failmallocに関して、Rubyについては作者のまつもとさん自身が対応してくださったり、PythonについてもNealさんから個人的に連絡を受けたりと、プロジェクトの勢いを感じさせる展開でありました。私は例に出さなかったにも関わらず、いろいろ他に試してくださったプロジェクトもあるようです。
しかし何かひとつだけ全く動きのないプロジェクトがあって、それはPerlなんですよね。
私自身、確か4、5年ぐらいはPerl使いでした。途中で一度Rubyいいよーと勧められたけれど、「Perlで出来てるのに何でまた別のを勉強しなきゃいけないのだ」と、よくあるパターンで、Perlを長年使い続けていたのでした。
しかしPerlで書いたコードは全部ゴミにしかならないのは痛感していて、前に書いたものを解読するぐらいなら、また一から書き直した方が手っ取り早いという状況に、何か間違っているよなあという思いを抱きつつ、面倒臭さが先に立っていた、ある日のこと。何かの理由で一年ぐらい放置していたスクリプト群を洗い出さなくてはならなくなりました。それらは全部自分で書いた物であったけれど、全然意味分かりません。何だか生ゴミの容器から貴重品を見つけ出そうとしているかのような気分がしました。しかもスクリプトが分からないと、溜っているデータの意味も分からないので、放り出す訳にもいきませんでした。これで結局ふんぎりがついたと言うか、そういうことだったんですね。
私が思うに、RubyはPerlの守備範囲を何なくカバーしてしまっているので、Rubyが使えるとPerlは要らないんですよね。すでにPerlで書かれているプログラムを別にすれば。それ以来、Perlはawkと同様に「使えるけれど、大して要らないプログラム」となりました。と言いつつ、私はsedやawkは結構使ってますけど。
多分こういう感覚は私に特有のものではなく、世の中全体でもPerlの人気は急下降状態にあると思います。比較的若い連中に訊くと、もうあんまりPerlを使える人はいなくて、Python、Ruby、Java、C++なんかがほとんど。まあJavaの人気はマーケッティング以上の何者でもないと信じてますけど、Perlの不人気は純粋に技術的であると思いますね。
ちなみに、Nealさんは結構こまごま報告してくれたので、代わりにfailmallocをより汎用化するアイデアを教えてあげました。大したアイデアではないけれど、誰か適当に作ってくれると嬉しいな、と。
日本では、Perl-OOやエンタープライズ用途等の情報が普及して、爛熟期に入った感があります。>Perl
どの言語が優位という論争はもう腹いっぱいですが、Perl愛好家としてちょっと気になったので、一言。
Rubyが使えるとPerlは要らないかもしれませんが、Perlが使えるとRubyはいらないというのもありますね。
インターネットでプログラムの受注をしていると、Perlはすぐにでも使えるけど、Rubyは使えない、使えるようにするためにはサーバ会社に問い合わせたりオプション料金を払わなければならなかったりします。また、なによりも多くの会社でほとんど使われてなく、外の会社と連携したプロジェクトなどではRubyは選択肢に入りません。
と、ちょっとRubyを悪く言いましたがプログラマの立場によって役立つ言語が違っても良いと思います。でも、自分が好きな言語が悪く言われているのを見ると、ちょっと黙っていられないですよね。