は彼らに責任を負わせるよう(held accountable)求めた。」
このオンラインページには,「犯罪者殿堂(Offender Hall of Shame)」も設置されており,‘Washington Post’,‘CBS News’,‘CNN’,‘MSNBC’(現在は ‘MS Now’ として知られている)などが含まれている。訪問者は,記事の検索可能なデータベースを閲覧し,執筆したジャーナリストの名前を確認できる。各記事は,「偏向(bias)」,「ミス(malpractice)」,「左翼の狂気(left wing lunacy)」などのラベルで分類されている。
ランキング・ボード(leaderboard)では現在,‘Washington Post’ がトップの犯罪者(offender)であり,‘MSNBC’ と ‘CBS News’ が2位と3位になっている。
‘Washington Post’ の記事の中には,今月初めに米国沿岸警備隊が 鉤十字(swastikas)と絞首縄(nooses)をヘイト・シンボルとして分類するのをやめるという報道が含まれているが,沿岸警備隊は記事掲載後にこの措置を撤回した。
‘Washington Post’ は,後続記事でこの迅速な撤回を認めている。新しい追跡システムに関する記事の中で,同紙は社内広報担当者の言葉を引用し,「‘Washington Post’ は正確で厳格なジャーナリズムを誇りにしている。」と述べている。
ホワイト・ハウスのページには,毎週の犯罪者として特定されているメディア以外にも,‘Associated Press’,‘New York Times’,‘Wall Street Journal’,‘Politico’,‘Axios’ などのメディアが,偏向報道や誤報を非難する長いリストに挙げられている。
このウェブページの開設は,トランプによる長年にわたる(long-running)メディア攻撃の新たなエスカレーションとなる。‘Wall Street Journal’ と ‘New York Times’ に対する訴訟,‘ABC’ と ‘CBS’ との和解,そして主要報道機関を 「人民の敵(enemy of the people)」と繰り返し呼んだことなどを受けてのものだ。
ここ数週間,トランプは女性ジャーナリストへの個人攻撃も激化させている。今月初め,彼がエプスタインのファイルについて質問を受けた後,大統領専用機内での衝突の際に,‘Bloomberg News’ の女性記者を「ブタ(piggy)」と呼んだ。
数日後,ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)殺害とエプスタイン事件について ‘ABC News’ 特派員から質問を受けたトランプは,記者を「ひどい奴(terrible person)」 と呼び返した。
先週,トランプは ‘Truth Social’ への投稿で,‘New York Times’ 特派員を 「内面も外見も醜い三流記者(third rate reporter who is ugly, both inside and out)」と呼んだ。これは,彼女が共同執筆した記事で,80歳を迎えた大統領のエネルギーが枯渇しつつある(running low on energy)と示唆した記事を読んだことを受けての発言だった。
(転載了)
************************
中国並みとなる? 否,米国のジャーナリストは それほどヤワではないでしょう。
そのうち 発行停止の大統領令が発せられるかも知れませんが,・・・ 。
トランプ お気に入りの ‘Fox News’ は一切 出ていません。
下に,本文中に示された,ホワイト・ハウス, ウエブサイトのページの一部を転載します。
米紙ワシントン・ポスト電子版は11月28日,米軍が9月に中南米海域で「麻薬運搬船」攻撃を初めて実施した際,ヘグセス国防長官が乗組員11人を全員殺害するよう命じていたと報じました。最初のミサイル攻撃で2人の生存者が確認されたため,再び攻撃して殺害したとのことです。
米軍はこれを皮切りに麻薬を密輸していると見なした船への攻撃を繰り返し,計80人以上を殺害,法律の専門家からは,戦闘能力のない乗組員の殺害は「戦争犯罪」だとの指摘が出ています。
この 「全員殺害せよ」の命令に関し,ヘグセスは フェイク情報と否定しました。
‘The Guardian’ がNov.29,2025付け
“Pete Hegseth denies that he gave orders to ‘kill everybody’ on alleged ‘narco-boat’”
「ピート・ヘグセス国防長官は,いわゆる『麻薬密売船』の乗組員全員を殺害するようとの命令を否定した。」
の見出し記事で報じています。
下記,拙訳・転載します。
************************
Defense secretary called reports about his role in strike as ‘fake news’ intended to discredit US military
国防長官は,自身の攻撃における役割に関する報道は米軍の信用を失墜させるための「フェイク・ニュース」だと非難した。
ピート・ヘグゼス米国防長官は金曜夜,カリブ海での軍事攻撃で全員殺害を違法に命じた可能性があるとする最近の報道を「フェイク・ニュース」と断言し,一連の船舶乗員攻撃(strikes of people on boats)は「米国法および国際法の両方において合法」だと付け加えた。
ヘグゼス長官は,攻撃における自身の役割に関する報道を 「祖国を守るために戦う素晴らしい戦士たちの信用を傷つけるための、捏造された(fabricated),扇動的で(inflammatory)中傷的な(derogatory)報道」だと激しく非難した(lambasted)。
