「国内は既に飽和」と言われつつ今なお増加し続けるコンビニエンスストア。既にインフラと化したコンビニの店舗数がどのように推移してきたのか気になりましたので、調べてみました。
これまで、
セブンイレブン、
ローソン、
ファミリーマート、
ミニストップに関して、個別に店舗数推移を見てきましたが、今回はコンビニ業界全体での店舗数推移を調べてみました。データは、一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が公開している
統計調査資料を使用させて頂いております。
JFAの調査対象のコンビニは、2019年05月時点で以下の7社です(2018年02月よりスリーエフが対象外になりました。ローソンとの事業統合の絡みだと思われます)。
"セイコーマート、セブン-イレブン、ファミリーマート、ポプラ、ミニストップ、デイリーヤマザキ、 ローソン"
上記の通り、主要なコンビニは含まれていますが、各社のJFA加入時期が不明なことと、過去の資料の店舗数データが「年末・年度末」とで混在しているため、今回下記で作成したグラフの正確性・一貫性は低くなっています。また、国内には上記コンビニ以外にもローカルなコンビニが多数あるため、「国内の”主要な”コンビニの店舗数推移のおおよその流れ」を把握するために活用してください。
最終更新 2019/07/04
2019年05月度 主要7社国内コンビニ店舗数(速報値) 55,633店舗 (前年同月比+195店舗)まず、1983年からの店舗数推移を見てみます
主要8社コンビニ店舗数推移※1983年~1998年は年末なのか年度末なのか不明
※1999年~2003年は年度末の数値
※2004年以降は年末の数値
グラフを見ると、1990年代に急激に店舗数が増加しているのが見てとれます。2000年代になってからはしばらく横ばいの状態が続きましたが、2000年代後半から少しずつ店舗数が増加。2010年代になると増加速度が増してきており、2018年12月末では5万5743店舗となっています。
今後業界3強のセブン・ファミマ・ローソンを中心に、どこまで店舗数を増やしていけるのか気になるところです。個人的には、ドラッグストアとの競争もあるのでそろそろ本当に頭打ちし、漸減していくのではないかと思っていますが、どうなるでしょう。
次に、1年ごとの店舗数の増減を示したグラフです。
主要8社コンビニ各年純増数※1983年~1998年は年末なのか年度末なのか不明
※1999年~2003年は年度末の数値
※2004年以降は年末の数値
こちらのグラフを見ると、先述した通り1990年代の大きな増加、2000年代の停滞、2010年からの再増加(2015年以降は失速)がよく見てとれます。1987年と2004年の大きなマイナス、ならびに1988年・1989年(1994年も?)の大きなプラスは統計方法の変更等があったためだと考えられますが、データ元であるJFAにはそういう記述が見当たりませんでしたので、確認が取れておりません。注意が必要です。
ちなみに、主要3社(セブンイレブン・ファミマ・ローソン)の国内店舗数は以下のような推移となっています。
主要3社 セブンイレブン・ローソン・ファミマ店舗数推移※グラフの表記は「年度」としていますが、各年2月末の数値です(例:2017年度=2018年02月末)。
※ローソンの数値はナチュラルローソン、ローソンストア100も含みます。ファミリーマートの数値はエリアフランチャイザーの数値を含んでいます。
各社右肩上がりですが、特徴的なのがファミマの急激な伸びです。これは、2016年9月に、サークルKサンクスを運営していたユニーグループとファミマが経営統合し、”サークルKサンクス”が”ファミリーマート”へと統一されたためです(詳細は
コチラを参照)。また、業界1位のセブンイレブンの2010年度以降の伸びも驚異的です。セブンイレブンは、他二社よりも一店舗当たりの売上げが10万円近く多いようなので(
コチラの記事を参照)、オーナーにしてみれば「同じやるならセブンで」というのも頷けます。もちろんフランチャイズ契約するには、初期費用割合やいわゆるフランチャイズ料等考慮すべき事項が諸々あるのでしょうが…
朝永 久見雄
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