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浮世逍遥録

ふせいしょうようろく / 別名 “儚き世の中 ウロウロ記録”

2018年5月 7日 (月)

「報道の自由」指標,日本は ‘problematic’!

パリに本部を置く 非政府組織 「国境なき記者団」 (‘RSFReportersSans Frontièresin French, ‘RBFReportersWithout Bordersin English ) が,4月に ‘2018Worldwide Press FreedomIndex/Ranking’(世界報道自由度ランキング)を発表しました。

前書きとしてー

(翻訳転載)

2002年以来,「国境なき記者団」(RSF)によって毎年発行されている「世界報道自由度インデックス」は,国家間の競争の原則に基づいた重要なアドボカシーツール(advocacy tool である。多くの国家元首と政府は,その毎年の発表を恐れている。
インデックスは,世界中のメディアに引用される資料となり,国連や世界銀行などの外交官や国際機関によっても使用される。

このインデックスは,ジャーナリストの自由度に応じて 180ヶ国をランク付けしている。 それは,多元主義(pluralism)の評価,メディアの独立性,法的枠組み(legislativeframework) の質,各国のジャーナリストの安全性に基づくメディア自由の状況の寸評(snapshot)である。たとえ政府がその国のランキングに明らかに,大きな影響を及ぼしていても,公共政策へのランク付けはしない。又,各々の国のジャーナリズムの質の指標でもない。
 

How the index is compiled
インデックスのコンパイル方法

180ヶ国のジャーナリストにとっての自由度は,RSFが考案したアンケートに対する専門家の回答を集めることによって決まる。この定性的分析は,評価期間中のジャーナリストに対する嫌がらせと暴力行為の定量的データが組合わせられる。アンケートで使用される基準は,多元性(pluralism),メディアの独立性,メディア環境と自己検閲(self-censorship),立法の枠組み(legislative framework),透明性(transparency),ニュースと情報の開示を支えるインフラストラクチャーの質である。

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そして 結果はー

2018_press_freedomJapan_ranking

上右表は 日本の11年間のランキングと 6年間のIndex です。
上左表は 今年(2018年)の Top 10G7+韓国,中国の世界のランキングとIndex を示しています。

日本はIndex が去年より やや良くなっており,ランキングは去年の72位(180ヶ国中)から67位にわずかに上がっていますが,G7 中では 最下位で,カテゴリーは “problematic” (問題あり)です。
2010年の11位のときと何が変わったのか疑問です。

日本のProfileとして ‘Traditionand business interests’(伝統とビジネスの利益)の見出しで,下記の記述があります。
拙訳と共に 転載します。

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The worlds third biggest economic power, Japan is a parliamentarymonarchy that, in general, respects the principles of media pluralism.
世界第3位の経済大国である日本は,一般的にメディアの多元主義の原則を尊重する議会君主制である。

But journalists find it hard put to fullyplay their role as democracys watchdog because of the influence of tradition and businessinterests.
しかし,ジャーナリストは,伝統やビジネス上の利益のために,民主主義の監視役としての役割を十分に果たすことは難しいと考えている。

Journalists have been complaining of aclimate of mistrust toward them ever since Shinzo Abe became prime ministeragain in 2012.
ジャーナリストたちは,安倍晋三が2012年に再び首相に就任して以来,彼らに対する不信感情を訴えている。

The system ofkisha clubs(reporters clubs) continues to discriminate againstfreelancers and foreign reporters.
「記者クラブ」(レポーター・クラブ)のシステムは,フリーランサーや外国の記者を 引き続き差別している。

On social networks, nationalist groups harassjournalists who are critical of the government or coverantipatriotic subjects such as the Fukushima Daiichi nuclear disaster or the USmilitary presence in Okinawa.
ソーシャルネットワークでは,国粋主義グループは,政府を批判したり,福島第一原子力災害や沖縄の米軍の駐留などの「反愛国的な」(antipatriotic)テーマを報道するジャーナリストを攻撃する(harass)。

The government continues to refuse any debateabout a law protectingSpecially Designated Secrets, under whichwhistleblowers, journalists and bloggers face up to ten years in prison ifconvicted of publishing information obtainedillegally. 
政府は,「『違法』に取得された」情報を公表したとして有罪判決を受けた場合,内部告発者,ジャーナリスト,ブロガーが最高10年の懲役刑を服す,「特別指定の秘密」(Specially DesignatedSecrets)を保護する法律について,いかなる議論も拒否し続けている。

(転載了)
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「記者クラブ」に関しては 毎年のように,その排他的性格が問題にされています。

2018年5月 7日 (月)ニュース|固定リンク|0
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