この発言は,ワシントン・ポスト紙が今週報じた,9月2日,ヘグセス長官がアナリストによって監視されていた船舶に乗っている「全員を殺害する(kill everybody)」よう国防当局者に指示したという疑惑を受けてのものだった。この攻撃は,トランプ政権がここ数ヶ月で実施した数々の攻撃の最初のものだった。ホワイト・ハウスは,証拠もなく,国防総省の作戦で殺害されたカリブ海の船舶の乗組員は麻薬密輸業者(drug smugglers)だったと発表した。
ワシントン・ポストの報道を受けて,共和党のロジャー・ウィッカー上院議員と民主党のジャック・リード上院議員の2人が声明を発表し,上院軍事委員会が船舶の攻撃を調査すると述べた。
「委員会は,SOUTHCOM(アメリカ南方軍)の管轄区域内で麻薬密輸の疑いのある船舶に対する追加攻撃の疑いに関する最近の報道と国防総省の初期対応を認識している」と,上院議員らは共同声明で述べた。
「委員会は国防総省に調査を指示しており,状況に関連する事実関係を明らかにするため,厳正な監視を行う予定だ。」
ワシントン・ポスト紙によると,9月2日に実施された対テロ特殊部隊(the elite counterterrorist group)SEALチーム6が主導した作戦において,最初のミサイル攻撃で2人の生存者が沈没船にしがみついたまま残された。報道によると,特殊作戦軍(Special Operations Command)司令官のフランク・M・「ミッチ」・ブラッドリー大将は,ヘグゼスの命令に従い,2人の生存者を殺害するための2回目の攻撃を命じたという。
ワシントン・ポスト紙によると,一部の現職および元米政府関係者や専門家は,トランプ政権によるカリブ海でのミサイル攻撃は違法である可能性があると述べている。これまでに,少なくとも22隻以上の船舶を標的とした一連の軍事攻撃で80人以上が殺された。
米国政府はこれまで,麻薬密売船(drug-trafficking boats)を海上で拿捕し(interdicted),密輸容疑者を起訴してきた。
トランプ政権は,カリブ海に停泊中の船舶に乗っていた全員が麻薬密売人(drug traffickers)であると非難し,彼らは主に政権が重点的に捜査しているベネズエラのギャング,トレン・デ・アラグア(Tren de Aragua)のメンバーであると主張している。これらの船舶のほとんどはベネズエラから出航しており,同国では米国政府による政治的圧力が強まっている。
ヘグゼスは金曜夜にソーシャル・メディアに投稿した声明で,「宣言された目的は,致死性の(lethal)麻薬を阻止し,麻薬密売船(narco-boats)を壊滅させ,アメリカ国民を毒している麻薬テロリスト(narco-terrorists)を殺害することである。我々が殺害する密売人は全員,指定テロ組織に所属している。」と述べた。
トランプ政権は今年初め、トレン・デ・アラグアをテロ組織に指定した。政権はまた,ベネズエラのニコラス・マドゥロ(Nicolás Maduro)大統領を,ベネズエラ政府高官と軍高官で構成される麻薬密売組織「カルテル・デ・ロス・ソレス(the Cartel de los Soles)」の首謀者だと非難している。政権はカルテル・デ・ロス・ソレスをテロ組織と宣言しているものの,組織犯罪専門家は、同組織は厳格な階層構造(hierarchical structure)を持たない下級軍高官による緩やかなネットワークだと指摘している。
トランプは,フェンタニル関連の(fentanyl-related)過剰摂取による死亡率の高さを理由に,米国が船舶を攻撃していると主張している。しかし,議員,麻薬専門家(narcotics experts),元法執行官らは、フェンタニルはベネズエラ産ではないとして,この主張を否定している。
AP通信が今月報じた報道は,トランプ政権による船舶攻撃に関する主張に疑問を投げかけている(cast doubts)。報道では,殺害された数人の男性の詳細が明らかにされており,中には確かに麻薬を密輸していた者もいたものの,「麻薬テロリストでも,カルテルやギャングのリーダーでもない」 ことが明らかにされている。
ベネズエラ当局者をはじめとする一部の国々は,トランプ政権によるカリブ海での攻撃を適正手続きの違反だと非難している。ベネズエラの国連大使は,この攻撃を「超法規的処刑(extrajudicial executions)」と呼んだ。
トランプ政権は,人身売買容疑者(alleged traffickers)は米国にとって直接的な脅威であると繰り返し主張しており,これらのグループと「武力紛争(armed conflict)」状態にあると主張している。ガーディアン紙は今週,トランプ政権が今回の攻撃を,この地域における米国同盟国のための自衛活動として位置付けていると報じた。攻撃の過程で,エクアドル人とコロンビア人男性を含む少数の生存者が米国に捕らえられ,その後 母国に送還された。
10月にメキシコ太平洋沖で発生した船舶への攻撃を受け,メキシコ海軍は攻撃の標的となった生存者の捜索救助活動を開始した。
国防総省内では,船舶への攻撃について水面下で懸念が表明されていた。NBCの報道によると,ある上級軍事法務官(senior military lawyer)は,トランプ政権による攻撃は合法だという主張に異議を唱え,その後,他の当局者によって脇に追いやられた(sidelined)。船舶攻撃への攻撃を指揮していたアルビン・ホルジー(Adm Alvin Holsey)提督は10月に辞任した。ホルジー提督の辞任理由は不明だが,ニューヨーク・タイムズ紙は,ホルジー提督が船舶攻撃について内面的懸念(internal concerns)を表明していたと報じている。
(転載了)
*******************
米国内にも この問答無用の攻撃,殺害を違法と考える人間はいるようですが トランプの意思を覆せる力はないようです。
英語の勉強(役に立ちそうにない):
“narco”
[名詞]
1.〈米俗〉麻薬◆【同】narcotic
2.〈米俗〉麻薬捜査官
3.〈米俗〉麻薬の売人
・narco ring:麻薬組織
・narco-terrorism:麻薬テロ
・narco-trafficker:麻薬売買人
・narco-trafficking cartel:麻薬密売カルテル
